- 概要
- EV部材
- 大前研一インタビュー
概要
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中国が世界最大のEVマーケット。
- 中国の真の狙いは、CO2削減ではなく、先進国中心の自動車産業をEV化でスタートラインに戻すこと。
- 駆動装置部品のサプライチェーンが、日米欧では確立されている。中国がこれに追いつくのは至難。
- 中国は強みのあるEVを国策として推進することで、自動車や電池における世界の産業勢力図の大転換を図ろうとしている。
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新技術は確立からおよそ7年で旧技術を置き換える。自動車も?
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EV化で部品は4割減。
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2050年にガソリンスタンドは今の4分の1に。
- 急速充電でも30分。
- コンビニや商業施設が充電場所になる。
- ガソリンスタンドの充電ステーション化は不可能。
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EV化で車のライフサイクルが長くなる。
ガソリン車 累計24万km EV 累計80万km -
日本が世界屈指の技術を持つ分野
- 電池
- モーター
- 炭素繊維(軽量化素材)
- EVの製造コストの半分は電池。
- 数年後には電池が不足し、電池メーカーが顧客を選ぶ時代が来る。
- 次世代電池「全固体電池」の最大の利点は安全性(だけ)。今後10年は難しい。
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ZEV規制(Zero Emission Vehicle、排ガスゼロ車)
- 毎年一定割合のEV・FCV・PHVの販売が義務化。
- 目標を達成できなければ罰金を払うか、他者のクレジット(排出枠)を購入。
- テスラはクレジット販売で年間1〜2億ドルを売り上げている。
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欧州メーカーはマイルドHV推し。
フルHV 高電圧電源を用いており、モーターのみでのEV走行が可能。 マイルドHV 低電圧電源を用いており、エンジンのアシストをするだけ。
既存のエンジン設計を変更することなく、15%のCO2削減が可能。 -
ニューカマーが旧産業をぶち壊す。
根本的な技術の方向性を変えると、既存産業が破壊的な影響を受けるため、日本の自動車メーカーはEV化に踏み切れなかった。 【イノベーションのジレンマ】
頭脳(標準OS) テスラ、グーグル 生産 BYDなど中国勢 電池 パナソニック?
EV部材
三種の神器
(1) モーター | ○既存の「誘導モーター」から「永久磁石型同期モーター」へ。 | 日立オートモティブシステムズ/安川電機/日本電産/三井ハイテック | ||||||||||||
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(2) インバーター |
○直流から交流に変え、モーターの回転数を制御。 ○「走る喜び」はインバーターで出す。 |
明電舎/三菱電機/東芝インフラシステムズ | ||||||||||||
(3) リチウム イオン電池 |
主要四部材
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トップ3体制から5体制へ ・サムスンSDI ・パナソニック ・LG化学 ・BYD ・CATL |
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炭素繊維複合材 |
○アクリル繊維を炭化した繊維。それを樹脂で固めた複合材。 ○軽さと強度に優れている。 |
東レ/三菱ケミカル/帝人 |
自動車メーカー | PHV | EV |
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トヨタ | パナソニック | |
日産 | オートモーティブ・エナジー・サプライ | |
ホンダ |
ブルーエナジー パナソニック |
東芝 |
GM | LG化学 | LG化学 |
フォード | パナソニック | LG化学 |
テスラ | パナソニック | |
VW・アウディ |
パナソニック サムスンSDI LG化学 |
パナソニック |
BMW | サムスンSDI | サムスンSDI |
大前研一インタビュー
- カーシェアやライドシェアなど、シェアリングエコノミーが発達すると、自動車の販売台数は今の7割程度に減る。
- 自動運転車が普及すれば、二種免許は不要になる。
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日本の自動車メーカーのおじさん世代のメンタリティが邪魔。
- FUN TO DRIVE
- Be a driver
- ↑「所有」を前提とする販売台数にこだわっている。
- トヨタのカギを握るのはPHV。PHVの開発力は今ではトヨタが圧倒的。
- GPSと連動させ、市街地ではバッテーリーで走行し、市街地を抜けたらエンジンを使う。 市街地ではEVだということを理解させ、排ガス規制の対象から外させるようにロビー活動をすべき。
- 目先はPHVを柱にし、将来的なEV化に向け経営資源をシフトすべき。
- EVに必要な部品はすべて日本製が世界一。燃料効率・材料・素材研究は日本がはるかに進んでいる。
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部品点数が減り、自動車関連が支えていた雇用は維持できなくなる。
→ そもそも日本は人口減少社会で人手不足。悲観不要。