- 『資本論』の要約
- 『資本論』が見直された
- マルクスとその時代
- 世の中は商品だらけ
- 商品の価値はどうやって測る?
- 商品から貨幣が生まれた
- 貨幣が資本に転化した
- 労働力も商品だ
- 労働力と労働の差で搾取する
- 労働者はこき使われる
- 大規模工場が形成された
- 大規模な機械が導入された
- 労働賃金とは何か
- 資本が蓄積される
- 失業者を作り出す
- 資本の独占が労働者の革命をもたらす
- 社会主義の失敗と資本主義
『資本論』の要約
-
人間の労働があらゆる富の源泉であり、
資本家は、
労働力を買い入れて働者を働かせ、
新たな価値が付加された商品を販売することによって利益を上げ、
資本を拡大する。
資本家の激しい競争により無秩序な生産は恐慌を引き起こし、
労働者は生活が困窮する。
労働者は大工場で働くことにより、
他人との団結の仕方を学び、組織的な行動ができるようになり、
やがて革命を起こして資本主義を転覆させる。
『資本論』が見直された
-
ソ連をつくったレーニン
- 『資本論』を読んで、「マルクス主義の考えをもとにして、世の中をすっかり変えてしまおう。労働者が中心の世界にしてしまおう」と考えた。
- 社会主義国家ができたことによって、とりわけヨーロッパの資本主義の国々は、対抗して社会福祉に非常に力を入れるようになった。
-
資本主義が社会主義に勝つ
↓
市場のおかげ。市場に任せよう!
↓
新自由主義
- 東西冷戦時代で社会主義にならないように資本主義の国々が労働者の権利を守り、 経済がひどい状態にならないようにといろんな仕組みをつくったことによって、 恐慌というのは起きなくなっていたのに、 新自由主義によって、すべてを自由にした途端に、再び恐慌が起きるようになった。
- 社会主義が勝手に崩壊してしまったのを、 資本主義が勝ったんだというふうに驕り高ぶって、 昔の資本主義に先祖返りしてしまって、 結局マルクスが書いていたころの『資本論』の時代に戻ってしまった。
- 戦後しばらくの間は、日本中ではマルクス経済学が主流だった。
- 円高でアメリカ留学する経済学者が増えると、新自由主義が主流に。
マルクスとその時代
1848年 | 『共産党宣言』 |
1959年 | 『経済学批判』 |
1867年 | 『資本論』(第1巻) |
1917年 |
ロシア革命(レーニン) (史上初の社会主義国家の樹立につながる。) |
ロシア革命
1905年 第1次革命 |
資本主義の発展 ↓ 貴族、資本家 vs 労働者、農民(+ 自由主義者、ブルジョワジー) ↓ 皇帝は大幅な譲歩 |
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1917年 第2次革命 |
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マルクスがイメージした社会主義
- 前提・土台は、経済豊かな資本主義。共産党が革命を起こしてまず一番に獲得すべきことは民主主義。
-
資本主義が発展
↓
労働者が団結
↓
労働者が革命を起こし、労働者の世の中をつくる
社会主義の世の中をつくる
- 資本主義が発達している国ならば経済が豊か。豊かな社会の中で、高い能力を持った労働者たちが社会主義をつくっていく。
- ロシア革命: 資本主義も民主主義も発展していなかったから失敗?
- マルクス・レーニン主義: 共産党が労働者を指導し、武力を使って権力を奪取する。労働者ではなく共産党が率先。
世の中は商品だらけ
「商品」の分析から始めよう
「社会の富は商品の集合体」
商品の価値はどうやって測る?
使用価値と交換価値
使用価値があるから交換価値もある
- 商品と商品を交換できるのは、それぞれどっちにも使用価値があるから。
交換できるものには共通点がある
- 共通点 = 人間の労働
- 使用価値または財は、抽象的に人間的な労働がその中に対象化されている、あるいは受肉しているからこそ価値をもつ。
労働が含まれているから価値がある
- 商品の価値は、そこに含まれている労働の量によって決まる。「労働価値説」
他人にとって使用価値があるから商品だ
- 自分が使うためだけだったら、自分にとっての使用価値ではあるけれども、商品ではない。
みんな誰かの役に立つ仕事をしている
- 自分が働くことによって誰かに喜んでもらえるという働きがい、生きがい。「社会的な労働」
分業することで豊かになる
- 交換が成立するから、分業が可能になる。
- 分業・交換により、社会の富はだんだん大きくなっていく。
単純労働と複雑労働
- 単純労働の時間 ≠ 複雑労働の時間
交換に便利なものが使われた
- 日本・・・稲(いね)→ ね → 値
- 中国・・・子安貝(こやすがい)→ 貝 → 買・貯・貴・貧など
- ローマ帝国・・・塩 → サラリウム → サラリー
商品から貨幣が生まれた
貨幣が生まれた
-
商品は、その使用価値の雑多な実物形態といちじるしい対照をなす共通の価値形態、つまり貨幣形態をもつということである。
この優越的な地位をひとつの特定の商品が歴史の中で獲得した。それが金である。
お金の価値が下がると商品の値段が上がる
商品ーお金ー商品
W - G - W |
①他人にとって使用価値があるもの「商品W」をつくる。 ②「お金G」が手に入る。 ③そのお金で他の「商品W」を買う。 |
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「商品の命がけの宙返り」
- W - G。商品の最初の転身または販売。商品価値が商品の肉体から金の肉体へと飛び移ることは、(中略)商品の命がけの宙返りである。
- 「ある本質」が、商品の肉体から金の肉体へ飛び移る。「ある本質」=「労働」
-
分業があるから貨幣が生まれる。
分業 → 商品の交換 → 貨幣の誕生
お金の単位は「記号」になった
- 1ポンドの価値は金1ポンドだった。「重さ」の単位だったポンドが単なる単位となった。「記号」に過ぎなくなった。
紙幣が生まれた
「お金」だと思うからお金として通用する
貨幣の機能には3つある
価値尺度 | |
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価値保存 |
貨幣退蔵
黄金欲が目覚める
|
支払い手段 |
第二次世界大戦後の国際通貨体制とは
-
ブレトン・ウッズ体制
- 金を一番たくさんもっているアメリカのドルを世界のお金(決済通貨)にしよう。
- マーシャル・プラン、ベトナム戦争 → 金兌換の終わり(ニクソン宣言) → 変動相場制
貨幣が資本に転化した
価値は増えていく
G - W - G' |
①「お金G」を持ってる人が、 ②「商品W」を買って、より価値のあるものに加工して誰かに売って、 ③「お金G'」を得る。 ↑ お金自体の価値を増やす人=資本家 「'」が剰余価値 |
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- 価値を増やしてこれまで以上のお金に増やす。剰余価値を生みだす。こういう運動を始めたお金のことを資本と呼ぶ。
-
資本としての貨幣の流通は自己目的である。
なぜなら価値増殖はたえず更新されるこの運動の内部にしか存在しないからである。
資本の運動にはしたがって際限がない。
この運動の意識的な担い手となったとき、貨幣所有者は資本家となる。 (中略)抽象的な富をより多く手に入れることが彼の行為の唯一の動機であるかぎり、 彼は資本家として、あるいは意志と意識をもつ人格化された資本として機能する。 したがって使用価値はけっして資本家の直接の目的として扱われるべきではない。 それどころか個々の利潤ですらその目的とはいえず、目的はただひとつ、利潤の休みなき運動である。- 意識的な担い手=資本家・・・単にお金を持っているだけでなく、お金で何かを買って、もっと価値を増やしてから売って、お金を増やそう!
- 抽象的な富・・・お金。いろんなものを買えるけど、それ自体は空腹を満たしてくれない。
-
人格化された資本・・・
人間性を失い、お金を増やすためなら何でもやるよ、という状態。
人間が資本家になったはずなのに、ふと気がついてみたら資本というお金の化け物が人間の形になっていた。 -
利潤の休みなき運動・・・
みんなの役に立つ(使用価値がある)商品をつくろう!
→ 儲かるんだったら構わない!
→「資本を増やさなければ!」というお金の奴隷状態に
労働力も商品だ
「労働力」を買ってくる
-
その使用価値自体が価値の源泉となるような独自の性質をもつ商品
- 使うことによって価値が増えてしまう、特別な商品・・・労働力
労働者は「自由」である
封建社会 | |
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資本主義社会 | 「職業選択の自由」がある。 |
-
法的に平等
- お金を持っている資本家
- 労働力を持っている労働者
「自由な」労働者が必要
-
労働者は2重の意味でフリー
- 自分の労働力を誰に売っても自由。
- 労働力以外の生産手段を持っていない。労働力を売るしかない。(生産手段フリー)
「労働力の交換価値」と「労働力の使用価値」との差
- 剰余価値
労働力の価値はいくらか
-
労働力の価値・・・
労働力をつくり出す時間による。
労働者が翌日も元気になって工場にやってきて働けるようにする、そのためにかかる費用。
労働力の再生産費
資本家と労働者は「対等」だ
マルクスは「搾取」を発見した
- 自由と平等だという建前の下で労働者が働いて、労働力以上の価値を生み出している。
資本家が買った労働時間 | 必要動労 | 商品を作るために必要な時間 |
---|---|---|
剰余動労 | 資本家による搾取 |
労働者と会社は契約を結ぶ
- 建前:労働力を売りたい人と買いたい人が対等に売買する。
- 実際:圧倒的に会社のほうが強い立場。
労働力と労働の差で搾取する
個人消費と生産的消費
個人消費 | 食べてしまえば、使ってしまえば、それでおしまい。 |
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生産消費 | 労働力を消費しながら、新しいものを作り出す。 |
労働者の生産物は労働者のものではない
「死せる労働」と「生きた労働」の合体
- 前につくられた機械とか部品とか材料とか(死せる労働)と、生きた労働が合体することにより、新しい価値が生まれる。
不変資本と可変資本
不変資本 | 部品や機械 |
---|---|
可変資本 |
労働力 労働力は自分の価値以上に価値を生み出すから。 |
労働者はこき使われる
必要労働と剰余労働
必要労働 |
労働力のお金分だけの働き。 労働力の再生産が行われる部分。 |
---|---|
剰余労働 | 労働力の価値以上に働いた部分。 |
労働者をなるべく長時間働かせたい
- 資本はたった1つの生の衝動しかもっていない。 すなわち自分の価値を増殖し、剰余価値を作りだし、 その不変部分である生産手段を用いてできるだけ大量の剰余労働を吸いとろうとする衝動である。
- 労働力の再生産費を払っているのだから、労働者を徹底的にこき使いたい。
剰余労働によって社会は豊かに
G | → | W | → | G' | → | W' | → | G'' |
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資本 | 商品 + 加工 |
資本 + 剰余価値 |
商品 + 付加価値 |
資本 + 剰余価値 |
-
労働者が働くことによって社会が豊かになっていく。
労働者が剰余価値を生み出しているから社会が豊かになっていく。
だから、資本主義経済によって、封建時代に比べて、はるかに豊かになった。
マルクス時代の過酷な労働
-
1850年、イギリスの工場法
月曜〜金曜・・・朝6時〜夕方6時
土曜・・・・・・朝6時〜昼2時
労働力の消耗と死滅を生み出す
-
資本制生産は本質的に剰余価値の生産であり、
剰余労働の吸収である。
したがってそれは労働日の延長によって人間労働力を萎縮させ、 労働力から正常な道徳的、肉体的発達条件と活動条件を奪う。
それだけではない。
それはまた労働力そのものの早すぎる消耗と死滅を生み出す。
「洪水は我れ亡きあとに来たれ!」
-
洪水は我れ亡きあとに来たれ!
これがあらゆる資本家と資本家国家の合言葉である。
だからこそ資本は社会によって強制されない限り、 労働者の健康と寿命に配慮することはない。 - 「そんなことはいずれ将来のこと。その時はもうおれなんかいないもん!」
ワーキングプアをつくり出す
絶対的剰余価値と相対的剰余価値
絶対的剰余価値 | 労働時間を伸ばす。 |
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相対的剰余価値 | 生産力を高める。 |
派遣切りは資本主義だから発生する
社会が動く法則を見つける
- マルクスは商品を分析することから始めて、 みんな等価交換なんだけれど、 等価交換でやっているのになぜ資本が増えていくのかという不思議な動きの謎を解いた。
商品を安くすることで労働者を安くする
- 労働の生産力を高めて、商品を安くし、 商品を安くすることで労働者自身をも安くすることこそ、 資本の内的な衝動であり、かつ、常なる傾向なのである。
- 資本主義社会全体としては、労働者の再生産費を安くし、労働者を安くしようということを一生懸命やっている。
グローバル経済で労働力が安くなる
- 新興国の労働者の労働力が安いのは、労働力の再生産費が安いから。
マルクスの時代の資本家と現代の資本家
- 資本家・・・自分が持つ資本によって動かされている。資本の言うがままに動かされている人間。
- 昔は「所有と経営の分離」がなかった。「社長=一番の大株主」だった。
- 今の経営者は、その会社の株主のために、会社がもうかるように努力することが義務付けられている。
大規模工場が形成された
工場で大勢が働くことが資本主義の始まり
-
個別に農業
↓
家内制手工業
↓
資本主義経済(大勢の労働者が、同じ時間に同じ場所で、 資本家の監督を受けながら商品をつくる・・・協業)
大勢が一緒に働くと生産性が高まる
- 人間は社会的動物。
- 1人で孤独に働くより、社会の中で働くと、やる気がでるし、成長もする。
- みんなが一緒になって働くことにより社会がゆたかになる。・・・資本主義のいいところ
労働者は「類」として発展する
-
資本主義経済によって、人間はみんなで協力して新しいものをつくり出す。
類(人類)としての本質を発展させる。
これによって生きる喜び、物事をつくり出す喜びを発展させる。
労働者の抵抗が高まる
- 労働者が大勢集まると、みんな団結して抵抗するようになるから、その抵抗を押さえ込もうとするのも資本家の仕事になってくる。
-
みんなが集まって、一緒に働く
↓
資本主義の誕生
↓
みんなが協業して生産性が高まる
↓
社会の富が増える
↓
みんなと協力して働く喜び
労働者の成長
↓
労働者同士の団結
↓
資本家と労働者との戦いも
大規模な機械が導入された
機械はどういうときに導入されるのか
女性や児童も働かされる
-
機械類は筋力を不要にする
↓
女性や児童も働かされる
↓
労働者家族の全メンバーが資本の直接の命令下に
機械の導入で労働力を安くする
-
機械を導入
↓
世の中全部で大量生産
↓
私たちが生活する上での商品もみんな安くなる
↓
労働力の再生産費が安くなる
↓
労働力が安くなる
↓
相対的剰余価値が生まれてくる
労働の密度が高くなる
- 機械をフルに使おうとして、労働者をひたすら働かせる。
機械は労働者の競争相手に
余剰人口により給料が引き下げられる
労働者の能力を高める必要も出てくる
-
限られた人数で、いろんな機械を動かさなければならない
↓
何でもこなす能力が必要になる(絶対的適応性)
↓
教育が必要に
- 労働時間は短くなり、その分、子どもたちには学校に行かせ、絶対的適応性を身につけた労働者を雇うことが、結局、資本にとってはプラスになる。
- 資本家は金儲けのために教育をする。教育を受ける側からすれば、人間として全面的に発達していくことになる。・・・資本主義のいいところ
労働賃金とは何か
給料とは「労働賃金」
残業代が払われるが
出来高賃金も時間賃金と同じもの
- 労働の質はここ(出来高賃金)では製品によって監視されている
- 労働者の個性、自由感、自立、自己抑制などを発達させる。
- 出来高賃金は、個人的な労働賃金を平均以上に高める。
-
その平均水準そのものを引き下げる傾向をもつ。
-
1個8時間(8,000円)が標準
↓
1個6時間(8,000円) → 個人的な賃金が高まる
↓
みんなが1個6時間
↓
1個6時間(6,000円)が新しい標準に → 平均水準の引き下げ
-
1個8時間(8,000円)が標準
資本が蓄積される
「資本の有機的組成」
- 「有機的組成が高まる」= 全体の資本の中で、不変資本の比率が高まる
労働賃金上昇には限度がある
- 毎年、前年度よりも多くの労働者が雇用されることによって、 遅かれ早かれ、資本蓄積の欲求が通常の労働供給を凌駕しはじめる時点が、 すなわち賃金上昇が始まる時点が到来せざるをえない。
-
賃金労働者が確保され、かつ増加するという比較的有利な状況が存在したとしても、
それによって資本制生産の根本性格が少しでも変わるわけではない。
- 資本制生産の根本性格・・・労働者を搾取して、余剰価値を生み出すという根本的な性格
資本の蓄積はプロレタリアートの増加
- プロレタリアート・・・労働力しか持っていない、それ以外に何も持っていない労働者
-
資本蓄積の結果、労働価格が上昇するということは、
現実には、賃金労働者が自分自身で鋳造した金の鎖が大きく、また重たくなることによって、
その鎖に以前よりもたるみが許容されるようになる、ということにすぎない。
-
給料が上がって、少し自由になったとしても、本質は変わっていない。
「労働者を搾取して、余剰価値を生み出すという仕組み」が変わったわけではない。
以前と変わらず、奴隷のように鎖で縛り付けられている。
-
給料が上がって、少し自由になったとしても、本質は変わっていない。
-
労働価格の上昇はある限度のなかに閉じ込められており、
この限界は資本制システムの土台を傷つけないだけではなく、
このシステムをますます大規模に再生産することを保証している。
- これ以上払ったら儲からない、という段階で給料の上昇はストップする。
- 資本家が儲かる範囲の中で労働者の給料は増えたり、減ったりしているにすぎない。
失業者を作り出す
生産性が高くなるが
- もともとは量的拡大としてのみ現われた資本の蓄積は、 その組成をたえず質的に変化させながら、 すなわち、その可変的構成部分を犠牲に不変的構成部分を持続的に増加させながら進行していく。
労働に対する需要が減る
-
総資本の増加
↓
可変的構成部分も増えるが、それの割合は減少する。
労働者の数は相対的に減少する。
働きたくても働けない人の割合が増加する。
余剰労働人口が増加する。
失業者が増加する。 -
資本制生産に固有な人口法則
- 資本主義が発展していくと、余剰労働人口である失業者を必然的に生み出してしまう。
- 景気がよくなれば失業者が減る、悪くなれば増える、というのは当たり前だけど、 長期的には有機的組成が高まり、相対的な余剰労働者が増え、失業者が増える。
-
逆に言うと、過剰労働者によってこそ資本主義が成り立っている。
- 過剰労働者が大勢いれば、給料を引き下げることができる。
「産業予備軍」をつくり出す
- 「産業予備軍」(余剰労働者、搾取可能な人間材料)がいるので、資本が急激に増えたからといって、労働者の需要が急激に増えることはない。
「派遣労働者」のことだった
- 「半雇用者」(派遣労働者、パート、季節労働者)も過剰人口に属する。
金融不安で失業者が増えたわけ
-
資本制的蓄積の絶対的一般法則
-
その法則は、資本の蓄積に対応する
窮乏 をもたらす。 したがって一方の極における富の蓄積は、同時にその対極、すなわち自分自身の生産物を資本として生産している階級の側における 窮乏、労働苦、奴隷状態、無知、残忍化と道徳的退廃の蓄積である。 - 資本主義が発展すると格差社会が広がる。
-
その法則は、資本の蓄積に対応する
派遣労働者がホームレスになる
-
資本の軽歩兵
- 仕事があるところ、あちこちに配備されるが、仕事がなかったら野宿するしかない。
-
二重の搾取
- 派遣労働者としてそこで働くことによって搾取され、さらにそこの家賃を取られる。
資本の独占が労働者の革命をもたらす
小規模経営から資本主義に発展した
「唯物史観」の見方
- マルクスのものの見方は「唯物史観」。マルクスが唱えた歴史観。
-
唯物史観、史的唯物論
- それぞれの人は、置かれている立場によって、その人の意識が規定されている。
-
貧乏人・・・この世は格差社会だ。
金持ち・・・この世はいい世の中だ。 - 存在が意識を規定する。
-
世の中を上部構造と下部構造という2階建てで考える。
上部構造 法律、思想 下部構造 経済 -
経済の発展には限界がある。上部構造に押さえ込まれてしまう。
↓
それが続くと、あるとき突然、上部構造が爆破される。
一気にひっくり返される。
世の中はそうやって変わってきた。 - 例)経済が発展して、封建社会が破壊され、資本制社会になった。
資本主義体制が破壊される
- 1人の資本家が存在するためには多くの資本家が虐殺されるのである。
- 労働手段が協同でのみ利用できる形に変化し、 協同の社会的労働の生産手段として利用されることによるあらゆる生産手段の経済化が進み、 すべての民族が世界市場のネットワークに組み込まれ、 それとともに資本制の国際的性格が発展する。
- 巨大資本家はこうしてその数を減らしながら、 この変容過程がもたらすいっさいの利益を奪い取り、 独占していく。
- それとともに巨大な貧困が、抑圧が、 そして奴隷と堕落と搾取が激しくなる。
- だがまた、資本制生産過程のメカニズムを通じて訓練され、統合され、組織化され、増加する一方の労働者階級の憤激も激しくなる。
- 資本の独占は、それとともに、今度はまたその下で花盛りとなった生産様式そのものを束縛し始める。
- 生産手段の集中は、そして労働の社会化は、ついにその資本制的な被膜と合わなくなるところまでくる。
- そしてこの被膜は吹き飛ばされる。資本制的私的所有の終わりを告げる鐘が鳴る。 収奪者たちの私有財産が剥奪される。
-
下部構造が発展すると、上部構造はひっくり返される。
封建社会から資本主義になったように、資本主義もまたひっくり返される。
「最後の審判」が下る
「地上の楽園」は幻だった
- 社会主義革命、共産主義革命が必要?
- 今の資本主義がだめだということを証明しただけ?
- 社会主義革命ではなく、資本主義を手直しすればいい?
- 労働者の権利を守るような法律の仕組みや規制をつくればいい?
- 規制をしたら逆に非効率だからよくない?(新自由主義)
社会主義の失敗と資本主義
マルクスは高度な資本主義国で革命が起きると思っていた
- 資本主義が発展することによって、そこで働いている労働者が協業を通じ、組織化された活動を通じて鍛えられ、 人間的に全面的に発展していき、その力でもって社会主義革命が起きる。
資本主義国家でか改革が進んだ
-
ケインズ経済学
- 景気が悪くなったら、国が意図的に「有効需要」をつくりだしてしまえばいい。
- ケインズ前までは、国が借金することはとんでもないことだと考えられていた。
「大きな政府」ができえしまった
- 借金は減らないまま、国が口を出す事業が増え、公務員の数は増えていく。
新自由主義が広がる
- 福祉が充実する一方で、国の経済力が衰退。
- サッチャーやレーガンが、労働者を守る規制を次々に撤廃。(1980年頃)