- プロジェクトとは
- プロジェクトは誰のため?何のため?
- どうやってチームをまとめるの?
- いつまでに何をすればいいの?
- プロジェクトを振り返ろう
プロジェクトとは
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プロジェクト: やったことのないことを計画・実行して、期限までに終わらせること。
- プロジェクト = 独自性 × 有期成
企む | |
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段取る | 「やったことのないこと」について、「わかっているところまで」計画する。 |
やる | |
視る | 計画通りにいかないことのほうが多いが、計画を立てることで「比較」ができる。 |
振り返る |
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プロジェクトのむずかしさは「独自性」と「有機性」からくる。
「やってみないとわからない」ことに期限が切られる。- 独自性 × 有期成 = 不確実性
- 意思決定がズルズルと遅れてしまえば、大きな不確実性を持ったまま、時間だけが過ぎていく。
- プロジェクトマネジメントとは、 「やってみないとわからない」という現実を受け止めて、 意思決定タイミングをよく行いながら、不確実性を乗りこなすこと。
「やってみないとわからない」に対処する3つのアプローチ
不確実性そのものを小さくする |
○プロセスを設計する ○計画をしっかり立てる ○不明点を明らかにする |
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衝撃に備える |
○リスクを想定して、対策を立てておく ○バッファを設定する |
不確実性を徐々に小さくする |
○計画と実績を比較する ○ものごとを早めに決める ○変化を計画に反映させる |
- リーダーの役割は、この3つのアプローチを通じて、「やってみないとわからない」という不確実性に対処すること。
課題ログ
- 課題ログ: プロジェクトでまだ解決していない課題、新たに発生した問題などの「気になること」をリストアップしたもの
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課題はすべてここにリストアップされているという安心感。
- 1つの課題に集中して対処できる。
- 「人に振る」ことができるようになる。
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運用のポイント
- 「気になること」はすうに登録する。
- メンバーも書き込み・更新可能にする。
- 必ず担当者を割り当てる。
- リーダーが毎日確認する。
番号 | 課題 | 優先度 | 登録日 | 報告者 | 担当者 | 更新日 | 状況 | 対応状況 |
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プロジェクトマネジメントはカーナビ
- 結果は起きてしまったものだから受け入れるしかない。 マネジメントでいるのは、結果を生み出すまでの「プロセス」。 プロセスを変えないで、結果を直接変えることはできない。
- 「とにかくやれ」とプレッシャーをかけることではない。
- リーダーの役割は、メンバーを急かすことではなく、目的地までのルートを「誘導」し、「案内」すること。
プロジェクトは誰のため?何のため?
QFD(品質機能展開)、品質の家
- 顧客の声を具体的な実現手段に翻訳するツール
- 方向性を決めても、いざプロジェクトが実行されると、メンバーのそれまでの経験や感覚を元に進められ、決めた方向性とズレてしまう。
- STEP1. ヒアリングで得た顧客の声を、優先順位の高いものから絞り込む。
- STEP2. 顧客の要求をプロジェクトとして実現する手段に翻訳する。
- STEP3. [STEP2]の手段同士がぶつかっていないかチェックする。
- STEP4. 顧客の要求とプロジェクトの手段を関連づける。
- STEP5. 他者や過去のプロジェクトと比較する。
- STEP6. 目標値を設定する。
WBS
- 最終アウトプットを出すまでに、どんな中間成果物が必要で、そのためにどんな作業が必要か明らかにするツール。
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100%ルール
- 子要素を足し合わせると親要素と等しくなる。(MECE)
ステークホルダー・マトリクス
- 本当に知らせるべき人に、もれなく知らせる。
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関係のない人の影響を最小化する。
- 責任のない、何もやらない人ほど、「何か発言しなきゃ」と、プロジェクトの方向性を無視した発言をしがち。
3つの制約 〜 パフォーマンス、時間、資源
- プロジェクトリーダーとしてやらなければならないのは、この3つの要素のバランスをうまくとりながら全体の成果を最大化すること。
- トレードオフ・スライダー
プロジェクト・チャーター
プロジェクト名 | |
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プロジェクトミッション | プロジェクトで何をするのかを簡潔に表現。 |
プロジェクトの目的・ニーズ | なぜこのプロジェクトが必要なのか。解決したい課題など。 |
プロジェクトの目標 | 品質機能展開(QFD)で設定した目標値など。 |
チームメンバー | |
プロジェクトリーダー | |
プロジェクトスポンサー |
どうやってチームをまとめるの?
キックオフ・ミーティング
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目的
- プロジェクトが承認されたことを伝える
- プロジェクトリーダーとして認めてもらう
- 組織としての支援を働きかける
- プロジェクトのビジョン、方向性を共有する
チーム形成の4段階モデル
- みなが通る道。あせることなく、じっくり取り組んでいく。
状況対応リーダーシップ
S1. 教示的 | 具体的に支持する。 事細かに監督する。 |
成立期 |
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S2. 説得的 | コミュニケーションを促す。 衝突を避けずに対話を促す。 |
動乱期 |
S3. 参加的 | 権限を共有し始め、チームとして問題を解決する。 | 安定期 |
S4. 委任的 | タスクの遂行の責任はメンバーに任せて、コントロールを最小にする。 | 遂行期 |
- チーム形成の4段階は、ひとりでに進むものではなく、マネジャーが注意深く関わり、育んでいく必要がある。
- いま求められているスタイルはどのようなものかに、つねに注意を払う。
コーエン&ブラッドフォードの影響力モデル
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根底にある考え:
人を動かすには、相手が求める何かを提供し、ことらの欲しいものと価値の交換をする。 - 人を動かすために意識すべき6つの法則
法則1.味方になると考える | 相手が苦手な人であっても、味方にすることができると考える。 |
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法則2.目標を明確にする |
自分の正しさを証明するのではなく、成果を得ることに注力する。 自分が正しいということを証明することでも、相手が間違っていると認めさせることでもなく、「どんな協力を引き出したいのか」という目標に注力する。 |
法則3.相手の世界を理解する | 相手のニーズや懸念を理解しようとする。 |
法則4.カレンシーを見つける | 相手にとって価値のあるものは何かを考えて、日頃から蓄えておく。 |
法則5.関係に配慮する | 普段からの関係はどうか、相手はどんな仕事の進め方を好むのかに配慮する。 |
法則6.目的を見失わない | プロジェクトの成功という目的を意識して「価値の交換」をする。 |
いつまでに何をすればいいの?
プロセスフロー・ダイアグラム(PFD)
- 「順番」ではなく、入出力の「関係」を整理する。
プロジェクトが遅れる仕組み
学生症候群 (夏休みの宿題症候群) |
時間に余裕があっても、その余裕はムダに使われてしまう。 | 余裕はかならず食いつぶされる。 |
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パーキンソンの法則 | 仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する。 |
バッファ・マネジメント
学生症候群 (夏休みの宿題症候群) |
時間に余裕があっても、その余裕はムダに使われてしまう。 | 【原因】期限で管理しているから。 | 【対策】時間の見積りと余裕を分けて、バッファはバッファとして別に管理する。 |
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パーキンソンの法則 | 仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する。 | 【原因】時間見積りのなかにバッファを入れてしまうから |
モニタリング・シート
Bad | (1) 計画を厳密に立てる。 |
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(2) 計画と実績のズレを進捗率で把握する。 | |
(3) 計画と実績がズレたら計画を更新する。 ↑ 計画の更新に手間がかかる! |
Good | (1) 期日で管理しない。余裕を後ろに集めて、時間枠で管理する。 |
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(2) 余裕の消化率と予実の差をリアルタイムにモニタする。 → 先の見通しが立てやすくなる。 バッファの消化率が、プロジェクトの進行よりも早ければ、テコ入れが必要。 |
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(3) 計画の変更をある程度吸収できるようにする。 |
リスク管理
リスク管理の プロセス |
(1) リスクを洗い出す。 「どうすれば失敗させられるか」を考える。 |
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(2) リスクを評価する。 | |
(3) 軽減策と発生時対策を練る。 | |
(4) リスクを追跡する。 |
リスク・リスト
プロジェクトを振り返ろう
- 上で作った管理資料が資産になる。
課題ログ | プロジェクトの実行中にどんな課題が発生したのか。 |
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プロセスフローダイアグラム |
現実にどのようにプロセスを進めたのかを事実とし記録し、 起きた問題を分析し、プロセスを改善する。 |
モニタリングシート |
計画と実績はどれくらいの差があったのか、 どのような作業・成果物にさいが大きいのか、 次の見積りのデータとなる。 |
リスクリスト |
どのようなリスクがあり、 どのリスクが現実になったのか。 |
親和図
- 各自が挙げた問題をグループ化し、グループに名前を付ける。
KPT振り返り
Keep: よかったこと、続けたいこと |
Problem: 問題点、改善したいこと |
Try: 次に試したいこと |