2021年9月20日月曜日

『スピリチュアルズ 「わたし」の謎』

橘 玲 (著), 幻冬舎 (2021/6/23)
  • Part1. 無意識とビッグファイブ理論
  • Part2. 心理プロファイルを使った史上最大の陰謀
  • Part3. 外向的/内向的
  • Part4. 楽観的/悲観的
  • Part5. 同調性
  • Part6. 共感力
  • Part7. 堅実性
  • Part8. 経験への開放性
  • Part9. 成功するパーソナリティ/失敗するパーソナリティ
Part1. 無意識とビッグファイブ理論
感情の6つの原型
  • 中枢神経系(脳)の基本設計は2系統
    • 快 ‐ 不快
    • 覚醒 ‐ 鎮静
不快
覚醒 ④動転・動揺 ①高揚・興奮
平常 ⑤みじめさ・不機嫌 ②満足・喜び
鎮静 ⑥無気力・落ち込み ③穏やかさ・落ち着き

ビッグファイブ(パーソナリティの5因子)
Extroversion / Introversion 外向的 / 内向的
Neuroticism 神経症傾向(楽観的/悲観的)
Agreeableness 協調性(同調性+共感力)
Conscientiousness 堅実性(自制力)
Openness to Experience 経験への開放性(新奇性)

  • 「傾向のちがい」を利用しながら、社会のなかで自分に適した「役割」を探すのが成長。

明るいか、暗いか 外向的/内向的
精神的に安定しているか、神経質か 楽観的/悲観的
みんなと一緒にやっていけるか、自分勝手か 同調性
相手に共感できるか、冷淡か 共感力
信頼できるか、あてにならないか 堅実性
面白いか、つまらないか 経験への開放性
賢いか、そうでないか 知能
魅力的か、そうでないか 外見

自尊心
  • パーソナリティ(固有の特性)ではなく、舞台の出来栄えで決まる。
  • 「人生という物語」において、キャラと舞台がうまく合っていて、観客から高い評価を獲得できている。
    • →自尊心が高くなる
  • 舞台で失敗して観客からブーイングを浴びている。
    • →自尊心が低くなる
Part2. 心理プロファイルを使った史上最大の陰謀
Part3. 外向的/内向的
「動く生き物」の基本
  • 快/不快
  • 覚醒/鎮静
  • 感覚神経が快を感じる
    → 中枢神経が覚醒し、その方向に身体を動かす指示を出す
  • 不快を感じると逆の方向に身体を動かす。

外交的/内向的
  • ポジティブな刺激に対する覚醒度のばらつき
  • 報酬系の個体差
  • 欲望へ向かうエンジンの出力の大きさ
  • 進化の過程で最初に生まれたパーソナリティ。

神経科学的な説明
  • 快を感知

    脳内にドーパミンが溢れる

    報酬回路が活性化

    それを手に入れたいという衝動を生み出す
  • ドーパミンの分泌量が多いと衝動も大きくなる。

脳科学的な説明
  • 報酬-予測誤差
  • ドーパミンは報酬に対する反応ではなく、 実際の報酬から予測した報酬を際し引いたものに対する反応
  • 報酬系の学習によって、ひたすら新しい欲望を追い求めるように設計されレイル。
  • 人類は数百万年前から、渇望と喪失感を抱え、欲望に支配されて「進歩」へと駆り立てられてきた。

高揚感と幸福感
  • 欲望が満たされることと、その状態を幸福と感じることは脳の別システム。
  • 欲望が満たされても満足感を得ることができず、「もっとほしい」という不快な渇望感だけが残る。→ 依存症
高揚感 ドーパミン
「夢」「希望」「熱狂」
幸福感 セロトニン
オキシトシン
バソプレシン
エンドルフィン

Part4. 楽観的/悲観的
  • ネガティブな刺激に対する覚醒度のばらつき。

報酬系の個体差 外交的/内向的
損失系の個体差 楽観的/悲観的

デフォルト・モード・ネットワーク 何かに注意を向ける必要がなく、精神的タスクがなにもないときに活性化する部位。
自己の構築に関係している。
ミー・ネットワーク。
つねに、過去や未来についてシミュレーションをしている。
この活動が日常の大半を占めている。
精神的に安定している人は、このシミュレーションが「楽観」の方向に傾いている。
神経症的な人は、「悲観」の方向に傾いている。
デフォルト・モード・ネットワーク
Part5. 同調性
  • 同調性の本質はアイデンティティ。アイデンティティとは「集団への帰属意識」。
Part6. 共感力
  • 共感 = オキシトシン
オキシトシン 親子の愛着に関係。母性愛。
恋愛や親密さなどのポジティブな社会刺激によってオキシトシンの分泌が促される。
→ ドーパミンやセロトニンの分泌が誘発される。
バソプレシン オスの性愛行動に影響。
パートナーや子どもを保護しようとする。
もともとは逃走/闘争反応を起こすストレスホルモン。


共感力(低) 共感力(高)
メンタライジング(高) サイコ コミュ力が高い
メンタライジング(低) コミュ力が低い
(自閉症)
アスペ

  • 低い共感力によって偏狭な部族主義を脱し、より広い視野で自分とは異なるひとたちの幸福を真剣に考えることができる。
Part7. 堅実性
  • 「衝動を抑制できる度合」
  • 自己コントロールする力(自制心)
  • 異時点間選択のジレンマ
  • コントロールする
    Part8. 経験への開放性
    • 「新奇性(新しもの好き)」の指標
    • リベラルと保守の違い
    • 意識というモニタの解像度のばらつき
    Part9. 成功するパーソナリティ/失敗するパーソナリティ
    ダークトライアド(闇の三角形)
    • マキャベリズム(権力欲)
    • サイコパシー(共感性の欠如)
    • ナルシシズム(自己愛)

    橘 玲 (著), 幻冬舎 (2021/6/23)