リスク・テイカーズ ―相場を動かす8人のカリスマ投資家
posted with amazlet at 16.01.19
川上 穣
日本経済新聞出版社
売り上げランキング: 81,546
日本経済新聞出版社
売り上げランキング: 81,546
- ダニエル・ローブ ~大物アクティビストの日本上陸
- デイビッド・テッパー ~世界最高の稼ぎ手
- デイビッド・アインホーン ~リーマン危機の予言者
- ビル・アックマン ~改革の伝道師か、不幸の使者か
- ジム・チェイノス ~中国に挑む空売り王
- レイ・ダリオ ~世界最大のヘッジファンド
- カイル・バス ~日本国債売りの急先鋒
- ウォーレン・バフェット ~オマハの賢人、バリュー投資を語る
- カール・アイカーン
ダニエル・ローブ (Daniel Leob)
ファンド
- サード・ポイント (Third Point)
スタイル
- アクティビスト
- 製品/サービスは有望なのに、経営陣に問題があるために業績が低迷している企業に投資。
- 書簡を送りつける。
実績
- 金融危機直後の金融株買い。
- ヤフーCEOを更迭。Google副社長のマリッサ・メイヤーを後任に。
- ソニーにエンタメ部門の分離上場を要求。PC/TV事業の再編を要求。
- IHI
論文「日本の第3の矢の正しい標的」
- 非効率な経営=低ROA(総資産利益率)、米国3.8% vs 日本1.7%
- 未熟なコーポレート・ガバナンス=メインバンクとの関係や社内出身者で構成される取締役
- 雇用情勢の流動化
- 法人税の引下げ
- 取締役は自社株で報酬を受け取ること
アクティビストの影響力拡大の理由
- 低金利を背景とした潤沢なマネー
- 危機後の金融規制改革法(ドッド・フランク法)で株主権利の向上
- 年金基金のアクティビスト化
WSJ記事
デイビッド・テッパー (David Tepper)
ファンド
- アパルーサ・マネジメント (Appaloosa Management)
スタイル
- ディストレスト(破綻証券)戦略
実績
- 金融危機直後の猛烈な金融株買い。当時、金融が半分以上を占めた。
- 原油高で収益悪化していた空運株。
その他
- 徹底した楽観主義
- テッパー・ラリー(強気宣言すると投資マネーが一斉に株式に向かう)
- S&P500 ETFが保有トップ
- 日本株にも強気(円安、割安感、GPIF改革)
- 写真のような記憶力。
WSJ記事
デイビッド・アインホーン (David Einhorn)
ファンド
- グリーンライト・キャピタル (Greenlight Capital)
スタイル
- 空売り
- バフェットを敬愛。ただし「買い」ではなく「売り」で勝負。
実績
- セイント・ジョー社(フロリダ州パナマシティの不動産開発)を空売り。
- リーマン・ブラザーズの不正会計を見抜く。
その他
- 【einhorned】「アインホーンされる」…アインホーンが狙いを定めた企業の株価は必ず下がる。
- FRBの金融緩和に批判的。
- 日本の信用リスク(ハイパーインフレ、通貨急落)に警鐘。
- アップルに強気。
- りそなホールディングスに投資(2014.4)。
- 金に投資。
WSJ記事
ビル・アックマン (Bill Ackman)
ファンド
- パーシング・スクエア・キャピタル・マネジメント (Pershing Square Capital Management)
スタイル
- アクティビスト(敵対的、劇場型)
実績
- サントリーによるビーム買収の立役者。(複合企業のビームをバラバラに)
- P&GのCEO更迭。
- JCペニーで痛手。
米産業界のパワーバランス史
- 100年前…財閥(カーネギー、モルガン)(財閥が、傘下の企業経営に関与)
- 60年代…創業者=支配的な株主(経営と所有が明確に区別されていなかった)
- いま……経営者≠創業者
- アックマン「昔のように株主が経営に積極的に関与するのは健全だ」
ハーバライフ
- マルチ商法であると糾弾し、空売り。
- ダニエル・ローブとカール・アイカーンは、買いで対抗。
その他
- 経営者や市場からは拒否反応があるが、本人は「世直し」のつもり。
WSJ記事
ジム・チェイノス (Jim Chanos)
ファンド
- キニコス・アソシエイツ (Kynikos Associates)
- 空売りファンドとして世界最大級。
スタイル
- 空売り
実績
- エンロンの不正会計を見抜く。「エンロンにとどめを刺した男」
- 80年代後半、ジャンク・ボンドのブーム終焉を予見。
- 2000年代後半、ITバブル終焉を予見。
- 2004年、GMを空売り。
- 2011年、太陽電池メーカーのファースト・ソーラーを空売り。
その他
- 新米アナリストとして初めて担当した企業で売り推奨を出した。
- 「空売り王」。
- 中国の不動産バブル・金融システムに警鐘。
- オーストラリアやブラジルの資源大手株式を空売り。
- 経営者の自社株の売却状況に注目。
- 投資先企業の空売り比率が高い場合は注意。
WSJ記事
レイ・ダリオ (Ray Dalio)
ファンド
- ブリッジウォーター・アソシエーツ (Bridgewater Associates)
- 世界最大
スタイル
- グローバル・マクロ
実績
- 米金融危機、欧州債務危機を予見。
不況
-
短期の債務サイクル…5~8年
└利下げで抜け出せる -
長期の債務サイクル…75~100年
├大恐慌や金融危機
└抜け出すには:①支出抑制、②借金削減、③富の再分配、④紙幣増刷
その他
- 「経済は機械のように動く」
- 「歴史から学ぶことに忠実であろうとしてきた」
- 「苦痛+反省=進歩」
- FRBを評価。
- 「欧州の失われた10年はさけられない」
- 「バフェットが間違っている。金は現金の代替資産であり、運用リスクをヘッジするにはきわめて有効だ」
- 瞑想。
- 投資の世界のスティーブ・ジョブズか。
WSJ記事
カイル・バス (Kyle Bass)
ファンド
- ヘイマン・キャピタル・マネジメント (Hayman Capital Management)
スタイル
- ディストレスト戦略
実績
- 2つのヤマを的中
- ①米住宅バブル崩壊…サブプライムローンのCDSを買い
- ②欧州債務危機…PIGSのCDSを買い
その他
- ジョン・ポールソンは①だけ。危機後は失敗が目立つ。
-
次のヤマは、③日本売り。
└国債の買い手が減少(【高齢化】、家計貯蓄率の低下、GPIFの株式シフト、メガバンクの国債離れ) - 「円資産をできるだけもたないようにすることだ」
- 「カイル・バスは新たなジョン・ポールソンか」
- カナダ、ノルウェー、オーストリア、インドネシア、インドを選好。
-
米国5セント玉を2000万枚(100万ドル)所有。
├含有するニッケルと銅の価値が5セントをわずかに上回る。
└デフレ→通貨としての価値が高まる。インフレ→コモディティとしての価値が高まる。
WSJ記事
ウォーレン・バフェット (Warren Buffett)
投資持株会社
- バークシャー・ハザウェイ (Berkshire Hathaway)
スタイル
- バリュー投資
実績
- 金融危機の中、ゴールドマン、GE、バンカメの優先株を取得。「駆け込み寺」的存在。
その他
- ビッグ4(コカ・コーラ、アメリカン・エキスプレス、ウェルズ・ファーゴ、IBM)
- 近年は米国の優良企業への投資に回帰。
- マクロ景気の動向は気にしない。
- 「安全性のゆとり (margin of safety)」
- 「市場は主人ではなく、使用人にすぎない」
-
「マネーは長期にわたって米国に流れ込むでしょう」
└米鉄道大手バーリントン・ノーザン・サンタフェ(BNSF)を買収。
後任候補
- 運用…トッド・コームズ(危機管理)、テッド・ウェスラー(バリュー投資)
- 経営(CEO)…アジト・ジャイン(再保険部門)、マシュー・ローズ(BNSF)、グレッグ・アベル(ミッドアメリカン・エナジー)
- 会長…ハワード・バフェット(長男)
WSJ記事
カール・アイカーン (Carl Icahn)
- アクティビストの大御所。
- 投資持株会社:アイカーン・エンタープライズ (Icahn Enterprises)
- http://blogs.wsj.com/moneybeat/tag/carl-icahn/
リスク・テイカーズ ―相場を動かす8人のカリスマ投資家
posted with amazlet at 16.01.19
川上 穣
日本経済新聞出版社
売り上げランキング: 81,546
日本経済新聞出版社
売り上げランキング: 81,546