- 危険に膨れ上がった東京バブル
- 地方では、すでに「暴落」している
- すでに始まっている東京の不動産暴落
- 暴落へのスケジュール
- 暴落をさけるために
危険に膨れ上がった東京バブル
空き家率が上昇しない理由
- 毎年100万戸の新築住宅が建設されている。
- 人口は減少傾向に入っている。
- しかし、空き家率は13.5%にとどまっている。
- ↑世帯数が増加しているため。(1世帯の構成人員は減少している)
- 2020年以降は世帯数も減少する。
- 新築住宅をつくることが本業の産業分野は、急速に衰退する。
局地バブル
- 東京の不動産市場は局地的にバブル化している。
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エリアが限られている
- 東京都心 = 山手線の内側とその周縁エリア
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近郊エリアにも広がる
- 城南エリア(世田谷区、目黒区、品川区)
- 湾岸埋立地エリア
- 神奈川県・・・武蔵小杉周辺、みなとみらいエリア
- 京都市・・・御所周辺、洛北エリア
- 大阪市・・・梅田周辺
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アベノミクス
- 日銀によるマネタリーベース増加の恩恵を不動産業界が受ける。
- 2014年10月の黒田バズーカ2以降、銀行の不動産向け融資の基準が大甘に。
- 不動産向け融資の残高は平成バブル期をも凌ぐ史上最高額を更新。
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相続税対策
- 相続税を心配する富裕層が、金融資産を不動産に変換した。
- 相続資産の算定額が小さくなるから。
- 2015年時点では、都心タワーマンションの上層階で購入すれば「1億円が2000万円」にできた。
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外国人買い
- 世界の主要都市でも不動産バブルが起きている。
- 海外に比べると日本の不動産が安く見える。
- 日本の伝統的な富裕層は埋立地を好まないが、中国人は江東区の有明や港区の港南といった埋立地にプラスのイメージを持つ。
- 派手なタワーマンションを好む。
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Jリート
- 1ヵ月で数百億円から1千億円前後の不動産を買い越している。
- 実質利回り3%台でも買う。
リスク | リターン |
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【空室】 |
最低でも5%の 実質利回りが必要 |
【アクシデント】 事故物件化、設備の故障 |
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【老朽化】 | |
【災害】 保険でカバーできないのが常識 |
地方では、すでに「暴落」している
- 人が住まなくなった集落=「廃村」
- 郊外の駅から離れたニュータウン的な戸建て分譲地は廃村化する。
- 「暴落ライン」は、毎年着実に都心に向かって進んでいる。船橋市まできている。
すでに始まっている東京の不動産暴落
郊外マーケットが死につつある
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郊外マーケットが死につつある
- 供給される物件が少なくなってきている
- 千葉市よりも以遠
- 大宮市よりも以遠
- 「第x次マンションブーム」の終わり。平成バブルの後にマンション価格が暴落したころの「第6次マンションブーム」が最後。
- 郊外のファミリーマンションを購入する中心層である「団塊ジュニア」が30歳代をすぎた。
- 2014年以降に「局地」以外のエリアにおいて、35年ローンで購入されたマンションの多くは、評価額がローン残高を下回っている。よほど住宅への需要が高い地域で購入しないかぎり、35年返済でローンを組むと、ほとんど残債が示唆価値を上回る逆ザヤ状態になる。
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相続対策
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更地よりもアパートを建てたほうが相続税の評価額が低くなる。
→郊外に木造アパートが乱立
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更地よりもアパートを建てたほうが相続税の評価額が低くなる。
- 「サラリーマン大家」ブーム
- 乱造する木造アパートは、近い将来半額まで大暴落する可能性あり。
家賃
- マンション価格がバブル的に上昇しても賃料は上がらない。賃料はつねに「需要と供給の関係」によってのみ決まるから。相続税対策も爆買いもない。
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賃料は、表面的には上がっているように見えるが、平成バブルが崩壊してから全国的に一貫して下がっている。
- 統計数字には現れない「AD」や「フリーレント」は賃料の実質的な引下げ。
- AD(広告料の名目):貸し手側から業者へ「借り手を見つけてくれれば賃料の1〜3ヵ月分お支払いますよ」
- フリーレント:「最初の1〜3ヶ月は家賃をタダにしますよ」
中国マネーは一斉に動く
- 湾岸エリアや港区のタワーマンションは、2割程度は中華系の外国人が購入している。
- 中国人は一斉に行動する。一斉に売りに出るかもしれない。
東京の不動産はいまの半値まで下がる
- 東京の都心エリア(山手線の内側と周縁)について、不動産投資における健全な利回りは5%〜8%。
- 2017年5月の利回りは3%〜4%。価格が半分に下がっても不思議はない。
ニュータウンは終わった
- ニュータウン構想・開発は1960年代〜70年代。
- 強い経済成長、増える人口。住宅需要が爆発。
- 多摩、港北、千葉・・・
- いまは、中心部を離れると、老朽化した建物と高齢化した住人ばかり。
- ニュータウンで育った子どもたちが「帰ってこない」。もっと便利な場所に移り住んでいる。
局地バブルで実力以上に値上がりしたエリア
- 武蔵小杉・・・山手線内側の文京区と同じ相場というのは不健全。ここ短期間に多くのタワマンが開発されたので、10〜20年後に中古マンション相場が崩れる。
- 柏の葉キャンパス
底堅いエリア
- 下落機がやってきた場合、暴落的に値下りする危険は、都心ほど小さく、郊外ほど大きい。
- 郊外における大規模開発で大手デベロッパーが主導することによって、本来の実力以上の価格で販売された新マンションは、将来への暴落の可能性を潜ませているケースが多い。
- 逆に小規模でしか開発されない、あるいはできない都心の人気エリアは、構造的に暴落が起きにくい市場環境が整備されている。
- 渋谷区{広尾、代官山、代々木上原、成城学園}、港区{青山}、千代田区{番町、麻布、赤坂}、文京区{本郷、小石川、窪町}、豊島区{雑司が谷}、新宿区{西早稲田}
暴落へのスケジュール
2017年 | アメリカ金利上昇 | |
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2018年 | 黒田日銀総裁の退任 |
○マイナス金利は銀行業界で評判が悪い。 ○新総裁が引き締めに転じることになるかも。 |
2019年 | 2018年調査の空き家率発表 |
○5年毎の調査。 ○前回(2013年)は全国平均13.5%。←東日本大震災で賃貸住宅への需要が高まったため、少ししか上昇しなかった。 ○次回予測は16.9%。 ○空き家率の上昇が大々的に報じられるかも。 |
2020年 | 東京オリンピック終了 | ○前回オリンピック(1964年)の1年後の1965年(昭和40年)、日本は「40年不況」。 |
2021年 | 団塊ジュニア世代、50歳台へ |
○団塊ジュニア(1971年〜74年生まれ)←第2次ベビーブーム、いまの出生数の2倍。 ○2005年〜2008年の不動産ミニバブル期に、住宅産業の主要ターゲットである30代半ばにあった。 ○50歳を超えればターゲット外。 ○第3次ベビーブームはなかった。 |
2022年 | 生産緑地法の期限が切れる |
○農業を続けることを条件に、30年間は例外的に農地としての軽い課税を続けることを認めた法。 ○首都圏では、東京ドーム1657個分の土地が登録されている。 ○これの3割程度が売却されたとしても、相当なインパクト。 |
2023年 | 空き家率が21%突破 1404万戸へ |
○センセーショナルに取り上げられるだろう。 |
2025年 | 東京都人口減少の開始 高齢者3600万人へ | 人口ほど確実視できることはない。 |
現在の千葉県船橋市や、埼玉県上尾市の駅から遠い住宅は、数百万円である。そのラインはやがて東京都23区にまで迫ってくる。それをひしひしと感じるようになるのが2025年あたり。
暴落をさけるために
- 新築抑制
- タワーマンション規制
- レインズの開放
- 空き家を取り壊せない法制度の改正
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民泊の合法化
- 民泊で稼働率が100%になると、月額賃料の3倍の収益が得られる。
- 180日制限があっては不動産の価値を高められない。
暴落という正常化
- ここ30年間で不動産のバブルは3回発生した。回を追うごとに発生エリアは狭くなっている。今回は、とうとう地域限定の局地バブルだ。
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不動産仲介業界の正常化
- レインズの開放
- 両手・囲い込みの禁止
- 手数料の自由化
- 今後日本の不動産の暴落の可能性はあっても値上がりすることは想定しにくい。
- マイホームを購入するなら値上がりは期待しないこと。最終的に「家賃を払っているよりよかった」程度の結果を得られればよしとすべき。