- 1章 ドキュメント 経済ロックダウン
- 2章 タイムライン 異変から危機へ、128日間の混乱劇
- 3章 業界別分析 コロナショック、崩れた既存秩序
- 4章 キーパーソン 私たちの「アフターコロナ」
- 5章 アフターコロナ 見えてきた7つのメガトレンド
プロローグ
アフターコロナ 2本の補助線 |
人間中心 |
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制約が生み出す価値 |
1章 ドキュメント 経済ロックダウン
2章 タイムライン 異変から危機へ、128日間の混乱劇
3章 業界別分析 コロナショック、崩れた既存秩序
自動車
- 2000万台の需要が蒸発。
(1) | 世界の自動車販売台数は、年初予測から20%以上減少。 |
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(2) | 外出規制により、新車開発に遅れ。研究開発費は削減へ。 |
(3) | 公共交通機関離れで、マイカー需要が増加へ。 |
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あえて攻めの戦略を立てた米テスラ。
- 設備の値段は半値にも
- マイカーへの回帰。
- クルマは、感染防止のためのプライベート空間に。
機械
- 連鎖する操業停止、受注額4割減に。
(1) | 工場停止地域が中国から欧米へ拡大。 |
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(2) | 米中貿易摩擦にコロナショックが追い打ち。 |
(3) | 3月の工作機械受注額は前年同月比で4割減少。 |
電機
- 急務となった生産現場改革。
(1) | 相次ぐ工場の総合停止で滞る製品供給。 |
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(2) | 設計業務のテレワークに高い壁。 |
(3) | 巣ごもり需要でゲーム機などが急伸。 |
IT
- DX加速、常駐は見直し。
(1) | デジタルトランスフォーメーション(DX)が加速。 |
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(2) | 既存システムの運用・保守事業に頼る中小IT企業が苦境に。 |
(3) | 「客先常駐」という業務形態が崩れる。 |
- マイクロソフト、サティア・ナデラCEO「2年分のDXが2カ月で起きた。」
通信
- 5G展開計画に不透明感。
(1) | 5Gの基地局整備などに不透明感。 |
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(2) | 世界で5Gの標準化作業に遅れ。 |
(3) | オンライン診療など利用用途拡大の好機 |
医薬
- 検査と治療法開発で相次ぐ特例。
(1) | 検査キットの承認を取得し安定供給に備える企業が相次ぐ。 |
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(2) | 不足する人工呼吸器の製造に異業種が参入。 |
(3) |
世界中で治療薬とワクチンの開発が進む。 海外に頼らず国内で薬を供給する体制を構築する動きも。 |
建設
- ゼネコンで相次ぐ工事中断。
(1) | 海外からの建設資材の調達に遅れが発生。 |
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(2) | 政府の緊急事態宣言で主要企業が工事を中断。 |
(3) | 民間投資の冷え込みで今後の業績悪化は必至。 |
住宅・不動産
- 調達難・営業難・開業延期で混乱。
(1) | 住宅設備や建築資材の調達に遅れが生じたため、顧客との協議に追われた。 |
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(2) |
緊急事態宣言で住宅展示場やモデルルームが閉鎖。 VR内覧サービスの導入が進んだ。 |
(3) |
商業施設や宿泊施設が相次いで開業延期。 入居事業者への対応に追われた。 |
金融・フィンテック
- 3兆円規模で吹き飛ぶ銀行利益。
(1) | 融資先企業の経営悪化で貸倒損失の増加懸念。 |
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(2) | 外出自粛で高まるオンライン取引のニーズ。 |
(3) | 3分野を中心にFintechに追い風。 |
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金融機関の相反する2つのペダル
- DXを推進するアクセルペダル
- 感染症の影響による企業の業績悪化がもたらすブレーキペダル
4章 キーパーソン 私たちの「アフターコロナ」
日立製作所社長/東原敏昭
アリババDAMOアカデミーAIセンター/華先勝
建築家/隈研吾
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今回の事態 =「新たな自由に対するプロセス」
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「自由」であることが重視。
「誰もが好きな場所で暮らし、好きな場所で働ける」といったことがテーマになり、 都市が再編成される。
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「自由」であることが重視。
20世紀の都市 |
大箱都市 オフィスや工場といった「大きな箱」をつくって、そこに人を集めて効率よく働かせる。 |
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- 大箱都市というスタイルは、20世紀だけの特殊なスタイルだったのかも。
- 私たちが「人の住み方や働き方はこうだ」と決めつけていたスタイルこそが特殊だということが見えてきた。
日本交通会長/川鍋一朗
- アフターコロナでは、移動そのものの総量が減る。
- スペースを同時に他人と共有しないタクシーは、公共交通機関の中で最も安全安心かつ便利な乗り物。
- 動くオフィス。
衆議院議員/平井卓也
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逆都市化
- 今後の日本は都市から地方への人口移動が起こる。
星野リゾート代表/星野佳路
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マイクロツーリズム
- 1時間圏内の観光。
『感染症の世界史』著者/石弘之
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20世紀はインフルエンザの時代。
21世紀はコロナウイルスの時代。 - 感染症は環境問題。人類の密集化が原因。
- 少し変異すれば人間に感染しかねないウイルスが50種類ほど見つかっている。
経団連会長/中西宏明
連合会長/神津里季生
インテグリティ・ヘルスケア会長、医師/武藤真祐
- 「命の議論」(個人の命の重みをどのようにつけていくか)が必要。「命の選択」の準備を。
- 今は議論もせず、「消極的な命の選択」を行っている。=早い者順
リクルート執行役員/山口文洋
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「Teacher = 教える人」
- 基礎知識を単純に教える。
- 一方通行のオンライン授業や演習問題でよい。
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先生は「Coach = 伴走する人」になっていく。
- 「1対多」ではなく「1対1」のパーソナライズドラーニングが主流に。
- 基礎学習はオンライン教育に任せ、先生はクリエイティブな授業を。
レオス・キャピタルワークス社長/藤野英人
BCG社長/杉田浩章
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ソリューションを提供するプレーヤーが現れる。
- どうやって会議をオンラインツールで代替すればいいのか、 そのための条件は何なのか、ビジネスプロセスをどう変えればいいのか、 といった「広義の使い方」が分からない。
作家/竹内薫
米Zoom Video Communications CEO/エリック・ユアン
京都大学大学院教授/藤井聡
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フェーズ1・・・ロックダウンのように抑制された状況
フェーズ2・・・新コロが存在することを前提に、社会や経済の構造を変えていく時期 - フェーズ2は10年程度かかる。
社会学者/小熊英二
- オンライン教育の遅れが、大幅な学力低下と格差拡大の危険。
情報通信研究機構 理事長/徳田英幸
- 「なんでもリモート社会」
建築家/内藤廣
- 仕事がオンラインに切り替わっていくなかで、都心集中にブレーキがかかる。
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新しいオフィス
- 東京近郊の緑が豊かなエリアに3~4階建ての建物。
- 従業員はその近くに家を借りて、徒歩や自転車で通勤する。
- グローバル化という開かれた世界の一方で、我々の生活を担保するのは地域のコミュニティ。
慶應義塾大学教授/村井純
- 「インターネットの普及が間に合ってよかった」
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経済を軸にしたデータガバナンス
- 金儲けしたいし、便利なほうがいいけれど、プライバシーは侵略されたくない。
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健康を軸にしたデータガバナンス
- 個人を特定しない形で、自分のデータを社会ん建工向上のために差し出す。
- 皆が同じようにデータを提供すると自分も恩恵を受けられる。
ベンチャーキャピタリスト/伊藤穣一
- 「Bio is the new digital」(バイオこそがデジタルの次の革新的技術だ)
- フィジカル → デジタル → バイオ
APU学長/出口治明
ペストが生んだもの |
悲惨な状況でも神様は助けてくれないから、「人間を頼ろう」「楽しもう」という気持ち → ルネサンス |
→ 神の呪縛から人間を解放 |
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「祈りが足りなかった」という思い → 宗教改革 |
- キーワードは「協調」
- 株価が堅調なのは、世界の政府や中央銀行が必死になって連携しているから。
- ペストがルネサンスを生んだように、新型コロナは働き方改革を加速させ、労働生産性を上げる。 それが生き方改革につながっていく。
5章 アフターコロナ 見えてきた7つのメガトレンド
(1) | 分散型都市 |
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(2) | ヒューマン・トレーサビリティ |
(3) | ニュー・リアリティ |
(4) | 職住融合 |
(5) | コンタクトレステック |
(6) | デジタル・レンディング |
(7) | フル―ガル・イノベーション |
(1) 分散型都市
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分散型都市が一過性ではない理由
- 新型コロナの終息後も感染症のまん延リスクが高い。21世紀はコロナの世紀
- 新型コロナで大都市化の弊害が顕著化し、多くの市民が身をもって体感した。
- 地方都市でも仕事や生活を継続できることが分かった。
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都市OS
- スマートシティの中核は都市のデータを収集・管理するプラットフォーム
(2) ヒューマン・トレーサビリティ
- 「自分だけじゃなく誰もが監視されているから、平等だ。そのことで安心が生まれるなら、そのほうがいいんだ。」
- 適切な主体が透明性の高い情報管理を徹底すれば、新しい価値・サービスが生まれる。
(3) ニュー・リアリティ
- オフラインとオンラインの価値が再定義される → ニュー・リアリティ
- Zoom、在宅勤務、UberEats、オンライン医療、…
(4) 職住融合
- 20世紀の街づくり=大箱都市
- これからは逆大箱化
- オフィスは机を並べるだけの場所から、社員を結びつけ、 コミュニティや企業風土の形成を促す場として再定義される。
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現代日本の住宅の原点 = 51C案 = 公営住宅標準設計C型
- 食寝分離+就寝分離 →2DK
- 日本の戦後住宅のスタンダード
- その後、LDKへ
- 今後は、LDKに執務スペース(Working Space)を加えたWLDKへ。
(5) コンタクトレステック
- ウイルス感染の予防策を実装した、非接触・日対面社会へ。
- VRイベント、アバターロボット
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深紫外LED(DUV LED)
- 人体に害がなく、殺菌が可能。
(6) デジタル・レンディング
(7) フル―ガル・イノベーション
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フル―ガル(倹約的)・イノベーション
- 従来のサービスや製品・製造工程を再設計し、現場のニーズに合った安価で高機能な製品を開発すること。