- 「新常態」の特徴
- 労働市場の変化
- 経済政策
- インターネット産業~新しい成長エンジン
- 消費・サービス業・環境産業~成長分野に
- 都市化~生産要素の流動化を促進
- シャドーバンキング
- 日本バブルとの比較
- 習近平政権の脆弱性
- 世界経済成長率への寄与度
- 比較優位のシフト
- 「走出去」戦略
- 米中新型大国関係
- 「一帯一路」構想
目次
第一章 ○新常態に移行した背景 ・需要低迷による短期的景気変動ではない ・労働力不足 -生産年齢実行の減少 -農村部の余剰労働力の枯渇 ○新常態下の経済政策 ・経済政策の三本柱 -安定成長の維持 -経済発展パターンの転換 -市場化改革の推進 ・経済政策の目標 =雇用創出よりも生産性の上昇 第二章 ○経済発展パターンの転換 ・原動力=イノベーションによる生産性の向上 ・海外からの技術導入だけでなく研究開発にも積極的 ・イノベーションの担い手は国有企業から民営企業に 第三章 ○金融・財政リスク ・シャドーバンキング ・地方政府の債務 ・住宅バブル 第四章 ○習近平政権が進めている改革 ・「政左経右」 -自らの権力基盤を強化 -政府による経済活動への介入を減らす 第五章 ○世界経済への影響 ・外資誘致から中国企業の国際化支援 ・新型大国関係の構築 ・一帯一路(新シルクロード)構想 ・人民元の国際化 ・アジアインフラ投資銀行の設立
新常態の特徴
労働市場の変化
経済政策
インターネット産業~新しい成長エンジン
消費・サービス業・環境産業~成長分野に
都市化~生産要素の流動化を促進
シャドーバンキング
米国との共通点
- 期間転換の機能を持つ
- 規制回避の手段になっている
- 預金保険制度や中央銀行のサポートがないため、大量解約による流動性危機が起こりやすい
米国との相違点
米国 | 中国 | |
---|---|---|
①主導 | ノンバンク | 銀行 |
②証券化率 | 高い | 低い |
③レバレッジ率 | 高い | 低い |
④購入者 | 機関投資家 | 個人投資家 |
日本バブルとの比較
類似点
- 労働力不足に制約されて潜在成長率が大幅に低下している中で、政府が無理して拡張的マクロ政策を通じて潜在成長率超える高成長を目指そうとしたことがバブルを招いた。
- 為替レートの上昇を抑えようと外為市場に介入した結果、流動性が膨張。
- 預金を原資とする銀行の貸出とは別の、当局の規制から逃れた、資金調達ルートが使われる。 【シャドーバンキング vs 住専】
相違点
日本 | 中国 |
---|---|
銀行の住専への融資はバランスシートの一部
⇒ 債務不履行時は不良債権として処理が必要 |
シャドーバンキング商品は銀行のバランスシートから分離
⇒ 債務不履行時も損失補填の義務なし |
銀行は民営 |
銀行は国営
⇒ いざという時は政府が支援? |
変動相場制 |
当局が厳しく管理
⇒ 投機の対象になりにくい |
1990年代の日本は既に成熟した先進国 |
まだ中所得国
⇒ 「後発の優位性」を生かせば6~7%の成長が当面維持可能 |
習近平政権の脆弱性
- 中国の経済界エリートたちは中国の将来を悲観
- メディア・インターネット・映画・芸術・宗教・少数民族への統制が強化
- 共産党のプロパガンダが影響力を失う
- 腐敗撲滅はあくまで政治闘争の道具に過ぎない
- 中国経済の将来が楽観できない
http://jp.wsj.com/articles/SB11672146961829524028304580509491351495202
世界経済成長率への寄与度
= 成長率 × 世界GDP総額に占める割合 ・・・米中のGDP逆転を待たずに、中国は米国を大きく上回っている。
比較優位のシフト
「走出去」戦略
- 国内の資源不足の緩和
- 過剰生産能力の解消と産業の高度化
- 貿易摩擦の緩和
- 対外収支不均衡の是正 ・・・黒字を減らして人民元切上げ圧力を軽減
- 競争力ある多国籍企業の育成・・・Made In Chine → Inovation In China
米中新型大国関係
2013年6月、習近平とオバマの首脳会談で「米中新型大国関係」を共に築いていくという共通認識に達する。
- 衝突しない、対抗しない・・・互いの戦略を理解し、対話と協力
- 相互に尊重する・・・互いの社会制度・発展の道・利益の関心点を尊重しあう
- ウィンウィン関係を目指す・・・ゼロサムではなく、共通利益を模索
「一帯一路」構想
意義
- さらなる改革開放
- 東部と中西部の格差問題
- 中西部地域と隣国間の交流と協力
- アジアにおける地域協力
- 国家間ビジネス環境の向上
- 世界平和の発展
中国のビジネスチャンス
- インフラ建設
- 交通と輸送
- エネルギー
- 貿易と観光