- 序章 風はアジアから吹いている――ただし、その風には「強弱」がある
- 第1章 大いなる可能性を秘めた日本
- 第2章 朝鮮半島はこれから「世界で最も刺激的な場所」になる
- 第3章 中国――世界の覇権国に最も近い国
- 第4章 アジアを取り囲む大国たち――アメリカ・ロシア・インド
- 第5章 大変化の波に乗り遅れるな
- 第6章 未来のお金と経済の形
序章 風はアジアから吹いている――ただし、その風には「強弱」がある
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歴史は韻を踏む
- 戦争、飢餓、不況、外国人迫害、貿易戦争、移民問題
- 韻を踏むように、少しずつ形を変えながら反復をし続ける。
- 世界の負債は西洋に、資産は東洋に。
- 毛沢東が世界から信用されておらず、金を貸してくれる国がなかった。
- 債務が大きい国は、常にひどい姿になって終焉する。
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北朝鮮・韓国の統一国家が世界で最も刺激的な国になる。
- 統一により、韓国の少子化問題が軽減する。
- 5年後のアジアで最も幸福な国になる。
- 国民は、幸福であると感じられないとき、まず外国人(移民)のせいにする。
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繁栄している国は、外国人(移民)を受け入れる。
- 繁栄していると心に余裕が出てきて、他者に寛容になる。
- 外国人は多様性や新しいアイデア、さらに資本をもたらし、国はますます繁栄する。
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今後1〜2年のうちに、史上最悪の世界恐慌が起こる。
- 世界中の負債額が史上最悪の数字を記録しているから。
- 米中貿易戦争も絡んだら、とんでもない大惨事になる。
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この10年でお金の流れがずいぶん代わった。
- 世界中でやたらと紙幣を印刷するようになった。
第1章 大いなる可能性を秘めた日本
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外国人を排除し、門戸を閉じた国が衰退の一途を辿るということを、歴史は何度も教えてくれる。
外国人は新しい活力、新しい血統、資本、アイデア、興奮、刺激をもたらす。
だから繁栄している国は外国人を欲しがるのであり、外国人もそんな国に惹きつけられる。
ただ、国内で問題が起きて不満がたまってくると、何でも外国人のせいにして、やがては追放してしまう。
外国人を追放する方が結局はさらなる問題を引き起こすというのに。 -
日本の借金
- 国と地方を合わせて1100兆円。
- GDPの2倍。
- いつかきっと「安倍が日本をダメにした」と振り返る日が来る。
- インフレ後のドイツで莫大な資産を築いたのは、株と不動産に投資していた人だった。
- 注目しているのは、ベネズエラとジンバブエ。
- 日本人は外国人嫌い。
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移民の受け入れ方をコントロールしなければならない。
- 短期間でたくさん移民を受け入れすぎないように調整しなければならない。
- 日本に投資するなら、観光(ホテルや古民家)、農業、教育。
- 低賃金で働いてくれる外国人を入れない限り、農業は大きな成長産業にはならない。
- これから逆風にさらされる日本で生きていくには、海外と関わることが絶対必要条件になる。
- 「国産米信仰」は思い込み。
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品質を落として低価格に走れば、最終的には必ず消えることになる。
- 他の商品との区別がつかなくなり、さらにはもっと低価格のものが出てきて、価格競争に追いつけなくなる。
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歳出:約98兆円
歳入:約65兆円 - 公共事業には、必要以上に金が投入されている。
第2章 朝鮮半島はこれから「世界で最も刺激的な場所」になる
- 朝鮮半島(韓国と北朝鮮)は、5年後に「アジアで一番幸せな国」になる。
- 韓国・北朝鮮は今後10〜20年の間、投資家に最も注目される国になる。
- 統一には非常に多くの資金が必要になる。
- ↑ 南北の協力による軍備支出削減があるから問題ない。
- 朝鮮半島の周辺には、豊かな国が揃っている。
- ↑ 1990年に東西ドイツが統一したとき、周辺には裕福な国がなく、外国からの投資を望むことができなかった。
- 真っ先に開かれるのは、ツーリズム。
- これからの20年は日本が衰退し、韓国が伸びて刺激的な国になる。
- 韓国人の人々の気質は、日本人よりも多少オープン。
- 北朝鮮の人々は、日本・韓国と違って、子供を欲しがる。
- 韓国株式の半分以上を5大財閥が占めている。
- 中国への貿易依存度が高い韓国は、貿易戦争の当事者である中国よりも経済的な打撃を受ける。台湾・マレーシア・日本なども。
- 韓国の財閥系企業がさらに勢いを増す。北朝鮮に投資するお金を持っているから。
- 北朝鮮人は、子どもの教育に熱心で、しっかりしつけもする。一生懸命働き、貯金をする。
- 北朝鮮は昨今、多くの人材をシンガポールや中国に送り込んでいる。企業や資本主義、所有権や株式市場について学び、開国の準備をしている。
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外の世界を知るものたちが国のトップ層に就いている。
- 金正恩は幼少期をスイスで過ごしており、完全なる「北朝鮮人」ではない。
- 北将官達も、若い頃に北京や上海、モスクワなどの都市に駐在した経験がある。
- 金正恩によってもたらされた新しい風と、昔から培われてきた勤勉な国民性。それを韓国の経営能力や資本へのアクセスというノウハウとうまく合わせると、非常に刺激的な国になる。
- ツーリズム、農業、鉱山業、漁業、アパレル産業に期待。
- 韓国・北朝鮮間の国内旅行。
- 北朝鮮の安い労働力が韓国農業に参入。
- いまの北朝鮮は1981年の中国と同じように、来るべき大変革に向けて助走をつけている状態。
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バッドシナリオ
- すでに中国・ロシアは北朝鮮に進出を進めているため、韓国がアメリカに屈すれば、朝鮮半島は大混乱し、戦争になる。
第3章 中国――世界の覇権国に最も近い国
- 世界の歴史上、3分の1の期間において、中国はトップだった。ここ1世紀が例外。
- 中国は毎年、アメリカの10倍、日本の15倍ほどのエンジニアを輩出している。
- 毛沢東以降の中国リーダーはもっぱら技術者。胡錦濤、温家宝、江沢民は元技術者。
- 環境ビジネス、鉄道などのインフラ、ヘルスケア、ツーリズムに期待。
- 中国共産党の総書記になるには30年〜40年におよぶ地道な昇進が必要。ある意味、アメリカの大統領選挙よりも公平。
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チャイナリスク
- 出生率の低下。
- 地方と都市との格差。
- 閉鎖された経済。
- 借金。図23
- 「破産なき資本主義は地獄なきキリスト教」
- 両者ともに「中国と台湾は一つの国」 だという見解は一致しており、いずれ本当にゆっくりと一つの国になる。
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100年後には、「ラスベガスやマカオの名前を聞いたことがない」という人が出てくる。
- カジノ以外にできることがないからカジノで栄えているだけ。
- 日本でカジノが始まれば、近隣諸国のカジノはいくつか倒産する。
- 今後10年間、米ドルは人民元に対して、かなり上がる。他の通貨に対しても上がる。
- 歴史的に見て、世界で唯一の「安全な逃避先」は米ドル。
- いつの日か人民元が米ドルを凌駕する時が来る。
第4章 アジアを取り囲む大国たち――アメリカ・ロシア・インド
アメリカ
- 2020年までのどこかの時点で、上昇トレンドは終焉し、アメリカは悲惨な目に遭う。
- いまの上昇基調は非常にアンバランス。上昇しているのはFANGだけ。
- 2020年にかけて景気が悪化すれば、トランプは中国、日本、韓国のせいにする。
ロシア
- ロシアETF(ERUS)
- 現在、国債を購入するのにふさわしい国は、ロシアくらい。
- 債務が少ない。だれもロシアにお金を貸さないから。
- 世界中から嫌われている国に期待:ロシア、ジンバブエ、ベネズエラ、トルコ。
第5章 大変化の波に乗り遅れるな
第6章 未来のお金と経済の形
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