2017年1月2日月曜日

『ブロックチェーン・レボリューション』

ブロックチェーン・レボリューション ――ビットコインを支える技術はどのようにビジネスと経済、そして世界を変えるのか
ドン・タプスコット アレックス・タプスコット
ダイヤモンド社
売り上げランキング: 349
  • 【PART1】革命がはじまる
  • 第1章. 信頼のプロトコル
  • 第2章. 未来への果敢な挑戦
  • 【PART2】ブロックチェーンは世界をどう変えるのか
  • 第3章. 金融を再起動する――錆びついた業界をリブートする8つの指針
  • 第4章. 企業を再設計する――ビジネスのコアと境界はどこにあるのか
  • 第5章. ビジネスモデルをハックする――オープンネットワークと自律分散型企業
  • 第6章. モノの世界が動きだす――ブロックチェーン・オブ・シングズ
  • 第7章. 豊かさのパラドックス――資本主義とインクルージョン
  • 第3章. 金融を再起動する――錆びついた業界をリブートする8つの指針
  • 第4章. 企業を再設計する――ビジネスのコアと境界はどこにあるのか
  • 第5章. ビジネスモデルをハックする――オープンネットワークと自律分散型企業
  • 第6章. モノの世界が動きだす――ブロックチェーン・オブ・シングズ
  • 第7章. 豊かさのパラドックス――資本主義とインクルージョン
  • 第8章. 民主主義はまだ死んでいない――選挙、法律、政治
  • 第9章. 僕らの音楽を取りもどせ――アート、教育、ジャーナリズム
  • 【PART3】ブロックチェーンの光と闇
  • 第10章. 革命に立ちはだかる高い壁
  • 第11章. 未来を創造するリーダーシップ
PART1. 革命がはじまる
第1章. 信頼のプロトコル
  • 信頼された第三者を介することなく、端末間でやりとりされるデータに嘘がないことを保証する。
  • ブロックチェーンの本質は、価値(とくにお金)の交換にある。

  • ブロックチェーン以前
    • 第三者をあいだにおいて、相手が約束どおり行動することを保証してもらう。
  • ブロックチェーンの世界
    • ネットワークが信頼を担保してくれる。
    • ネットワークに接続されたモノが、信頼できるかどうかを勝手に判断してくれる。

  • アマゾン、グーグル、フェイスブックなどの肥大化したネット企業が人々のデータを収集。
    政府は、通信技術を駆使して人々を見張り、世論を操作し、都合のいい政策を推し進める。

    ブロックチェーンにより、僕たちはアイデンティティや個人情報を自分の手に取り戻せる。
    巨大な仲介者を通さなくても、自由に価値を創造して交換することが可能になる。

  • 個人のプライバシーが守られ、データが誰かのものでなく自分自身のものになる世界。
  • 大企業が技術を独占することなく、誰もがテクノロジーの発展に参加できるオープンな世界。
  • グローバルな経済から排除される人がなく、どこにいてもその富の恩恵を受けられる世界。
ブロックチェーンがもたらす未来
  1. 本物のシェアリング・エコノミーがやってくる
  2. 金融業界に競争とイノベーションが生まれる
  3. 財産権が確実にデータ化される
  4. 送金が安く、早く、簡単になる
  5. 支援金が必要な人に確実に届く
  6. クリエイターが作品の対価を受け取れる
  7. 会社の形態が進化する
  8. モノが自分で動くようになる
  9. 小さな起業がどんどん生まれる
  10. 政治が人びとのものになる

  • 現在の「シェアリング・エコノミー」は本当の意味での「シェア」ではない。情報を集約することで成り立っているから。
  • たいていの技術は末端の仕事を自動化する。ブロックチェーンは中央の仕事を自動化する。ブロックチェーンは、タクシー運転手の仕事を奪うのではなく、Uberをなくして運転手が直接仕事をとれるようにする。

  • ブロックチェーンの核にあるのは、「何かの所有権を確実に取引する」という考え方。その対象は「お金」でも「モノ」でも「アイデア」でもいい。大事なのは単に対象物を記録することではなく、そこに関わる権利を記録して、所有権が犯されないようにすること。

  • オープンなネットワーク型企業。
  • インテリジェントなソフトウェアがみずからリソース配分やマネジメントを実行する分散自立型企業(DAE, Distributed Autonomous Enterprises)。
第2章. 未来への果敢な挑戦
ブロックチェーン革命の7つの原則
  • 原則1.「信頼」:嘘をつかないネットワーク
  • 原則2.「権力」:力の集中から分散へ
  • 原則3.「インセンティブ」:利己的な行動が全体の利益になる
  • 原則4.「セキュリティ」:不正のできないプラットフォーム
  • 原則5.「プライバシー」:個人情報のブラックボックス化
  • 原則6.「権利」:スマートコントラクトによる明確化と自動化
  • 原則7.「インクルージョン」:格差を解消するデザイン
PART2. ブロックチェーンは世界をどう変えるのか
第3章. 金融を再起動する――錆びついた業界をリブートする8つの指針
「ゴールデン・エイト」〜 ブロックチェーンが変える金融サービス
ブロックチェーンでどう変わるか
①本人認証・取引認証 ○確実で検証可能なアイデンティティ。
○セキュアな暗号による情報保護。
②価値の移動 支払い、送金、商品・サービスの売買 ○仲介機関を通さず、少額決済から巨額の送金まで実行可能。
○決済コストの大幅な削減。
○決済スピードの劇的な高速化。
③価値の保存 通貨、コモディティ、金融資産などの価値保存 ○安全で信頼性の高い価値保存手段の実現。
○銀行の預金口座は不要になる。
④価値の貸し借り クレジットカード債務、住宅ローン、社債、国債、地方債、資産担保証券 ○ブロックチェーン上で誰でも債券の発行・売買・決済が可能。
○手続きの効率化とシステミック・リスクの軽減。
○ブロックチェーン上の評判を元に直接融資が受けられるので、貧しい地域の人や起業家への融資の幅が広がる。
⑤価値の交換 投資、投機、リスクヘッジ、アービトラージ ○取引の効率化。
○決済にかかる時間の劇的な短縮。
○より幅広い層の資産形成が可能に。
⑥資金調達・投資 キャピタルゲイン、配当金、利息、家賃収入 ○スマートコントラクトで配当などの支払い自動化。
○仲介業者を通さない資金調達が可能。
⑦リスクマネジメント 保険、デリバティブ、リスクヘッジ商品 ○ネットワーク上の評判にもとづく明確なリスク評価。
○保険市場の分散化。
○透明性の高いデリバティブ。
○取引相手がお金を払ってくれないというようなリスクを考慮する必要がなくなる。
⑧会計 進化するコーポレート・ガバナンス ○リアルタイムで透明性の高い会計監査と財務報告。
○コーポレート・ガバナンスの効率化と精度向上。
複式簿記から三式簿記へ(ブロックチェーン会計)
  • 三式簿記
    • ①借り方
    • ②貸し方
    • ③ブロックチェーン
      • 取引内容にタイムスタンプをつけてブロックチェーンに記録する。
  • 監査が不要になる。ブロックチェーンにそう書いてあれば、それが真実なのだから。
  • Balance3社 > イーサリアムを使った三式簿記会計システム
  • デロイト社の「PermaRec」 > 取引情報をブロックチェーンに記録し、会計監査に使用
  • ブロックチェーンなら、取引履歴や社会的評判などの情報を組み合わせて、より正確なクレジットスコアを出すことが可能になる。
ブロックチェーンIPO
  • 史上最大規模のクラウドファンディング = Auguar(オーガー)社 (予想市場プラットフォームを提供する会社)
  • キックスターターもインディゴーゴーも使わないブロックチェーンIPO。
  • 資金が必要な企業は、ブロックチェーン上でトークンや暗号証券を発行する。
イーサリアム
  • 独自のブロックチェーンを立ち上げ、ネイティブトークン(イーサー)を売り出す。
  • ビットコインについで2番めに長いブロックチェーン
  • イーサリアムは、ブロックチェーンを利用して分散型アプリケーションを動作させるプラットフォーム。
  • ビットコインとの違いは、通貨の取引だけでなく、どんな取引でも実行できる点。
予測市場
  • オーガー社による、ブロックチェーンを使用した分散型予想市場のプラットフォーム。
  • 取引先リスクを排除し、集中管理型のサーバーをなくし、ビットコインやイーサーなどの安定した暗号通貨を利用してグローバルなマーケットを実現。
  • すべての資金はスマートコントラクトに保存されるため、盗難の心配はない。
  • オーガーでは誰でもマーケットを作ることができる。
  • 政治リスクや天候リスクのヘッジに利用可能。
  • 予測市場はさまざまな金融商品を補完できるし、やがては打ち負かす可能性もある。
第4章. 企業を再設計する――ビジネスのコアと境界はどこにあるのか
  • ヒエラルキー型組織からネットワーク型組織へ。
企業の存在意義
  • 取引コスト(検索コスト・契約コスト・調整コスト)を効率化するために企業は存在する。
ブロックチェーンによって…
検索コスト 人材や情報やリソースを見つけるためのコスト
プライバシー ○ブロックチェーンはオープンなプロトコルだが、プライバシーは今までよりずっと固く保護される。
○開示する情報を選択できる。
○人材探しから偏見がなくなる。
時系列データ ○世界最初のビットコイン取引までさかのぼることもできる。
堅牢性 ○ふたたび石のように堅牢で永続的な記録が主流になる。
契約コスト 報酬や仕事の条件、秘密保持などの契約を締結して実行するコスト ○「契約書」は約束を記録する手段に過ぎず、効力を持つにはそれを保証する法律や制度が必要。
○「スマートコントラクト」(ブロックチェーン上の契約)は、それ自体に強制力がある。あらかじめ日時や執行条件を設定しておけば、プログラムが勝手にそれを実行してくれる。
調整コスト 全員がスムーズに協業するためのコスト ○スマートコントラクトによる明確なタスク設定と報酬システムは、仕事の内容を透明化し、やるべき仕事の確実な遂行を保証してくれる。
○企業の内部だけでなく、外の世界とのコレボレーションも一気に加速する。
○ブロックチェーンなら相手が誰だろうとすぐに信用できる。
○信用を築くためにコストをかける必要がなくなる。
第5章. ビジネスモデルをハックする――オープンネットワークと自律分散型企業
未来の企業モデル
自動化
複雑さ オープンネットワーク型企業(ONE) 自律分散型企業(DAE)
スマートコントラクト 自律エージェント

スマートコントラクト ○ブロックチェーンは情報を伝達するだけでなく「実行」する。

○「スマートコントラクト」とは、取引の条件を自動で実行するような、取引の電子的なプロトコルである。
その全般的な目的は、
・一般的な契約条件(支払い期日、抵当権、機密保持、確実な執行)を満たすこと、
・故意あるいは事故による例外を最小限に留めること、
・仲介者への依存を最小化すること、
である。
これに関連する経済的なゴールには、
・詐欺による損失を防ぎ、
・仲介コストや法的コストなどの取引コストを削減すること
などが含まれる。

○約束が守られるかどうかという心配はなくなる。約束が破られた場合の訴訟コストも存在しない。
オープンネットワーク型企業(ONE) ○スマートコントラクトによって契約コストが削減されれば、多様で複雑な契約のネットワークを築くことができる。
○企業の内部と外部との区別があいまいになり、どこの誰とでもシームレスに取引ができるようになる。
○企業間の壁がやわらかくなり、オープンなネットワークが生産性を向上させる。
自律エージェント ○自分で周囲の環境を読み取り、状況判断しながら仕事をするデバイスやソフトウェア。
自律分散型企業(DAE) ○自律エージェントの共同体。
○人間の役割は、資金提供とミッションステートメントを決めるだけ。
○日々の意思決定はプログラムに任せる。
○人間の従業員はスマートコントラクトのもとで働く。
ブロックチェーンにより進化するビジネスモデル
  1. ピアプロデューサー
    • ブロックチェーンによる評価と報酬のシステムを導入する。
  2. スマート著作権管理
    • 「二重使用の防止」を利用して正当な持ち主以外は使用できなくする。
    • アートは通貨。アートはデジタル通貨に進化する。
  3. シェアリング・エコノミー
    • 集中型プラットフォームから分散型プラットフォームへ。
  4. メータリング・エコノミー
    • 物理的なものをメータ単位でシェアする。
    • 例えば、自動運転車のシェア。ブロックチェーンに車の利用情報を記録。利用規定はスマートコントラクトに。
  5. プラットフォーム・ビルダー
  6. ブロックチェーン・メーカー
  7. エンタープライズ・コラボレーション
第6章. モノの世界が動きだす――ブロックチェーン・オブ・シングズ
  • IoTの価値を十分に引き出すためには、多数のネットワークを相互接続詞てひとつのネットワークように運用できなくてはいけない。それに集中型データベースの理論では、増え続けるリアルタイム取引をすべて処理するのに多大なコストがかかってしまう。こうした問題を解決するのがブロックチェーン。
  • 不正を心配することなく、デバイス同士で直接取引することが可能になる。
  • 集中型のデータベースや信頼できる第三者に問い合わせたり、取引を保証してもらったりする必要はない。
  • 分散された自律的なモノのインターネット
  • ひとつひとつのデバイスがマイクロビジネスを営むような新しいビジネスモデル
  • モノが信頼を肩代わりしてくれる時代
  • インターネットは人と人とをつなげたが、ブロックチェーンはさらにモノとモノとをつなげてくれる。
  • プロックチェーンIoTは「分散型資本主義」を生み、再分配ではない富の「分散」を実現する。
メッシュネットワーク
  • メッシュネットワークとは、コンピュータやデバイスが直接接続され、お互いに通信しあって自律的なネットワークを形成する技術。
  • メッシュネットワークにブロックチェーンを組み合わせる。
  • フィラメント社 > 奥地の電柱でメッシュネットワークを構築。電柱の異常を検知。余った通信能力は他の用途に。
マイクログリッド
  • 現代の電力供給はトップダウン型。
  • マイクログリッド(小規模なエネルギーネットワーク)なら、耐障害性が高まり、送電ロスが小さくなる。
創造的破壊の12のエリア
  1. 交通
  2. インフラ管理
  3. エネルギー、水、廃棄物
  4. 農業
  5. 環境モニタリング、災害予測
  6. 医療、ヘルスケア
  7. 金融、保険
  8. 書類や記録の管理
    • モノに関する書類はすべて、電子化してブロックチェーンに登録することが可能。(特許、所有権、保証、検査証明、来歴、保険、交換履歴、承認、…)
  9. ビル管理、不動産管理
  10. 製造、メンテンナンス
  11. スマートホーム
  12. 小売業
創造的破壊の5つのベクトル
  1. リアルタイム検索と支払いによるモノの流動化
  2. 需要と供給の自動マッチング
  3. リスク評価と信用のネットワーク化
  4. システム利用の自動化
  5. クラウドソーシングやオープンコラボレーションを活用したリアルタイムでパワフルな価値統合プロセス
第7章. 豊かさのパラドックス――資本主義とインクルージョン
  • インクルージョン・・・あらゆる立場の人が対等に経済活動に参加し、自立して安定した生活を遅れる状態
  • ブロックチェーンで史上最大規模の眠れる人材グループが一気に解き放たれる。
    • 少額取引が低コストで可能に
    • ちょっとした才能や資産でもビジネスの道具に
    • お役所がボトルネックになることもない
  • 悪いのは資本主義そのものではない。問題は、つぎはぎだらけの金融システムのせいで、資本主義のメリットに触れることすらできない人びとが多すぎるということ。
  • 銀行には、ピラミッドの下半分に位置する人を受けいるインセンティブがない。
  • アフリカでは固定電話を飛び越えて携帯電話が普及した。ブロックチェーンはこれと同じ効果を金融でもたらす。モバイル送金やマイクロクレジット。
デジタルID
  • IDに結びついた取引記録や評判が、その人の信用を証明してくれる。
「富の再分配」から「チャンスの分配」
  • 富を取り上げて配るのではなく、自分の力で豊かになるチャンスを誰もが平等に持てるようになる。
    • 法制度の整っていない国でも、確実な契約を結べる。
    • ブロックチェーン会計で、会社の資産・在庫・債権債務などの管理も手間がかからない。
    • ブロックチェーン上で株式や債券を発行できる。
送金サービス
  • 外国で働く人からの送金は、途上国の経済を動かす重要な資金源。
  • アブラ社
    • ビットコインベースの送金サービス
    • 外国からの送金だけでなく、近隣のユーザを検索し、現金化も可能。
  • シェアリング・エコノミーのモデルに送金サービスが加わるのは時間の問題。
寄付
  • 仲介機関が不要。
  • お金の移動が改変不可能な記録として残る。
  • スマートコントラクトを使えば、目的以外の利用ができない契約にすることも可能。
第8章. 民主主義はまだ死んでいない――選挙、法律、政治
政治のブロックチェーン化、3つのメリット
情報連携による業務効率化 ○複数のブロックチェーン同士をつなぐことによって、国や地方の行政をスムーズに連携
○医療情報連携
公共サービスにおけるIoTの活用 ○公共交通機関
○スマートデバイスを利用した建物、オフィス、会議室、車両、コンピュータなどの資産管理
○電気、水道のインフラ
○廃棄物処理、環境モニタリング
○救急、消防、教育、医療
グローバル行政サービス ○世界のどこに住んでいてもエストニアのIDを取得し、エストニアで起業できる。
○図書館をデジタル化して非居住者にも公開する。
  • ブロックチェーン結婚
    • 役所の手続きを省略。
    • 銀行口座、育児の契約、土地の権利などを結婚という契約に結びつける。
  • スマート・ソーシャル・コントラクト
    • スマートコントラクトを政府や政治家の役割を規定するために使う。
    • 公約を監視する。
    • 国の規制当局が、業界を監視するのにも使える。
  • リキッド・デモクラシー(流動的民主主義)
    • 直接民主制と議会制民主主義の利点を掛け合わせたシステム。
    • 有権者は自分で投票してもいいし、それぞれの分野の専門家に委任することも可能。
  • ブロックチェーン選挙
    • 二重投票やなりすましを防止。
    • 情報の正しさと信頼を保つためには、結果を検証できる必要がある。
  • 予測政治(futarchy)
    • 予測市場を使って、その成功を達成できる可能性がもっとも高い政策を決定する。
    • 「価値に投票し、意見に賭ける」
    • 人びとの集合的な知識を政策決定に利用する。
  • ブロックチェーン裁判
    • 古代ギリシャのような「市民による司法制度」を現代に復活させる。
    • クラウドジュライ:クラウドソーシングとブロックチェーンにより、起訴、証拠収集、陪審員の選定、オンライン裁判の実行、評決まですべてをオンラインで完結するシステム。
    • 何十万人という陪審員が審議に参加する「クラウド裁判」。
第9章. 僕らの音楽を取りもどせ――アート、教育、ジャーナリズム
  • 音楽業界のメジャー
    • ソニー・ミュージックエンタテインメント
    • ユニバーサル・ミュージック
    • ワーナー・ミュージック・グループ
    • スポティファイ
    • アップル
    • ライブ・ネイション
  • ブロックチェーンのスマートコントラクトを使えば、著作権の管理や不正利用の取締に人手を煩わす必要はない。
  • めざすのは、レーベル中心型ではなく、アーティスト中心型のビジネスモデル。
PART3. ブロックチェーンの光と闇
第10章. 革命に立ちはだかる高い壁
10の課題
  1. 未熟な技術
    • 大量アクセスに対するキャパシティ不足
    • 洗練されたツールの必要性
    • 長期的な流動性に対する懸念
    • 処理時間の問題
    • ユーザーの過失をどう防ぐか
      • 高度なプライバシーやセキュリティは手に入るが、何かあったら自己責任。
    • 社会との関わり
      • 高度なプライバシーやセキュリティ
    • 法的トラブルの可能性
      • これほどまでに高い確実性を持った取引や契約は、これまでの社会に存在しなかった。
  2. エネルギーの過剰消費
    • 現在の金融システムに比べれば省エネ?
    • イーサリアムは「プルーフ・オブ・ステーク」へ移行予定。
  3. 政府による規制や妨害
  4. 既存の業界からの圧力
    • 大企業や政府がマイナーたちを買収?
    • 全マイナーの計算能力の過半数を手に入れると、任意の取引を承認してブロックチェーンに登録することが可能【51%攻撃】
  5. 持続的なインセンティブの必要性
    • コインの発光量が上限に達して時には、手数料だけで十分な報酬が得られるようになる。
    • 手数料の低い取引が後回しにされてしまう。
  6. ブロックチェーンが人間の雇用を奪う
  7. 自由な分散型プロトコルをどう制御するか
  8. 自律エージェントが人類を征服する
    • クラウドファンディグでビットコインを調達し、その資金を使ってテロの容疑者を暗殺。
  9. 監視社会の可能性
    • ブロックチェーンは匿名性の高いネットワークだが、情報はオープン。国家や企業は血まなこになってブロックチェーンの情報を分析するだろう。
  10. 犯罪や反社会行為への利用
    • 明確な記録が残るので、むしろ取り締まりやすい。
    • ビットコインは現金より足がつきやすい。
第11章. 未来を創造するリーダーシップ
  • 次の段階に進もうと思うなら、自由なだけでは不十分。より強力な国際的インフラへと成長するためには、ある程度の組織化とリーダーシップが欠かせない。
  • 中央銀行は、外貨や金を持っておくのと同じように、ビットコインを準備しておけばいい。
  • 既存のパラダイムで成功している人ほど新しいパラダイムを受け入れがたいという法則。
  • メディア王はハフィントンポストをつくれなかった。AT&Tはスカイプをつくれなかった。Visaはペイパルをつくれなかった。自動車業界はUberをつくれなかった。ホテル業界はAirbnbをつくれなかった。
  • 世界はオープンで、豊かで、分散的で、真にグローバルな時代へと突入する。

  • デジタルテクノロジーが介入することで、それまでの「業界」を構成してきた中央集権的なヒエラルキーは解体を求められるようになる。
    • お金・銀行
    • 行政
    • エネルギー
    • 病院・医療
    • 音楽
  • お金の民主化
    • 近代世界を形作ってきたシステムそのものがひっくり返り得る。
  • ブロックチェーン・テクノロジーこそが次世代のインターネットの中心部分。そしてこの次世代のインターネットは、商業活動や企業の本質だけでなく、社会におけるわたしたちの制度の多くを転換させる。
  • エストニアのe-resident
    • 世界中からヴァーチャル国民を募る。
    • デジタル化やインターネット化があらゆる領域にまで及んでいくと、それは、いずれ国家というものを規定していた領土や国民という概念さえ変えてしまう。
    • ブロックチェーンは、その前進を下支えし、さらに加速させる。

ブロックチェーン・レボリューション ――ビットコインを支える技術はどのようにビジネスと経済、そして世界を変えるのか
ドン・タプスコット アレックス・タプスコット
ダイヤモンド社
売り上げランキング: 349