日本人のためのピケティ入門: 60分でわかる『21世紀の資本』のポイント
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- 資本主義の根本的矛盾
- 格差の推移
- 格差の原因
- 格差の対策
- 日本の場合
資本主義の根本的矛盾
r > g
(r) Rate of return of capital 資本収益率
- r = 資本収益 / 資本
(g) the economy's Growth rate 国民所得の成長率
- g = 今年の所得 / 昨年の所得
- 資本収益が成長率より速く増えるため、資本所得比率(β) が大きくなる。
- 資本ストックが増えると、資本収益の額が増えるので格差が拡大。
普通の経済学
- 資本主義の発展とともに富が多くの人に行き渡って所得分配は平等化する。(格差の縮小)
- 資本と労働の収益率は等しくなる。
- 資本収益率>労働生産性 ⇒ 投資↑ ⇒ 資本収益率↓ ⇒ 資本収益率=労働生産性
- 資本蓄積が増えると資本収益率(r)が下がり、蓄積は止まる。
ロバート・ソローの説明
所得成長率 = 1人あたり国民所得の成長率 + 人口増加率 だが、 資本所得比率β = 資本 / 所得 ←これを一定とすると、 人口増加率分が資本収益となる。
- たとえ)アジアに工場をつくって生産を増やした場合、その利益は資本家に配当され、労働者には還元されない。
格差の推移
- 1870年以降の歴史的データによれば、「格差の縮小」は例外で、格差が拡大するのが普通。
- 第二次大戦後、ヨーロッパや日本が高い成長率を示したのは、戦争で破壊された資本を再建したから。「資本主義の根本的矛盾」が克服されたわけではない。
格差の原因
-
教育とテクノロジーの競争で決まる賃金
- 専門的な労働者の供給は敎育に依存、需要はテクノロジーに依存。
- 米国のエリート大学の学費は極端に高く、親の社会的地位や寄付も必要。
-
スーパーマネジャーの出現。
- 労働市場が流動的になったため。
- 遺産相続
-
累進税率の低下
- サッチャーやレーガンの「保守革命」(80年代)。
- タックスヘイブンに隠された資産
格差の対策
- グローバルな累進資産課税
日本の場合
- 日本の「r」が高く見えるのは不動産のせい。ROEは低い。
-
株主資本収益率(ROE)
- 米国:15%
- 日本:5%
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内部留保にとして貯蓄している。
- 持ち合いによる買収防止をしているため資本市場が機能していない。
- エネルギー価格上昇で、交易条件(=輸出物価/輸入物価)が悪化。
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