2016年1月11日月曜日

『2018年までのマンション戦略バイブル』

2018年までのマンション戦略バイブル
沖 有人
朝日新聞出版 (2015-01-20)
売り上げランキング: 127,828
  • 7つのメガトレンド
  • パラダイム転換
  • 都心タワーマンションを買え
  • 賃貸経営ではなく自宅投資
  • その他メモ
7つのメガトレンド
  1. デフレからインフレへ
  2. 人口増加から減少へ
  3. 相続対策需要の増加
  4. 資金の出し手の国際化
  5. 不動産評価方法の変化
  6. 新築購入リスクの増加
  7. 自宅購入者の情報力向上
デフレからインフレへ
  • 地価に最も大きな影響を与えるのは金融政策。
  • マンションは、用地を仕入れ、建物を建てながら分譲する。仕入れから分譲開始までは1~2年かかるので、用地価格の高騰から1~2年後にマンション分譲価格が値上がる。
  • 2004年頃から始まった不動産ミニバブルと同じことが2014年末時点で起こっている。
人口増加から減少へ
  • 今後、郊外では住宅に買い手がつかない状況となる。
  • 【集住】【スマートシティ】住民の生活レベルを維持していくためには中心部に人を集め、そこに集中的に投資し生活インフラを更新し続けるしかない。
  • 【路線縮小】都心部とつながる本線は残して、地方の支線は廃止される。鉄道が廃止となった地域の地価は一気に下落する。
相続対策需要の増加
  • 【相続税法改正】控除額が下がる点についてはそれほど影響なし。6億円超の遺産に対する最高税率が50%から55%に上がる点については市場への影響大。
  • 不動産市場における買い手:住宅購入者よりも「相続対策を目的とする富裕層」が有利な条件を持っている。
  • 相続対策としては、一戸建てよりマンションの方が有利。特に、都心一等地のタワーマンション
  • 購入から相続発生まで時間がかかるため、長期的に値下がりしにくい。相続対策特需は今から30年は続く。
資金の出し手の国際化
  • マンションンは、土地や戸建てに比べ、標準化が進み、利回りも明確に算出できるため、外国人でも投資しやすい。
  • 都心から外れたマンションに対する国際的な投資需要はほとんどない。
  • 円安のため、外国人投資家から見ると東京の不動産はお買い得。
不動産評価方法の変化
  • 取引事例比較法→収益還元法。
  • 収益還元法が2000年代に入って急速に一般化し、首都圏では表面利回り4~5%に収斂していった。
  • 今後数年間は新築マンションを買うべきではない。(2014年末現在)
  • 新築マンションの分譲価格は積算方式。相場は無視。
  • 新築マンションの分譲価格=土地代金+建築費+広告費+デベロッパー利益
  • 【建築費の高騰】建築費が、2011年3月東日本大震災の前から20~50%増加している。復興特需や消費税増税前の駆け込み需要のため。
  • 【安全性リスク】建築費が高騰しているため、目に見えないところでコストカット。
自宅購入者の情報力向上
  • 住まいサーフィン https://www.sumai-surfin.com
パラダイム転換
  • 「土地を狙え」→「土地は捨てろ」
  • 「マンションより戸建て」→「戸建てよりマンション」
  • (資産インフレが見込まれるなら)賃貸 → 持ち家
  • 「一生に一度の買い物」→「家族構成など暮らしに応じて買い替える」
  • 「夢のマイホーム」→「人生最大の運用資産」
  • 「郊外の安物物件を」→「都心の高額物件を」
賃貸経営ではなく自宅投資
収入 費用
株式投資 譲渡差益
配当
手数料 分離課税
20%
不動産投資
(賃貸経営)
譲渡差益
賃料
修繕・管理費
ローン金利
固定資産税
譲渡 短期:39%
長期:20%
賃料 累進課税
(給与所得と合算した総所得に所得税率がかかる)
不動産投資
(自宅投資)
譲渡差益
譲渡 短期:39%
長期:20%
※3000万円まで控除
  • 賃貸住宅の90%以上は、地主の税対策のために建てられた物件。
  • 地主は、賃貸経営で儲けるためでなく、節税のためにアパートを建てる。
  • 地主兼オーナーに純粋な個人投資家が対抗するのは難しい。
その他メモ
  • 投資の基準はIRR (Internal Rate of Return 内部収益率)
  • 賃料の下落率は10年で10%。
  • リフォームしても担保価値は上がらない。
  • ワンルームマンションに担保価値はない。
  • 5年を過ぎると譲渡益への税率が下がる。10年を過ぎると修繕費用が嵩む。購入後6~8年が売却のベストタイミング。
  • 価格が上がるときは東京の中心部から上がり始め、下がるときには一斉に下がる。
  • 儲かる物件7つの法則
    1. 買ってはいけない時期がある。
    2. 単価の高いエリアが底堅い。
    3. 駅からのアクセスはいいに限る。
    4. 大規模マンションは得をする。
    5. タワーはランドマーク性に価値がある。
    6. 面積は小さいほど損をする。
    7. 適正価格以下で購入する。
  • 投資物件は本来、現物より数字を見て買うべき。
  • 自宅選び:周辺の相場を調べ狙いの物件と比較し、賃料を調べて利回りを算出し、投資物件と考えて事業シミュレーションを行い、いつ頃いくらぐらいで売却するかという出口戦略まで考え、利回りを計算してみる。
  • 自宅投資には、新築または築年数の浅い物件。
  • 10年以内に売却し、大規模修繕工事を回避。
  • 1983年以降の竣工であること。(1981年6月、建築基準法改正)
  • 区画所有の物件で建て替え話がまとまる可能性は非常に低い。
  • 定期的に買い替えるのが前提なので、リセールしやすい条件を押さえる。
  • 流動性リスクを考えれば、8000万円程度まで。
  • 取引が多いのは70平方メートル台のファミリーユースマンション。
  • 震災があっても、崩壊を免れた物件は資産価値が高まる。
  • 賃貸マンションより分譲マンションの方が耐震性に優れた構造になることが多い。
  • 新浦安のように、建物が丈夫でもインフラが液状化で寸断することも。
  • 中古一戸建ては担保価値がないため、リセール先は現金で購入できる人だけ。リフォームしても担保価値は上がらない。
  • 身の丈という考え方が損を生む。
  • 郊外の物件を安物買いし、値下がりで損をするより、将来の資産形成を考え高額物件を買う。
  • 東京23区では2028年まで人口が増え続ける。
  • 富裕高齢者の都心回帰。
  • 東京都心部のタワーマンションが、国内の不動産資産の中で最も資産性が高い。つまり、値下がりしにくく換金が容易。
  • 『自宅は10年で買い替えなさい』
    マンションは10年で買い替えなさい 人口減少時代の新・住宅すごろく (朝日新書)
    沖有人
    朝日新聞出版 (2012-12-13)
    売り上げランキング: 17,303
    1. 含み益を出す
    2. 住宅取得控除の期間が10年で切れる
    3. 10年固定金利は長期固定金利より低いので、10年で住み替えることを前提とすると、金利の低いローンを使うことができる
    4. フラット35Sの金利優遇は10~20年で設定されている
    5. 固定資産税の新築住宅の減額には5~7年の期限がある
    6. 買い手は築10年以内の物件を望んでいる
    7. 新築に住み替えることで最新の設備が手に入る
    8. ファミリー向け共用施設は10年で使わなくなる
    9. 大規模改修を回避する
    10. 賃貸に出す場合も築年が浅いほど有利
    11. 定期的に買い替えないと生きているうちに建物の耐用年数が来てしまう
    12. 瑕疵担保責任は10年で切れる
    13. 子供の成長
  • ローンを組めなくなるのでサラリーマンをやめてはいけない。独立して経営者となった者に対する金融機関の目は厳しい。
  • 黒田総裁の任期後の2018年以降の不動産市場には注意が必要。
  • 2020年オリンピックの1年前には建築需要は消える。「そろそろ危ない」と考える人が多くなる前には市場は崩れ始める。
2018年までのマンション戦略バイブル
沖 有人
朝日新聞出版 (2015-01-20)
売り上げランキング: 119,564