- 【1947年】アンネの日記
- 聖書
- コーラン
- 【1904年】プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神
- 【1867年】資本論
- 【1964年】イスラーム原理主義の「道しるべ」
- 【1962年】沈黙の春
- 【1859年】種の起源
- 【1936年】雇用、利子および貨幣の一般理論
- 【1962年】資本主義と自由
アンネの日記
Het Achterhuis
Het Achterhuis
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1948年、アラブ人が住むパレスチナに、ユダヤ人国家「イスラエル」が建国。
- 国連が、ユダヤ人たちの「自分たちの国家を建設したい」という要望を受け入れる。
- パレスチナが「ユダヤ人の国」と「アラブ人の国」に分割。
- その後、イスラエルはパレスチナ全域を占領。アラブ諸国は反発。→ 中東問題のこじれ
- しかし、アラブ諸国以外の国際社会はイスラエルに対して強い態度をとろうとしない。← 『アンネの日記』を読んだから
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ユダヤ人差別の背景
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『新約聖書』「マタイによる福音書」
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ユダヤ教の改革運動をしたために、睨まれて死刑判決が下されたイエス。
↓
ユダヤ人「イエスを十字架にかけろ!その血の責任は、我々と子孫にある!」
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ユダヤ教の改革運動をしたために、睨まれて死刑判決が下されたイエス。
- →キリスト教徒から差別を受ける
- →限られた職業(金貸し)に就かされる → 成功して金持ちに
- →自らの信仰は捨てない → こっそり集まっているようにみえる → ユダヤ人陰謀論
- 第一次世界大戦の多額の賠償金を課せられていたドイツにおいて、アドルフ・ヒトラーが政治的支持を広めるため「敵」を作り出す。それがユダヤ人。
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『新約聖書』「マタイによる福音書」
聖書
The Bible
The Bible
概要
聖書 | 旧約聖書 |
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新約聖書 |
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- ユダヤ教の「救世主」思想(世界の終わりが来る前に、救世主が現れ人々を救う)
- 「イエスが救世主」と考える人々 → キリスト教
- イエス:ユダヤ人が厳格に守っていた『律法』にとらわれることなく、独自の教えを広める
- イエスはユダヤ教徒の怒りを買い、十字架にかけられる
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最後の晩餐でのイエス
「罪が
赦 されるために流されるわたしの血、契約の血」 - 原罪を背負った人類のためにイエスが死ぬことで、人類に救いをもたらす「新しい契約」が結ばれた。
※原罪・・・アダムとイブが「善悪の知識の木」の実を食べたこと
- 神が、ユダヤ人に「カナンの地」を与える。いまのパレスチナ。イスラエルが建国された場所。
- 神が、モーセを指導者に選び、捕虜となってエジプトに連れていかれたユダヤ人を脱出させる。 モーセはカナンの地に行く途中、神より「十戒」を与えられる。
背景
- ローマ帝国の皇帝がキリスト教になることで、キリスト教はヨーロッパ世界に拡大していく。
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ローマ帝国が東西に分裂するのに伴って、キリスト教も東西に分裂。
さらに、カトリックに反発してプロテスタントが分離(宗教改革)。ユダヤ教 キリスト教 ローマ・カトリック プロテスタント 東方正教
(ギリシャ正教)ロシア正教 -
宗教改革(1517年〜)
- 宗教改革の旗手=マルチン・ルター
- 活版印刷の技術 → 一般庶民が聖書を読めるようになる
- カトリック聖職者による聖書解釈の独占が破れる。
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ヨーロッパで迫害を受けたプロテスタントが、
『旧約聖書』に描かれた出エジプトをイメージして「新しいイスラエル」の建設を目指して西に旅立つ。
→ キリスト教徒の国家として、アメリカが建設される。
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十字軍遠征(1095年〜)
- イスラム勢力から聖地エルサレムを奪回するため。
-
聖地奪回というスローガンとは裏腹に、兵士たちは、各地で略奪を繰り返す。
→ イスラム教徒たちの間に深い不信感を刻み込む。
→ 現代のような欧米キリスト社会 vs イスラム社会 という対立構造を生み出す原因に。
コーラン
qur’ān
qur’ān
-
ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、いずれも一神教で、同じ神を崇拝している。
- 神(日本語) = ゴット(英語) = ヤハウェ(ヘブライ語) = アッラー(アラビア語)
ユダヤ教 | 『律法』(トゥーラー) |
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キリスト教 |
『律法』←『旧約聖書』と呼ぶ + 『新約聖書』 |
イスラム教 |
『律法』 + 『新約聖書』 + 『コーラン』←最重要視 |
旧約聖書 | ○「天地創造」「出エジプト」「モーセの十戒」 |
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新約聖書 | ○イエスの言行録を弟子たちがまとめたもの |
コーラン |
○最後の預言者ムハンマドに神が伝えた言葉そのまま ○「5行」(信仰告白、礼拝、喜捨、断食、メッカ巡礼) |
ジハード
- ジハードで死んだ人は、世界の終わりを待たずに、すぐに天国に行ける。
シーア派とスンニ派
シーア派 | 少数派 (10〜20%) |
○「預言者ムハンマドの血筋を引く者こそが正当な後継者(カリフ、預言者の代理人)だ!」 ○イラン、イラクに多い。 ○「シワ・毛等、イライラ」(シーア派は、血統重視で、イラン・イラクに多い) |
---|---|---|
スンニ派 | 多数派 |
○「血筋は関係ない!」 |
イスラム原理主義
- 「ムハンマドが生きていた理想の社会に戻ろう!」
- 「イスラムの教えによって社会を復興させよう!」
-
中東では1970年代以降、急速な経済発展と共に欧米文化が流入
↓
礼拝をせず酒を飲む若者 や スカートを履く女性
↓
堕落と映る
イスラム教徒としての自覚に目覚める若者
↓
イスラムの理想の復興を求める運動が活発に
↓
一部がイスラム原理主義過激派に
イスラム金融
-
アメリカの同時多発テロ(2001.9.11)
↓
欧米とイスラム圏との「文明の対立」
↓
オイルマネーが中東に還流
↓
イスラム金融が活発に
プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神
Die protestantische Ethik und der Geist des Kapitalismus
Die protestantische Ethik und der Geist des Kapitalismus
-
資本主義経済の最先端をリードする人たちにプロテスタントが多いことを指摘。
- 厳しい禁欲を守っていたプロテスタントこそが、職業倫理を守ることで、資本主義経済で成功していった。
カトリック |
○教会の支配は穏やかで形式的。 ○牧歌的。生活できるだけの収入があればいい。 |
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プロテスタント |
○家庭内の私的な生活から職業的な公的な生のすべての領域にいたるまで、生活のすべてを規制。 ○限りなく厄介で真剣な規律。 ↓ ○「資本主義の精神」が生まれる。 └節制、節約、勤勉、誠実・・・「資本主義の倫理(エースと)」 「あらゆる無邪気な享楽を厳しく退けてひたすら金を儲けること。 これが純粋な自己目的として考えられている。 利益を獲得することが人生の目的そのものと考えられているのであって、 人間の物質的な生活の欲求を充足するという目的を実現するための手段としては考えられていないのである。 」 ○「正当な利潤を組織的かつ合理的に、職業として追い求めようとする心構え」 ○「人間が存在するのは仕事のためであって、人間のために仕事があるのではない。」 ○天職、calling・・・神から与えられた使命 |
宗教改革(16世紀)
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カトリック
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懺悔 で罪が許される
↓
免罪符を買えば罪が許される
(サン・ピエトロ大聖堂の新築資金を調達するため)
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↑ マルチン・ルターが批判
- 信仰のみによって救われる。
- 聖書をドイツ語に翻訳し、ドイツ庶民が聖書の内容をできるようにした。
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フランスではカルヴァンが改革
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カルヴァンの「予定説」
神は全能であり、あらかじめ世界のすべてのことを決めている。
個々の人間が、救われるか救われないかも、あらかじめ決まっている。 - →ヨーロッパ世界に起こった変化(byウェーバー)
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人間の運命はあらかじめ決まっているのだから、牧師も教会も助けることはできない。
さだめられた運命に向かって、一人で孤独に歩まなければならない。 - 「世界を呪術から解放するという宗教史の偉大なプロセスが、ついに完了したのである。」
- → 「個人主義」が定着する。
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さだめられた運命。
自分は神に選ばれているのか、見捨てられているのか。
「選ばれている」と信じることが絶対の義務。
疑いを持つこと = 悪魔の誘惑
自己への確信のなさ = 信仰の不足
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自己確信の獲得方法 = 就業労働に休みなく従事すること
└ 職業とは「神から与えられた使命」なのだから。
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人間の運命はあらかじめ決まっているのだから、牧師も教会も助けることはできない。
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カルヴァンの「予定説」
- ヨーロッパ中に広がる。 → プロテスタント
-
プロテスタントは、ローマ教皇の権威を認めず、聖職者の特権も否定。
大陸を渡りアメリカを建国。
- 富が危険なものとみなされるのは、怠惰な休息や罪深い生活の享受の誘惑となる場合だけ。
- 富の追求が危険なものとみなされるのは、将来を心配なしに安楽に暮らすことを目的とする場合だけ。
- 職業を遂行することによって富を獲得することは、道徳的に許されているだけではなく、命じられているのである。
- 財産が貯まっても、浪費することなく、資本を再投下せよ。・・・まさに資本主義
資本論
Das Kapital
Das Kapital
- 資本主義の原理を解き明かす経済学の本。共産主義革命についてではない。
- 資本主義がなぜ非人間的な経済体制になるかを説く。
- ロシア革命を引き起こし、社会主義体制を採用する国が増大。
マルクスの理論 = 労働価値説
-
資本家は、労働者を雇って働かせることで新しい価値を生み出す。
価値は蓄積されて資本となり、資本の奴隷となった資本家は、 利益を上げるために無秩序な競争に突入して、恐慌を引き起こす。
貧富の格差が拡大し、困窮した労働者は団結して、革命を起こし、資本主義を転覆させる。 -
資本家は、労働者の労働力だけを購入して、労働者を働かせる。
ところが労働者は、働くことによって、自分の労働力の価値以上の付加価値を生み出す。
=
資本家は、労働力の交換価値分だけ給料を払い、 労働力の使用価値で新しい価値を生み出し、利益を上げる。
- 給料以上に価値のあるものを作り出す。この部分が、資本家の労働者に対する搾取。
-
資本の内的な衝動であり、常なる傾向
-
労働の生産力を高める
↓
商品を安くする
↓
生活維持費用が低くなる
(生活維持費用 = 労働力の再生産費)
↓
給料が下がる
-
労働の生産力を高める
- 企業の利益のためには、心を鬼にして経営に当たる = 人格化された資本
- 金儲けできてもひたすら働く = 利潤の休みなき運動
資本家 | その対極 |
---|---|
富の蓄積 | 貧乏、労働苦、奴隷状態、無知、残忍化、道徳的退廃、の蓄積 |
- 資本主義の矛盾は、やがて労働者の抵抗を引き起こし、革命に発展する。
- 「資本性的私的所有の終わりを告げる鐘が鳴る。収奪者たちの私有財産が剥奪される。」
イスラーム原理主義の「道しるべ」
معالم في الطريق
معالم في الطريق
- イスラム教を極端に解釈した理論書。
- オサマ・ビンラディンの教本に。
- 世界を「テロの時代」に変えた。
- 現代はイスラムの思想が失われてしまったのに、 イスラム教徒たちは、自分たちの世界を「イスラームの世界」などと思いこんでいる。
- 現代の腐敗したイスラム社会と戦うこともジハードだ。
- 「主権は国民にあるのではなく、神にある。」 ← キーワード!
- 「国民主権」も無明社会。
- 神が人間に与えた言葉『コーラン』にもとづく、「シャーリア(イスラム法)」に従えばいい。
- 同じ神を信仰していても、信仰の仕方に僅かでも違いがあれば、 それを無明社会(ジャーヒリーヤ)だと断じて、 ジハードの対象にする。
沈黙の春
Silent Spring
Silent Spring
- 世界が環境問題に取り組むきっかけに。
- 農薬によって自然界は汚染され、やがて野生の生き物は死に絶え、春になっても生き物の声が聞こえない。 「沈黙の春」がやって来るかもしれない。
- DDTの危険性に警鐘。
種の起源
On the Origin of Species
On the Origin of Species
- キリスト教社会の根底を揺るがす。
- 生物学や遺伝学に大きな飛躍をもたらす。
- 地球上の生き物は、神が創造したものではなく、自然界で「進化」したのだと宣言。
-
ヴィクトリア朝時代のイギリス
- ヴィクトリア女王がイギリスを統治していた1837年から1901年の期間。
- 産業革命による経済の発展が成熟に達したイギリス帝国の絶頂期。
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進化論を受け入れたキリスト教徒
- 神が「進化の設計図」を創造した。
- 現在:「設計図」の現代版→「インテリジェント・デザイン」
- マルクスは『資本論』をダーウィンに献呈。
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社会ダーウィニズム
- 適者生存の理論を社会に単純に当てはめた思想
- 自由放任主義・弱肉強食の社会こそあるべき姿
- 植民地主義や人種差別の理論的根拠ととして使われることも
- 優生学が生まれ、やがてナチスドイツが実践
雇用、利子および貨幣の一般理論
The General Theory of Employment, Interest and Money
The General Theory of Employment, Interest and Money
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経済不況を救う「処方箋」となった。
ケインズ前 均衡財政政策(収入と支出は同じでなければならないという政策)
たとえ不況になっても、政府の財政支出を赤字にならないように運営され、 かえって不況を深刻化させ、恐慌に至る。ケインズ後 積極的に財政支出を進め、恐慌の発生を未然に防ぐことができるようになった。
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非自発的失業
- 景気悪化 → 労働者削減、賃金切り下げ → 労働者の消費低下 → 商品需要の低下 → 企業収益の低下 → 景気悪化 →
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乗数効果
- 無限等比級数の和
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消費性向が 0.9 のとき
100 + 100*0.9 + 100*0.9^2 + 100*0.9^3 + ...
a + ar + ar^2 + ar^3 ...
= a / (1 - r)
100 / (1 - 0.9) = 1000
政府が100億円支出すれば、社会全体では1000億円増える。
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累進課税
- 消費性向を高めるには、消費しきれないほど収入がある富裕層から税をとり、 十分な消費ができていない貧困層に分配する。
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貨幣の「貯蔵手段」
- 貨幣の役割は「価値尺度」「交換手段」だと考えられていたが、 ケインズは「貯蔵手段」に注目。
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流動性選好
- 人々は流動性を愛するため「貨幣愛」を持っている。
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景気回復策に利下げ
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経営者は、「利子率」と「利潤率」を天秤にかけながら、
新規の投資をするかどうか考えている。
↓
それならば、人為的に利子率を下げてしまえ。
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経営者は、「利子率」と「利潤率」を天秤にかけながら、
新規の投資をするかどうか考えている。
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流動性の罠
- いくら金融緩和をしても、将来が不安だと、だれも消費や投資をしない。
企業の労働者に対する態度が変化
- これまで: 利益を拡大するためには賃金の切下げ
- ケインズ後: 賃金を下げたら景気が悪くなってしまう。労働者が引上げを求めたらある程度呑むように。
- → 恒常的な物価上昇と賃金引上げが行われる。インフレ傾向が根付く
- 景気が回復しても、政府は財政支出を減らすことをしないため、 恒常的な財政赤字に悩まされるように。
資本主義と自由
Capitalism and Freedom
→ ノート
Capitalism and Freedom
- 新自由主義思想を経済学において打ち立てた。
- 「シカゴ学派」(自由主義の経済学派)を形成。
- 小さな政府・・・政府は、安全保障や治安維持を果たしていればよい
- 変動相場制、所得税の最高税率引き下げ
- 人格を持たない市場は経済活動を政治的意見から切り離す。 そして経済活動において、政治的意見や皮膚の色など生産性とは無関係な理由による差別を排除する。
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市場は本来的に不安定なおのであると考えられてきた
↓
ケインズ理論にもとづき、政府は経済に介入
↓
【フリードマン】
経済の混乱は、政府の経済運営の失敗が原因。
政府は市場経済への勝手な介入をやめ、市場に出回る通貨の量を安定させれば、それでよい。
通貨供給量を、毎年3〜5%程度穏やかに増加させるようにするルールを作ればいい。
ケインズ | 政府の財政政策を重視 |
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フリードマン | 中央銀行の金融政策を重視 |
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企業経営者の使命は株主利益の最大化であり、
それ以外の社会的責任を引き受ける傾向が強まることほど、
自由社会にとって危険なことはない。
これは、自由社会の土台を根底から揺るがす現象であり、
社会的責任は自由を破壊するものである。
株主の利益を最大化すること以外の社会的責任が仮に経営者にあるとして、
それは何なのか。
一企業の一介の経営者に、何が社会の利益になるのかを決められるのだろうか。
また社会の利益に貢献するためなら、
会社や株主はどの程度の負担を引き受けるべきだと言えるのだろうか。
企業は株主の道具であり、
企業の最終所有者は株主である。
もしも企業が何か寄付をしたら、
その行為は、株主が自分の資金の使いみちを決める自由を奪うことになる。
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ティーパーティー
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ボストン茶会事件(1773年)
- 独立戦争のきっかけに。
- 重税に反対することでアメリカが建国された、という象徴的な出来事。
- 「小さな政府」を求める共和党の超保守派の人々の政治運動。
- 思想はリバタリアン。
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ボストン茶会事件(1773年)