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第1部 「神」中心の価値観はどのように生まれたのか?
- なぜ、古代の彫像は「裸」だったのか?
- ローマ帝国の繁栄と帝国らしい美術の発達
- キリスト教社会がやってきた
- フランス王家の思惑と新たな「神の家」
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第2部 絵画に表れるヨーロッパ都市経済の発展
- 西洋絵画の古典となった3人の巨匠
- 都市経済の発展がもたらした芸術のイノベーション
- 自由の都で咲き誇ったもうひとつのルネサンス
- カトリックVSプロテスタントが生み出した新たな宗教美術とは?
- オランダ独立と市民に広がった日常の絵画
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第3部 フランスが美術大国になれた理由
- 絶対王政とルイ14世
- 革命前夜のひとときの享楽
- 皇帝ナポレオンによるイメージ戦略
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第4部 近代社会は、どう文化を変えたのか?
- 「格差」と「現実」を描く決意
- 産業革命と文化的後進国イギリスの反撃
- 産業革命の時代に「田舎」の風景が流行った理由
- なぜ印象派は、受け入れられなかったのか?
- アメリカン・マネーで開かれた「現代アート」の世界
ギリシャ美術
ギリシャ |
ギリシャ彫刻 男性美 |
アルカイック時代 |
直立ポーズ |
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クラシック時代 |
ペロポネソス戦争の反動で享楽的に 表現豊か 西洋の美の規範に |
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ローマ | ヘレニズム時代 | 感覚に歌える表現 |
ローマ美術
- ローマ帝国の「ローマの平和」(Pax Romana)・・・紀元前27年〜後180年
- 写実性の強い肖像彫刻(ギリシャは美、ローマは写実)
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大規模な公共建築・・・コロッセオ、テルマエ、凱旋門、パンテオン
- パンテオンはルネサンス以降の西洋建築に影響
- ローマを2分割→4分割 ・・・(4分割の記念)テトラルキア像
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コンスタンティヌスが統治のためキリスト教を利用
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ミラノ
勅令 ・・・信仰の自由を認める(313年) -
キリスト教が国教化
- 5つの教会: ①ローマ教会、②コンスタンティノープル教会、 ③アンティオキア教会、④エルサレム教会、⑤アレクサンドリア教会
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ミラノ
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フランク王国とローマ教会が結びつく
- ローマ教会がフランク王国の王をキリスト教に
西ヨーロッパにキリスト教が広がる。 - 宗教美術・・・「目で見る聖書」(読み書きできない人へ)
フランク王国 → フランス王国
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フランク王国の分裂 → 混乱の時代・・・修道院の巡礼ブーム
- 修道院・・・ロマネスク様式「半円アーチ」
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巡礼ブーム → 都市の発展
- 地方・・・ロマネスク「半円アーチ」
- 都市・・・ゴシック「
尖頭 アーチ」
- フランク王国 → フランス王国
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フランス王の威信と権力を知らしめる、メッセージ性の強い建築様式
- 大聖堂 建立ブーム
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ゴシック様式
- 建築と美術が一体化
- ステンドグラス、「光」=「神」
14世紀 |
百年戦争(フランス vs イギリス) ペスト(1348年〜) |
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→ 大聖堂 建立ブームの終了 |
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ルネサンス
- = イタリア・ルネサンス = 盛期ルネサンス(1495年〜1527年)
- 古代ギリシャ・ローマの学問と芸術の再生
- 「神」 → 「人間」
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美術史上最も重要な作品のひとつ
スクロヴェーニ礼拝堂の壁画/ジョット- ボリューム感のある人物像;演劇的な身振り;
職人 | 芸術家 |
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上手な人 |
万能な人(上手なだけではダメ) - レオナルド - ミケランジェロ - ラファエロ |
ルネサンス |
↓ |
宗教改革 1517年@ドイツ マルティン・ルター |
↓ |
ローマ 1527年 |
↓ |
ルネサンス 終了 |
↓ |
マニエリスム …混沌、不安感 |
北方ルネサンス
- エリア
- ネーデルランド(現在のオランダ、ベルギー、ルクセンブルク)
- ドイツ
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特徴
- 聖書中心の世界観
- ゴシック的な神中心の精神世界
- イタリア・ルネサンス的ではない
- シンボリズム
- 写実性の高い静物描写
- 政治・社会の混乱 → バベルの塔
ヴェネツィア
- 自由と享楽の都
- 戦争でなはんく貿易
- 十字軍遠征に便乗 → 貿易の中継地に
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衰退 = 15世紀末
- オスマン帝国の台頭
- 大航海時代の始まり
- 16世紀・・・ヴェネツィア絵画の黄金時代
- 18世紀・・・グランドツアー、都市景観図
バロック(17世紀)
サン・ピエトロ大聖堂(カトリック教会の象徴)の改築工事 |
↓ |
免罪符の販売 |
↓ |
1517年 マルティン・ルター 宗教改革 プロテスタント誕生 = 宗教美術を否定 |
↓ |
カトリックの反撃… 対抗宗教改革 イエズス会、全世界へ布教 宗教美術の力に頼る └「わかりやすさ」「高尚さ」=バロック美術 |
オランダ
- 「黄金の世紀」= 17世紀
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スペインからの独立(1648年)
→ アムステルダムがヨーロッパいちの国際貿易都市に
イタリア | フランス | オランダ |
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教皇 | 王家 |
裕福な市民階級 ↑ カルヴァン主義 || 宗教美術NG・・・個人の家に飾る肖像画、風俗画、風景画、静物画 |
- 美術を支えたのは、貴族・王族・教会・パトロンではなく、市場。
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プロテスタント
→ ファッション、美食 NG
→ プチ贅沢 = チューリップ(痩せた土壌でも育つ) → チューリップ・バブル(1633〜1637) - レンブラント『夜警』
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オランダの衰退
- 第三次英蘭戦争
- フランス軍の侵入
絵画ヒエラルキー
1 | 歴史画 |
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2 | 肖像画 |
3 | 風俗画 |
4 | 風景画 |
5 | 静物画 |
フランス
- 「偉大なる世紀」= 17世紀
ヨーロッパ各国 | フランス |
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バロック美術 | フランス古典主義 |
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ルイ14世による絶対王政
- 1643〜1715年
- 太陽王
- ヴェルサイユ宮殿
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政治だけでなく美術までも中央集権化
→ 王立絵画彫刻アカデミー
(フランス美術界の改善をめざす) -
フランス古典主義
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プッサンの美術理論
- 均整のとれた構図
- 理想的で彫刻的な人物
- 秩序と調和
- 節度と理性
- 知性と理性に訴える
- 上流階級向け
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プッサンの美術理論
- フランス古典主義の反動 → のちの印象派(19世紀後半)
フランス古典主義 (17世紀) |
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ロココ (18世紀) |
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新古典主義 (18世紀) |
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ロマン主義 |
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1789 | フランス革命 | 絶対王政が崩壊 |
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1804 | ナポレオンが皇帝に | 第1帝政時代 |
1814 | 王政復古 | |
1830 | 7月革命 | 立憲君主制 |
1848 | 2月革命 | 第2共和制 |
1852 | ナポレオン3世による | 第2帝政時代 |
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イギリス
- 18世紀後半 産業革命
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19世紀 絶頂期 ・・・ヴィクトリア朝の時代
- 工業化
- 都市化
- 市民社会化
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ブルジョワジーの選好
- 古典的な高貴さ →「現実性」
- 理想美 →「個性」
- 理性 →「感性」(ロマン主義的)
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バルビゾン派
- 都会人の郷愁となる田園風景
- ミレーの『落穂拾い』
- 印象派にも影響
印象派
- クルーべ(フランス第2帝政時代) = 近代絵画の始まり = 印象派の始まり
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「見た物そのもの」ではなく、「自分が受けた印象」
「何を描くか」ではなく、「どのように描くか」 - 色彩分割法(筆触分割法)
- アカデミズム(サロン)vs 印象派(グループ展)
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アメリカ(プロテスタント)で人気
- 装飾性が強く、聖書などの主題性が強くない
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19世紀後半〜 本格的な近代絵画の時代に
- 中心はアメリカへ
アメリカ・・・現代アート
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アメリカ = 純粋なブルジョワ社会
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大財閥が美術館を創立
(学歴社会 → 専門知識に則った収集スタイル)
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大財閥が美術館を創立