- 第1章 ナショナリズムとグローバリズムの「シーソーゲーム」
- 第2章 「米中冷戦」の思想史と強いロシアの復活
- 第3章 「超国家EU」崩壊の序曲
- 第4章 グローバル化するイスラム革命
- 最終章 日本の思想史と未来
第1章 ナショナリズムとグローバリズムの「シーソーゲーム」
フランス革命によって生まれた「右派 vs. 左派」
左派 | 右派 |
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自由主義 | 保守主義 |
個人優先 | 共同体(国家)優先 |
- 「保守派」とは、それぞれの国の体制の原点を守ろうとする人々。
アメリカ | 独立自尊のフロンティア・スピリットを守ろうとする個人主義者 |
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日本 | 皇室を中心とする伝統文化を守ろうとする人々 |
ソ連 中国 |
共産主義の原理原則である一党独裁と統制経済を守ろうとする人々/td> |
世界に先駆けたイギリスの「政治システム」
立憲君主制 |
憲法で制限された君主制。 「王は君臨すれども統治せず」 |
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なぜ、同じ支持基盤から思想対立が起こるのか?
左派 | 右派 |
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自由党 | 保守党 |
産業資本家 | 地主 |
自由貿易を支持 | 保護貿易を支持 |
(輸出と投資の自由を求める!) | (穀物輸入を制限し、英国の農業を守る) |
近代をつくった「禁欲」と「資本主義」の意外な関係
政治思想としての資本主義 イデオロギーとしての資本主義 |
16世紀、宗教改革。 「一生懸命働いてどんどん投資することが、紙のご意思に叶う」 |
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「カトリック教国」が財政赤字に苦しむ必然的理由
カトリック |
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「勤労と蓄財は罪」 |
ナポレオンの敗北は、自由主義への敗北でもあった
イギリス産業革命 (自由貿易) |
vs. | フランス革命 (保護貿易) |
ナポレオン |
〇フランス革命後の混乱を収拾し、軍事独裁政権を樹立。 〇「フランス革命の輸出」を掲げてヨーロッパ全土を占領。(ナポレオン戦争) 〇イギリスとの貿易を禁止。(大陸封鎖令) 〇イギリス(+英と貿易したい欧州国)がナポレオンを破る。自由貿易の勝利 |
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社会主義の萌芽は、『人間不平等起源論』
- ルソー『人間不平等起源論』。「土地の私有」が不平等の始まり。
「持たざる者の怒り」が社会主義を生んだ
資本主義 | → | 格差 | → | 社会主義 |
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自由主義 (産業資本家) |
vs. | 保護主義 (地主) |
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vs. | ||
社会主義 (労働者) |
時代遅れのロシアで、マルクス主義の亡霊が蘇る
「革命のチャンスは二回」訪れた
「選挙に敗れたレーニン」は、どうソ連を樹立したのか
社会主義に到達するための方法 | ナロードニキ | |
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メンシェヴィキ |
まずは市民革命。当面は資本家を応援して貴族を打倒する。 資本家が横暴になったら、社会主義革命をやればいい。 |
|
ボリシェヴィキ |
資本家は敵だ。貴族を倒したら、間髪入れずに労働者革命を起こし、資本家を倒せ。 二段階連続革命だ。 |
-
ボリシェヴィキ改めロシア共産党の一党独裁体制が確立。(レーニン)
世界初の社会主義国家、ソヴィエト連邦(ソ連)が生まれた。
「平等だが、自由ゼロ」。20世紀におけるもっとも「左」の思想。
自由主義を謳歌したアメリカ「狂気の黄金時代」
- 第一次世界大戦の戦時国債の償還で、アメリカに大量のマネーが流れ込む。
そして、「ソビエト型社会主義」に世界中が憧れた
自由主義経済 | ||
↓ | ← | 欧の回復で、米→欧の輸出が頭打ち |
世界恐慌 | ||
↓ | ||
ルーズベルトのニューディール政策 新しい「リベラル」(社会主義的) |
- 世界恐慌の裏で、 共産党政権のもと、一人の失業者も出していないソ連が、理想国家のように映る。
思想の大逆転「ルーズヴェルト大統領のリベラル宣言」
ルーズベルト |
自由放任の古典的自由主義が貧富の差を拡大し、個人を不幸にした。 国家が責任を持って、個人の生活を守るべきだ。 社会保障をしっかりと提供し、国民の生活の面倒を見るべきだ。 これが本当のリベラルだ。 |
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新しい「リベラル」の意味 |
手厚い社会保障。 強力な政府と巨大な官僚機構(大きな政府)。 重い税負担。 富を平等に分配するシステム。 |
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「右派=国家」「左派=個人」の矛盾が混乱を生む
政治的 | 個人 | 19世紀的なリベラル | |
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国家 | 世界恐慌後のリベラル | 19世紀までの保守(※) | |
平等 | 自由 | ||
経済的 |
- アメリカの保守。「草の根保守」
19世紀 | |
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左 | 右 |
自由主義 | 保守主義・権威主義 |
個人優先 | 共同体(国家)優先 |
金儲けの手段は「ものづくりから金融」へ
イギリス | 「世界の工場」→「世界の銀行」 |
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金融業界の人たち |
世界中で自由に投資したい。 地球規模でヒトやモノやカネの自由な流れを作りたい。 グローバリスト。 |
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製造業界の人たち |
賃金の安い国にはかなわない。 輸入品には関税をかけて、国内産業を守りたい。 経済的ナショナリスト。 |
アメリカの保守とは「自主独立」「独立主義」である
草の根保守 (グラスルーツ保守) |
〇個人の独立自尊を求める開拓者精神「フロンティア・スピリット」。 〇過酷な自然や先住民との戦いを通して育んだ「自分の身は自分で守る」という自主独立の精神。 〇「モンロー主義」「独立主義」: - アメリカはヨーロッパに口を出さないから、ヨーロッパもアメリカに口を出すな。 - 19世紀のアメリカの外交姿勢。 |
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なぜ、アメリカはグローバリズムへと舵を切ったのか?
- グローバリズムへの舵切り = ウィルソン大統領の第一次世界大戦への参戦
- 参戦理由:連合軍が敗北し、戦時国債が紙くずになるのを怖れたから。
- 「アメリカは世界の警察官になる」と言った最初の大統領。
第二次世界大戦の「真の勝者」は?
- 真の勝者:スターリン
- 第二次世界大戦のいて、アメリカはソ連と同盟を結び、共産主義がユーラシア大陸全体に拡散するのを助けた。
グローバリズムは、いかにして頂点を極めたか
- 1960年代、ソ連の指導に毛沢東が反発。
- 中ソ対立が激化。国境での軍事衝突。
- 共産党文壇の好機と考えたニクソン大統領が1972年に訪中。毛沢東と和解。
- 鄧小平が「改革解放」政策。アメリカ資本を導入。
- ウォール街は巨大な投資先を手に入れる。
- 1991年、ソ連崩壊で、ロシアにもアメリカ資本が流れ込む。
- 冷戦終結後の1990年代、民主党クリントン政権はグローバリズムの全盛。
- 政権と金融資本のズブズブの関係はリーマンショックで終わる。
誰が、トランプ政権を生み出したのか?
- → グローバリズムとナショナリズムのシーソーゲーム。
第2章 「米中冷戦」の思想史と強いロシアの復活
中国の裏切りで幕を開けた「米中冷戦」の因縁
- 米は中国にキリスト教を広め、親米国家をつくりたかった。
- 日清戦争・満州事変。・・・米は中国支援
- 日本が中国撤退後、毛沢東が社会主義計画経済を採用。・・・米に対する裏切り
- 1950年、朝鮮戦争。・・・中国と米国の代理戦争。
- 在韓米軍、在日米軍を配備。日本の自衛隊を容認。
「中ソ対立」から始まった米中蜜月
- ソ連の「上から目線」に毛沢東がキレる。
-
1972年、ニクソン大統領が毛沢東を訪問。
〇中ソ対立を利用して中国と和解し、米中両国がベトナム戦争から手を引く戦略。
〇中国市場に展開したいグローバリスト。
脱・計画経済と中国型グローバリズムの始まり
- 1978年、鄧小平の「改革開放」。
- OK・・・金儲けの自由
- NG・・・政治批判の自由
誰にも明かされなかった「鄧小平の本懐」
政治的 | グローバリズム | 共産党改革派 (走資派) 鄧小平 |
|
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ナショナリズム | 共産党保守派 (文革派) 毛沢東 |
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平等 | 自由 | ||
経済的 |
グローバリストの本質 | 人権よりも金儲け |
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共産主義の「格差社会」という大いなる矛盾
- 企業からワイロをもらって、土地使用の便宜をはかる共産党幹部。
- 特に甘い汁を吸った「上海閥」(江沢民)。
- → 格差拡大
-
反動としての習近平
「本来の社会主義を取り戻すため、毛沢東の思想にもとづく改革を進めよう!」
「汚職を撲滅しよう!」
アメリカの虎の尾を踏んだ中国
政治的 | グローバリズム | 共産党改革派 (上海閥) 鄧小平 江沢民 胡錦涛 |
|
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ナショナリズム | 共産党保守回帰派 習近平 |
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平等 | 自由 | ||
経済的 |
米中冷戦の背景に「叙任権闘争」あり
「一帯一路」は、帝国主義の再来か
「帝国主義」 の正体 |
〇植民地相手に自由貿易を広げる。 〇植民地以外には高関税。 〇一見すると自由貿易のグローバリズム。 〇根底にあるのはナショナリズムの保護主義。 |
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「ユダヤ人の恨み」が東西冷戦を引き起こした!?
ロシア革命(1917年) |
帝政ロシア vs. レーニン + ユダヤ人 ※ユダヤ人をニューヨーク金融資本が援助 |
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レーニン後 | [勝] スターリン |
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vs | |
[負] トロツキー → 世界各国へ → 米民主党 → 米共和党のネオコン |
政治的 | グローバリズム | 世界革命論 トロツキー |
|
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ナショナリズム | 一国社会主義 スターリン |
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平等 | 自由 | ||
経済的 |
民主党を陰で操るトロツキストたち
トロツキスト の使命 |
イスラエルに敵対するアラブ諸国を倒し、 中東全体を民主化し、 イスラエルの安全を確保する。 |
---|
イスラエルに 敵対するアラブ諸国 |
親ソ派の 社会主義者 |
イラク | サダム・フセイン大統領 |
湾岸戦争(1990年) イラク戦争(2003年) |
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エジプト | サダト大統領 | |||
リビア | カダフィ大佐 | |||
シリア | アサド(父)大統領 |
イラク戦争をそそのかした「ネオコンの正体」
- ネオコン = トロツキスト
- 共和党を操り、アメリカを「世界の警察」へと駆り立てる。→ 湾岸戦争、イラン戦争
政権中枢で暗躍した「ネオコンの終焉」
- イラク戦争の泥沼化
- リーマンショックで経済悪化
- 民主党オバマ大統領が「イラク戦争からの撤退」を公約にして当選
- 最後のネオコン = ボルトン大統領補佐官@トランプ政権
- ボルトン「シリアを叩け!」「北朝鮮を叩け!」
「金儲けファースト」の民主党か、「国益ファースト」の共和党か
民主党 | 金融ユダヤ人 | 「金儲け!」 |
共和党 | イデオロギーユダヤ人 = ネオコン | 「独裁政権を叩き潰せ!」 |
草の根保守 | 「他国には干渉しない」「小さな政府」 |
- 草の根保守はネオコンにうんざり。
大風呂敷を広げて終わった「残念なオバマ改革」
支持基盤 | 民主党 | 移民労働者、黒人 | → オバマは保険制度改革にこだわる |
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共和党 | 草の根保守 |
ネオコン路線をことごとく潰したトランプ
- トランプは、オバマ民主党のグローバリズムにストップをかけた。
- TPP脱退、パリ協定脱退、米中貿易戦争。
- トランプ政権でリーマンショックからの経済は完全に復活したが、 コロナやBLMで再選失敗。
黒人解放運動は、なぜ過激化するのか?
ソ連崩壊後に待っていた「グローバル化の荒波」
- 1991年、ソ連崩壊 @ゴルバチョフ → エリツィン大統領
- エリツィンはIMFの要求を丸呑みし、ロシアの市場を開放。
- 石油・天然ガスなどの地下資源が、外国資本やユダヤ系新興財閥(オリガルヒ)に買収される。
- 自由化の恩恵を受けたのは、資源の輸出で稼いだ外国資本や新興財閥だけ。
ロシアを立て直す「希望の星プーチン」
政治的 | グローバリズム | 急進改革派 エリツィン 新興財閥 |
|
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ナショナリズム | 統一ロシア プーチン |
||
平等 | 自由 | ||
経済的 |
世界を敵に回しても、ウクライナを欲しがる理由
- → 黒海への出口だから。
過去の栄光をもう一度!「強いロシアの復活」
ロシア人が好む 強い指導者 |
帝政ロシアのピョートル大帝 |
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ソ連のスターリン | |
プーチン大統領 |
第3章 「超国家EU」崩壊の序曲
超大国アメリカへの対抗として、新たな国家が生まれた
-
欧州統合の始まり
- 第二次世界大戦後、独仏和解のために資源の共同利用を定めた欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)。
- 戦争のないグローバルな世界を。
- 真の狙い:「ドイツを封じ込める」
- 超大国アメリカへの対抗。
「上から目線のEU」に、キレたイギリス
- EUの政策を決めているのはEU官僚 ←選挙で選ばれたわけではない
- EU官僚 = グローバリスト
政治的 | グローバリズム | EU官僚 (ドイツ、フランス) |
|
---|---|---|---|
ナショナリズム | イギリス | ||
平等 | 自由 | ||
経済的 |
EUの原点は「ドイツの封じ込め政策」
- 世界恐慌
- → 主要国は「ブロック経済」政策(保護貿易主義、経済ナショナリズム)へ。
- → ドイツでは、困窮した人々の不満がヒトラー率いるナチスへの支持に向かう。
- → アジアでは、日本軍が植民地を求めて満州事変。
- → 第二次世界大戦へ。
- ブロック経済という保護主義貿易が第二次世界大戦を引き起こした。
-
という反省をふまえて、ブレトン・ウッズ体制が生まれる。
- 「世界を自由貿易体制に戻し、投資と貿易を自由化して、植民地がなくてもやっていけるようにしよう!」
- 貿易決済の基軸通貨は米ドル。
- 米ドル・金・各国通貨の交換レートを固定する固定相場制。
統一後に発生した「東西経済格差」
財政赤字国は、ドイツにとって最高の「かくれみの」
圧倒的経済力でドイツがEUを乗っ取る!
メルケルが抱える旧東ドイツのトラウマ
なぜ、ドイツは移民受け入れに積極的なのか?
- ドイツ産業界の意向。安価な労働力として移民を受け入れたい。
ドイツで台頭するトランプ的ナショナリズム
- EUの政策を決めているのはEU官僚 ←選挙で選ばれたわけではない
- EU官僚 = グローバリスト
政治的 | グローバリズム | SPD (社会民主党) |
CDU (キリスト教民主同盟) メルケル |
---|---|---|---|
ナショナリズム | AfD (ドイツのための選択肢) |
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平等 | 自由 | ||
経済的 |
大陸と距離を置くイギリスの独自路線
イギリスのEC加盟は“いいとこ取り”だ!
ドイツ | 製造業で稼ぐ。通貨は弱い方がいい。 |
---|---|
イギリス | 金融業で稼ぐ。通貨は強い方がいい。 |
福祉国家を目指したイギリスの「悲惨な末路」
反動としてのグローバリズムへの転換
キャメロンの「火遊び」で、まさかのEU離脱
ボリス・ジョンソン首相の「英国ファースト」
「フランスの小泉」を脅かす、黄色いベスト運動
政治的 | グローバリズム | 共和国前進 (マクロン) |
|
---|---|---|---|
ナショナリズム | 黄色いベスト運動 (労働組合) |
国民連合 (ルペン) |
|
平等 | 自由 | ||
経済的 |
ドイツ第四帝国 vs. 新生イギリス
ドイツが率いるEUグローバリズム | vs. | 各国ナショナリズム |
第4章 グローバル化するイスラム革命
「革命の輸出」とグローバリズム
利益のグローバリズム | 「儲かればええやん」 |
---|---|
価値のグローバリズム | 「異教徒を滅ぼせ!」 |
革命のグローバル化 |
革命には膨大なエネルギーが必要。 ↓ 革命が成功すると、その精神を世界に広げようという動きが必ず出てくる。 |
---|
「遠隔操作」で、世界革命を推進せよ!
「世界革命」 ロシア革命のグローバル化 (レーニン) |
ロシア革命で貴族・地主・資本家を打倒し、労働者を解放した。 ↓ 世界の労働者を解放し、 各国にソヴィエト政権を樹立させ、 世界を統一しよう! ↓ 成功したのは、ロシア、ウクライナなど4カ国だけ。 これらが連合してソヴィエト連邦が組織。(1922年) |
---|---|
そのほかの国は「共産主義インターナショナル」(コミンテルン)で遠隔操作。 td> |
グローバリストのトロツキー vs. ナショナリストのスターリン
レーニン の後継者 |
トロツキー | 「一気に世界革命を!」 |
---|---|---|
スターリン | 「まずは足場を固めよう!」 一国社会主義論 |
スターリンがコミンテルンを見捨てた「やむを得ないワケ」
-
世界革命を放棄したスターリンにとって、コミンテルンはソ連の足を引っ張る存在に。
- 各国につくった共産党が過激化。各国との関係悪化。
あらゆる革命軍は、「暴走する宿命」にある
-
国の体制を転覆させるのが革命。
膨大なエネルギーが宿る。
-
エネルギー = 「労働者を資本家の搾取から解放する」という思想。
理想を実現するためのパワー = 軍事力
- スターリンは群の暴走を防ぐため、軍幹部を粛正。
理想を抱いた革命軍の「悲しき結末」
- いつの時代どの国も、革命軍は暴走する。
- ロシア、中国、ドイツ、日本、イラン…
イラン人とは、どのような民族なのか
中東の 三大民族 |
イラン人 |
①歴史が古く(ササン朝ペルシア)、プライドが高い。 ①ゾロアスター教 ⑥イスラム教への改教を迫られる(小数派のシーア派に) (シーア派は血統重視だが、ムハンマドの孫がササン朝ペルシアの女王をめとっていた。) |
---|---|---|
アラブ人 |
②かつて支配されていたので「反イラン」。 ③アラブ人のなからムハンマドが現れる。→ イスラム教 ④イスラム教徒として団結して勢力拡大。 ⑤ササン朝ペルシアを滅亡へ。 |
|
トルコ人 |
経典重視のスンナ派、血統重視のシーア派
シーア派 | スンナ派 |
---|---|
少数派(1割) | 多数派 |
血統重視 | 経典重視 |
イラン (ムハンマド一族にはササン朝ペルシア女王の血が混じっているから) |
アラブ (ササン朝ペルシアの血が気に入らないから) |
少数派だが中東全体に広がる (グローバリスト) |
イスラム世界に押し寄せたグローバリズムの波
- 第二次世界大戦後、イランではイギリス寄りの政権が続く。
- イギリス資本(現在のBP)が、イラン国内の石油産業を独占。
-
モサデグ首相「イランの石油をイラン国民に取り戻せ!」(資源ナショナリズム)。
1951年、石油国有化を断行。 - イギリスとアメリカの石油資本はイラン原油を市場から締め出す。
- CIAが資金提供して軍事クーデター。モサデグを失脚へ。
- パフレヴィー2世の独裁王政が確立。(グローバリズム×自由)
-
富を独占するパフレヴィー王朝に対抗する勢力が登場。
シーア派法学者であるホメイニ師。 - ホメイニ師の指導するイラン革命が勃発。(1979年)
近代化への反発から起きたイラン革命
- 近代化により経済は成長したが、取り残された貧困層も生まれた。貧富の格差。
- イスラム教「アッラーの前では皆が平等」。
王族や外国資本の利益独占はイスラム教に反する。 -
親米の王朝を倒し、外国資本を締め出したことで、
イランは西欧諸国を完全に敵に回した。
敵対関係は今も続く。
政治的 | グローバリズム | シーア派法学者 (ホメイニ、ハメネイ) |
パフレヴィー朝 |
---|---|---|---|
ナショナリズム | モサデグ | ||
平等 | 自由 | ||
経済的 |
イスラム教とは、グローバリズム宗教である
イスラム教 の本質 |
「『コーラン』の時代に戻ろう!」。 国境を越えたイスラム共同体の実現を目指すグローバル宗教。 |
---|
イラン革命 |
世界初の「シーア派革命」。 目指したのは「抑圧されているシーア派を解放し、イスラム世界を本来の姿に戻すこと」。 |
---|
-
革命後、隣国イラクと戦争。
ホメイニ師は「革命防衛隊」を発足。
そのなかに「コッズ部隊」(特殊部隊)が組織され、国外のシーア派を援助し、
「イラン革命の輸出」を。 - コッズ部隊は、コミンテルンのイラン版。
スンナ派のIS vs. シーア派のコッズ部隊
-
アラブの春
- 新ロシア政権 vs 米オバマ政権+国際金融資本
-
シリア内線
- シリアのスンナ派とISが結びつく vs アサド政権を支援するコッズ部隊
キリスト教徒が多い「レバノン」の受難
「イラク戦争後」のイラクは、どこへ向かうのか?
最終目標は、「聖地エルサレムの奪回」
コッズ部隊の 最終目標 |
中東各国にシーア派政権を打ち立てて、 連合軍を結成してイスラエルに攻め込む。 そこからユダヤ人を追い払い、 エルサレムを奪い返す。 |
---|
なぜ、ソレイマニ司令官は暗殺されたのか?
イランを無視できない「大人の事情」
- ①イラン革命が中欧諸国へ波及して反米政権が次々に誕生すると、アメリカ資本が中東から追い出されてしまう。
- ②世界最大のユダヤ人口を抱えているのはアメリカ。だからイスラエルを守らねば。
誰にも言えない「イランの本音」
-
ソレイマニ司令官が殺害されて胸をなで下ろしたのはハメネイ師?
-
中東のあちこちでトラブルを引き起こしていたコッズ部隊にうんざり?
「犠牲者ゼロの報復」に、隠されたメッセージ
世界は、イランとどう向き合うべきか
- 国家としてのイランは認める。
- イラン革命の輸出を狙うコッズ部隊は国際テロリストであり、認められない。
日本は、イランとどう向き合うべきか
最終章 日本の思想史と未来
アメリカの従属国として始まった戦後日本
-
戦後の日本は名目的には独立国だが、実態はアメリカの保護国。
- 憲法9条「戦力不保持」
- 日米安保
社会主義勢力 vs. 自民党
政治的 | グローバリズム | 自由党 (吉田茂) |
|
---|---|---|---|
ナショナリズム | 日本社会党 | 日本民主党 (鳩山一郎) |
|
平等 | 自由 | ||
経済的 |
自由党 (吉田茂) |
自由民主党 (55年体制) |
日本民主党 (鳩山一郎) |
「安保反対闘争」の真相
1 | 吉田茂 | |
2 | 鳩山一郎 | |
3 | 岸信介 |
日米安保条約の改定に注力。 日米を対等な同盟関係に。 |
豊かになれば、社会主義運動は起こらないのか?
4 | 池田隼人 |
所得倍増計画。
= 政府主導による経済成長政策(ニューディール型) 資本主義のまま経済を発展させつつ、 富の分配をうまく行えば、 人々は貧困から抜け出せる。 東京オリンピック(1964) 高度経済成長 → 左旋回で社会主義運動を抑え込む。 |
稀代の政治家・今太閤「田中角栄」登場
4 | 池田隼人 | 豊かになったのは太平洋側だけ。(太平洋ベルト) |
5 | 田中角栄 |
日本列島改造論。 地域間格差の解消を目指す。 |
「富の分配」と「金権政治」の明暗
金権政治 | 経世会 | 田中角栄 |
---|---|---|
竹下登 | ||
小沢一郎 |
アメリカ頼みから脱却、「親中政策」への大転換
- アメリカ vs ソ連+中国
- ベトナム戦争の泥沼化(1955~1975)
- 「ニクソン訪中」 ~ニクソン大統領が毛沢東を訪問(1972)
-
田中角栄「アメリカが行くなら、自分も行く」
→ 中国との国交回復 - 自民党内に、親米派と親中派の対立が生み出される。
アメリカにハメられた?「ロッキード事件」
ロッキード事件 |
田中角栄の「資源外交」に石油メジャーがキレた? ※インドネシアやロシアからも石油を購入。 |
---|
「田中角栄のコピー」が、中国市場の甘い蜜を吸う
- 竹下登
- 田中角栄が国内で行っていたことを、中国を相手に巨大な規模で始めた。
- 経世会と中国共産党との蜜月関係。
「小沢一郎」の思想は、いかにして形成されたか
- 小沢一郎
-
湾岸戦争:米「自衛隊を派遣できないなら金を出せ!」(小沢が交渉)
→ 反米路線へ
天安門事件を黙認した「日本の罪」
- 1989年、天安門事件。
- 欧米は経済制裁。
-
宮沢喜一郎政権(黒幕は小沢一郎)が経済制裁を骨抜きに
- 1992年、史上初の天皇訪中。
- これをきっかけに、日本は先駆けて、対中貿易を再開。
- 冷戦が終結(1991年)
- ソ連という敵がいなくなったアメリカは、ジャパンバッシングへ。
- 1990年代、クリントン民主党政権は、対中投資で儲けることしか頭にあらず。
小沢一郎の離党に、先見の明あり?
-
55年体制の終わり
- 天皇訪中の翌年(1993年)
- 宮沢内閣不信任案。小沢一郎がクーデター。
主柱を失った「経世会の逆襲」
なぜ、「自民党をぶっ壊す」必要があったのか?
- バラマキ経世会 vs 小泉+緊縮派財務省
郵政民営化で見え隠れする「官僚の権力闘争」
- 財務省は徴税以外に国民のお金を吸い上げるシステム(郵貯銀行)が気に入らなかった。
親米政権による「聖域なき構造改革」
小泉劇場――「抵抗勢力をぶっ壊す!」
グローバリズムという名の「対米追従外交」
「共産主義の夢」から覚め始めた中国人
「愛国のファンタジー」の標的にされた日本
- 江沢民のナショナリズム。愛国教育。
- 小泉首相の靖国参拝が標的に。
北朝鮮外交の裏で放置された「拉致問題」
- 中国同様に北朝鮮とも友好関係を築いてきた経世会。
かたくななに否定した拉致問題を、金正日が認めた理由
ピュアなナショナリスト「第一次安倍政権」の失敗
どっちつかずに終わった「第二次安倍政権」
菅政権は、「獅子身中の虫」を制御できるか