2018年12月15日土曜日

『資本論(まんがで読破)』

  • 資本の生産過程
  • 搾取
  • 労働の売買
  • 価値
  • 商品・花柄・余剰価値
  • 利益の追求
  • 資本主義社会の矛盾
  • 銀行と信用
  • 恐慌

資本の生産過程
使用価値
  • 買った人にどんな利便を与えるか比較不可能な価値。
交換価値
  • 他の商品と比較した場合の分量を表す比較可能な価値。
商品のメタモルフォーゼ
  • 商品(W)が貨幣(G)になり、また商品(W)になりを繰り返す資本主義の仕組みのひとつ。
搾取
余剰価値
  • 労働力の価値(賃金)を越えて生産する価値
搾取
  • 資本家が労働者から余剰価値を得る仕組み、行為。
労働の売買
価値
貨幣の物神化
  • 商品にすぎなかった貨幣が、あたかも人間や他商品の価値を決定する現象。
商品・貨幣・余剰価値
2種類の価値
商品の「価値」 使用価値 個人の主観や状況によって異なる、比べることのできない価値。
交換価値 数でとらえて、比べようとする客観的な価値。
注がれた労力の度合いで価値を判断する。
ある商品の交換価値が高い = その商品を生産する労働者の人数や時間が多い。
労力・人数・時間を総称 → 抽象的人間労働
抽象的人間労働が多いほど交換価値が大きくなる。

貨幣の誕生、貨幣の物神性
  • 物々交換

    取引の目安となるモノ → 一般的等価物
    共通の使用価値
    麦など

    持ち運びに便利な一般的等価物


    重さを量るのが面倒
    金を固まりにして数字を刻む

    「貨幣」の誕生

    金の不足

    鉛を混ぜる
    (人々はもう金の価値ではなく、貨幣の価値を信じて取引をしている)
    (貨幣とは材質が重要ではなく、貨幣であるという「信用」が重要。)

    さらに便利な証書や紙幣

    人々は貨幣こそ他のどんな商品の価値も表現でき、 手に入れることができる万能な力を持ったものと思い始める。

    貨幣はあたかも人間や商品の価値を決定する神のようにふるまい始める。

    貨幣の物神性が生まれる。

資本家が利益を生みだすしくみ
  • 資本家と労働者は、労働力と賃金の等価交換をする。
  • 労働者は、生産過程で、賃金以上の価値を生みだす。・・・余剰価値
  • 総労働 = 必要労働 + 余剰労働
  • 資本家は、労働力の価値どおりに給料を支払っている。
    • 労働力の価値・・・労働者が日々生活し、労働力を維持・発達させるために必要な費用
  • その労働力を使ってどれだけの価値を生み出せるかは資本家の腕しだい。
    商品価値=労働力価値+余剰価値
    ・労働力価値=家畜が生きていけるだけのエサ
    ・余剰価値 =工夫によって生まれた価値
  • 資本家の利益となる「余剰価値」を増やせるのは人間の労働力だけ。機械は増やせない。機械は燃料分しか働くことができないから。

絶対的余剰価値
  • 労働者に長時間労働などをさせて強制的に増加させた余剰価値。

特別余剰価値
  • 新技術の開発や必要動労時間圧縮などによって生まれる余剰価値。
利益の追求
資本の一回転
  • 生産 → 流通 → 収益
  • 収益を得るためには、生産費用だけでなく流通費用(保管・輸送など)もかかる。
  • 流通期間を短くしたい → 卸売業・小売業(商業資本)の誕生
  • 産業資本:生産→収益
    商業資本:   流通→収益
  • 商業資本も限界があるため、商業信用(手形)で仕入れることも。
     →[商品]→
産業資本 ←[現金]← 商業資本
     ←[手形]←
 ↓  ↑
[手形][現金]
 ↓  ↑
利子生み資本(銀行など)
  • 【利子生み資本】資本そのものを商品とし、資金貸付けなどの利子から利潤を得る資本形態。銀行など。
  • 商業資本利子生み資本で資本主義が加速する。
不況と恐慌
  • 消費手段を生産するA社、生産手段を生産するB社

  • A社が増産
  • A社に機械を売るB社も増産
    (B社は「A社に売る機械」と「『A社に売る機械』を造る機械」も準備しなければならない)
    不均等的拡大(B社の設備がA社の生産分とはかけはなれてどんどん拡大)
  • A社が減産したらB社のダメージが大。不況・恐慌へ。
  • 資本主義社会は競争社会。不況や恐慌を恐れて、利益の追求を止めるわけにはいかない。
資本主義社会の矛盾
機械を増やし労働力を減らすと利益率が低くなる
機械 労働力 利益 利益率
利益÷(機械+労働力)
合併前 100 100 100 50%
合併後 700 300 300 30%
  • 資本家は労働力の余剰利益から利益を得ている。
    労働力の割合が減るということは利益率が低くなるということ。
  • 利益は増えるが、機械が増える分、労働者の負担は減る。よって労働者の給料を増やす必要はない。

悪循環
  • 次々に出る新商品。
  • 消費者は新しいモノに目がない。
  • 企業も次々に新しい商品を作り出し、他社を出し抜いて儲けようとする。
  • いつしか新しい商品は陳腐になり、特別な技術は平凡な技術になっていく。
  • 企業が競い合い技術革新が進むと、機械が高度化し労働者の負担が減る。
  • 人件費が下がる。
  • 相対的に資本家の利益が増える。
  • これを繰り返す。
  • 「余剰価値」をもたらすはずの労働力は機械の高度化によって減少する。
  • 利益率は減る一方。
  • 利益率を上げるための合併も、結局は生産を拡大するために行うこと。
銀行と信用
  • 信用創造・・・銀行が債務をふくらませ貨幣を増加させるしくみ
預金者A
 ↓預金100
銀行 →預金準備10
 ↓融資90
B社
 ↓支払い90
C社
 ↓預金90
銀行

銀行の預金総額
 預金者A 100
 C社    90
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 合計    190
恐慌
  • 企業の返済が滞り、不良債権が増加。
  • 銀行は貸し渋り。
  • 銀行をあてにしていた企業は倒産。
  • 周囲の取引先も連鎖倒産。
  • さらに不良債権が増え、銀行は信用を失う。
  • 預金者は現金の引き出しのために殺到。(取り付け騒ぎ)
  • 金融危機恐慌へ。