- 1章 前進するフレームワークとしてのPDCA
- 2章 計画初級編:ギャップから導き出される「計画」
- 3章 計画応用編:仮説の精度を上げる「因数分解」
- 4章 実行初級編:確実にやり遂げる「行動力」
- 5章 実行応用編:鬼速で動くための「タイムマネジメント」
- 6章 検証:正しい計画と実行の上に成り立つ「振り返り」
- 7章 調整:検証結果を踏まえた「改善」と「伸長」
- 8章 チームで実践する鬼速PDCA
1章 前進するフレームワークとしてのPDCA
PDCAこそ最強のビジネススキルである
- PDCAは、個別のスキルの習得を加速させるためのベース。
企業・リーダーの価値もPDCA力で決まる
世間が抱くPDCAの6つの誤解
-
簡単だと思っている
- PDCAは、そのPDCA自体も成長していくものであって終わりはない。
- PDCAに慣れてくると、同時に回すPDCAサイクルの数も増える。
-
管理職向けのフレームワークだと思っている
- ゴールを定め、そこへの最短距離を探りながら全身を続けるための原動力となるのがPDCA。
- 対象を選ばない。個人レベル、プライベートでもよい。
-
失敗するのは検証(C)が甘いからだと思っている
- 計画が曖昧だと、振り返りがしたくても大雑把な検証しかできない。
- PDCAの5割は計画で決まる。
-
課題解決のためのフレームワークだと思っている
- 「うまくいかなかった原因」だけでなく、「うまくいった原因」も分析する。
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改善さえすれば終わっていいと思っている
- PDCAには「階層」がある。人も組織も複数のPDCAは、を回している。
- 上位のPDCAは、ほど回し続けることに意味がある。
-
大きな課題のときだけ回せばいいと思っている
- 大きな課題や目標をまず分解し、重要で効果が大きいものに絞って、小さなPDCAをいくつか回したほうが効果的。
PDCAのスケール感を意識せよ
- あらゆるPDCAには、さらにそれを含む上位のPDCAと、それを細分化した下位のPDCAがある。
証券マン時代に実践した鬼速PDCA
前に進むのがどんどん楽しくなる
鶏と卵の関係にあるPDCAと自信
- PDCAサイクルは、うまくいかなかったら改善すればいいという前提に立つ。
- PDCAサイクルにおける失敗は、その後の仮説精度を上げることにつながる立派な成果。
鬼速PDCAとは何か
【イメージ】
-
計画(PLAN)
- 課題が見えたらそれを解決するための大まかな方向性を考える。
-
実行(DO)
- 抽象的なアクションを抱え込んだまま実行に移せないケースが多い。
- アクションがわかったら、具体的なタスクに落とし込むこと。
-
検証(CHECK)
- Pから順に回すのではなく、随時、検証や調整をかけ、場合によっては計画を修正する。
- こまめに検証して、実行サイクルの無駄打ちを減らす。
- 調整(ADJUST)
2章 計画初級編:ギャップから導き出される「計画」
慎重さと大胆さのバランスが肝になる計画
-
「判断」をPDCAを回す前提に行えば...
- 「現時点で可能な限り精度の高い仮説を立てて間違っても仕方ない」くらいに思える。
- あらゆることをPDCAで回していると、メンタル面での負担が軽くなる。
ステップ1 ゴールを定量化する(KGIの設定)
-
期日を決める
- 理想的な期日:1〜3ヶ月後くらい。
-
定量化する
- KGI(Key Goal Indicator):期日設定を含めて、定量化したゴール
-
ゴールを適度に具体的なものにする
-
例
年間売上高
↓
四半期ベース、月ベース
↓
売上高の構成因子を考える
↓
月の新規開拓数30件
-
例
ステップ2 現状とのギャップを洗い出す
- ゴールの定量化と同じ基準で、現状を定量化する。
ステップ3 ギャップを埋める課題を考える
- ゴールから逆算すると、自分は何をすべきか?
- この道を進むとしたら、何が不足しているのか?
- 前進を加速するために、伸ばせる長所はないか?
- あらかじめ手を打っておくべきリスクはないか?
- 周りでうまくいっている人は、どんな工夫をしているか?
- 仮にここで課題を見落としていたとしても、検証を行っていれば、どこかの段階で気づける。
- 「課題を洗い出すためにPDCAを回す」という意識が重要。
ステップ4 課題を優先度づけして3つに絞る
- インパクト(効果)
- 時間
- 気軽さ
-
優先度づけのヒント
- インパクトのもっとも高いものを最低でもひとつ選ぶ
- インパクトが劣っていても短い時間でできそうなものがあれば選ぶ
- 同列の課題が並んでいたら、気軽さを基準にして絞り込む
- 優先度づけをしないと、PDCAが肥大化して、中途半端な状態で破綻する。
ステップ5 各課題をKPI化する
- できるだけ頻繁に検証でき、なおかつ成果がその数値に正確に反映されるものをKPIとする。
- KPI(Key Performance Indicator):最終的な目標を達成するための、過程を計測・評価する中間指標。
ステップ6 KPIを達成する解決案を考える
-
「解決案」=「大まかな方向性」
↓
アクション(DO)
↓
タスク(TODO)
ステップ7 解決案を優先度づけする
- 基準は、インパクト、時間、気軽さ
- 最重要PKIについては最低ひとつ、できれば2つ以上残す
- それ以外のKPIについてもできればインパクト重視で解決案をひとつはの残す
- 最短時間で終わるものについてはインパクトが弱くても残す
ステップ8 計画を見える化する
- KPIを目立つところに書き出しておく。
上位PDCAを再確認する
- ムダなPDCAを回すことがなくなる。
- PDCAに自身を持ってリソースをつぎ込める。
ときに思考のリミッターを外す
鬼速クエスチョン 計画編
3章 計画応用編:仮説の精度を上げる「因数分解」
PDCAの速さと深さは因数分解で決まる
因数分解のメリット
- 課題の見落としを防ぐ
- ボトルネックの発見がしやすい
- KPI化しやすい
- どんなゴールでも実現可能に思えてくる
- PDCAが速く深く回る
ポイント1 抽象度を上げてから分解する
ポイント2 5段目まで深掘りする
ポイント3 1段目だけはMECEを徹底する
ポイント4 切り方に悩んだら「プロセス」で切る
ポイント5 簡単な課題は「質 × 量」で切る
ポイント6 とにかく文字化する
ポイント7 マインドマップで鍛える
- 紙よりもパソコン
- PDCAのフレームは忘れる
- 時間がないなら時間を決めて行う
- 気になったら分解してみる
- ワクワクしながらやる
- XMind
4章 実行初級編:確実にやり遂げる「行動力」
解決案とDOとTODOの違い
- DO:解決案(課題解決のための方向性)を実現するために必要なアクション。
- TODO:スケジュール化された具体的なタスク
解決案 | 会社の数字に強くなる |
---|---|
DO | 簿記の本を読む |
TODO |
今日中に駅前の本屋で簿記の本を3冊買う 1週間ですべて読む |
実行できないケース1 計画自体が失敗している
実行できないケース2 タスクレベルまで落とし込まれていない
- これが「計画倒れ」の正体。
- 「計画ができれてればすぐに行動に移せる」←思い込み
実行できないケース3 失敗することが恐い
- 「悩んでいるならやってみよう。やることで課題場見える」という発想。
- 仮説は修正するためにある。
ステップ1 解決案を「DO」に変換する
解決案が具体的か抽象的か
完結型のDOと継続型のDO
ステップ2 DOに優先順位をつけ、やることを絞る
ステップ3 DOを定量化する(「KDI」を設定する)
KPI (Key Performance Indicator) |
ゴールの達成率 最終的な目標を達成するための、過程を計測・評価する中間指標。 |
---|---|
KGI (Key Goal Indicator) |
サブゴールの達成率 期日設定を含めた、定量化したゴール。 |
KDI (Key Do Indicator) |
行動計画の達成率 実行フェーズにおける、定量化したDO。 「どれだけ計画を実行できたか」を表す指標。 毎週200ページずつ本を読む。→KDIは読んだページ数 |
-
1 完結型のDOのKDI化
- ラップタイム(週200ページ読む)
-
2 継続型のDOのKDI化
- ルーチンチェックシート:自分のためのアンケート
ステップ4 DOを「TODO」に落とし込む
- DOがTODOに分解せ荒れると、もはや言い訳の余地もないので、 必然的に「もうやるしかない」という気分になる。
ステップ5 TODOの進捗確認をしながら実行に移す
- KDIの進捗確認は検証フェーズで行うが、TODOの進捗確認は実行フェーズに含まれる。
TODOを管理するコツ
- todoist
- TODOの共有
- 定番のポストイットも活用
「人」に潜むリスクに気を配る
セルフトークでPDCAを促進
「終わらなくてもいい」という割り切りも重要
鬼速クエスチョン 実行編
5章 実行応用編:鬼速で動くための「タイムマネジメント」
なぜ、いつのまにか忙殺されるのか?
- Comfort Zone
- Learning Zone
- Panic Zone
タイムマネジメントの3大原則
捨てる |
---|
入れ替える |
圧縮する |
「捨てる」ために既存のDOの棚卸しをする
- 工数棚卸しシート
- プライベートな時間の棚卸し → 想像以上にムダな時間が多いことに気づく
「入れかえ」のために重要・緊急マトリクスを使う
○重要・○緊急 他人に振れないか検討 |
○重要・×緊急 できるだけ削らない 仕組み化を検討 |
×重要・○緊急 相手の理解を得られないか検討 |
×重要・×緊急 真っ先に削る |
「時間圧縮」のためにルーチンを見直す
「重要・非緊急」領域を実行する方法
- 1. 仕組み化し、日常生活に組み込む
-
2. 強制的に「緊急領域」に移動する
- 試験に申し込む
6章 検証:正しい計画と実行の上に成り立つ「振り返り」
検証に失敗する2大パターン
KPI (Key Performance Indicator) |
ゴールの達成率 |
---|---|
KGI (Key Goal Indicator) |
サブゴールの達成率 |
KDI (Key Do Indicator) |
行動計画の達成率 |
- 1 検証をしない「やりっぱなし派」
- 2 検証しかしない「形から入る派」
ステップ1 KGIの達成率を確認する
ステップ2 KPIの達成率を確認する
ステップ3 KDIの達成率を確認する
- 結果(KPI)はコントロールできないが、行動(KDI)はコントロールできる。
ステップ4 できなかった要因を突き止める
KDIが計画通り推移していないとき
- 要因分析の基本は「なぜ」の繰り返しによる課題の整理。
KDI未達 | 時間をかけたか? | 時間をかけたが未達 | なぜ時間かけても未達なのか? |
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時間をかけられず未達 | なぜ時間をかけられなかったのか? |
KPIが計画通り推移していないとき
-
KPI未達の4大原因
- 行動が伴っていなかった(KDIが未達)
- 行動は合っていたが不十分だった(DOの不足)
-
想定していなかった課題があった(課題が未発見)
- 「人」「情報」「地域」「時間・時期」「ターゲット」「コミュニケーション」にまつわる課題
-
仮説で立てた因果関係が間違っていた(KPIとKDIの連動性が取れていない)
- KPIと解決策の関係
- 解決案とDOの関係
- DOとKDIの関係
- KPIとKDIの連動性
KPI | 売上を2倍にする |
---|---|
↓ | |
解決案 | 営業部員を2倍にする |
↓ | |
DO | 部署替えで対応 |
↓ | |
KDI | 3人増員 |
KGIが計画通り推移していないとき
ステップ5 できた要因を突き止める
検証精度とスピードの関係
「気づき」があったらそれはC
- PDCAをPから始める必要はない。
考え抜いた結果のミスはOK
鬼速クエスチョン 検証編
7章 調整:検証結果を踏まえた「改善」と「伸長」
ADJUSTの体系的理解が難しいわけ
P |
ゴールを決め、課題を考え、KPIを設定し、解決案を考える。
|
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---|---|---|---|
D |
解決案を一段階具体化したDOを考え、そのKDIを設定し、さらに具体化したTODOに落とし込み、実行する。
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C |
KGI、KPI、KDIを検証し、できなかった要因とできた要因を絞り込む。
|
||
A |
検証結果を踏まえ調整案を考え、次のサイクルにつなぐ(または中止する)。
|
-
調整フェーズがわかりづらい原因
- KGI、KPI、KDIのそれぞれが扱うスケールの大きさがバラバラであり、 その検証結果次第で、「調整」のレベルも大きく変わるから。
ステップ1 検証結果を踏まえた調整案を考える
-
ケース1 ゴールレベルの調整が必要そうなもの
- PDCAの中止
- 現在のPDCAの中止、新しいPDCAのスタート
- 現在のPDCAの続行、新しいPDCAのスタート
-
ケース2 計画の大幅な見直しが迫られるもの
- 課題の中止
- 課題の変更
- 課題の追加
-
ケース3 解決案・DO・TODOレベルの調整が必要そうなもの
-
KDI未達に対する改善
- DOの中止
- DOの変更
- DOの追加
-
KDI未達に対する改善
- ケース4 調整不要
ステップ2 調整案に優先順位をつけ、やることを絞る
- インパクト、時間、気軽さの指標で優先度をつける。
ステップ3 次のサイクルにつなげる
- Pを省いてDにつなげてもOK。
検証と調整フェーズでよく起こる間違い
- 1 新しいものに目移りしやすい(個人)
- 2 間違ったものばかりに目が行く(個人・組織)
- 3 意見の統一がはかれない(組織)
- 4 課題のたらい回し(組織)
- 5 プロセスの可視化が不十分(組織)
鬼速クエスチョン 調整編
8章 チームで実践する鬼速PDCA
PDCAを鬼速で回す必要条件
- 因数分解で精度の高い仮説を立てる
-
仮説思考、リーン思考で動く
- とりあえず、失敗してもいいからやってみる。
- 常にインパクトの大きい課題、行動から着手する
-
行動のアイデアが湧いたらすぐにタスク化する
- DOを思いついたら反射的にTODO化する習慣。
-
行動目標も必ず数値化する
- 結果を直接コントロールしようとせず、行動を徹底的にコントロールする。
- TODOの進捗管理は毎日行う
- こまめに検証を行う
-
要因分析時は「思い込み」を外す
- 想定通りにいかないときは仮説を疑う。
- 次のサイクルに迅速につなげる
- 小さいPDCAを同時に多く回す
鬼速で課題解決するための「半週ミーティング」
- 主目的は実行サイクルの「詰まり」を取り除くこと。
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各メンバーに発表してもらうこと
- 目標達成率
- その数値になった要因の分析結果
- どう改善・伸長すればいいか
- 課題ウェルカム。課題がないということは鬼速でPDCAを回していない証拠。
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会議の種類・目的(どれなのか明確にする。目的別にフォーマットを変える。)
- ブレスト
- 情報共有
- 課題解決
3日ごとの前進度合いを可視化する「鬼速進捗管理シート」
- 複数のKPIに紐付いた必要な施策(DO)を列挙。
- ひとつの施策に、担当者、複数のKDI、その進捗率、改善策、課題。
- 各自の行動計画を全社員で共有する。
知見を集積するための「なるほどシート」
非緊急領域を定着化させる「ルーチンチェックシート」
- 目標を書き、毎日点数をつける。週平均・月平均を見返す。
- TODOリストに入らない属性のものを入れる。
有志によるPDCAワークショップ
鬼速PDCAコーチング
鬼速クエスチョン コーチング編