未来化する社会 世界72億人のパラダイムシフトが始まった (ハーパーコリンズ・ノンフィクション)
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ハーパーコリンズ・ジャパン (2016-05-19)
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- ロボティクス
- ゲノミクス
- 通貨・市場・信用のコード化
- コード戦争
- ビックデータ
- イノベーションの中心地
- 学ぶべきこと
ロボティクス
- ロボティクス界のビッグ5:日本、中国、アメリカ、韓国、ドイツ
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産業ロボットから高齢者介護ロボットへの転換。(日本)
他のテクノロジーと異なり、主力ユーザは高齢者。 -
文化(暮らしにロボットを受け入れられるか)がカギとなる。
- ○アジア:物にでも魂が宿ると考える。ロボットはパートナー。
- ×欧米:恐怖心が根深い(e.g.フランケンシュタイン)。ロボットは機械。
- クラウドロボティクス:他のロボットの経験を自分に取り込み学習。
- いまのロボティクスは20年前のインターネット。
- 自動運転:完全な自動化は当分ない。完全に近い安全性が証明されなければ受け入れられない。
- 手術ロボット、ロボット支援手術。
ゲノミクス
- いまの1兆ドル産業は1と0のコードでつくられた。つぎの1兆ドル産業は遺伝子コードでつくられる。
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ゲノミクスの進歩
- シーケンシングのコスト低下:2000年ヒトゲノム解析に27億ドル→10年で百分の1に。
- ビッグデータから知見を引き出す能力の向上
- ゲノム・シーケンシングの力が一番求められているのは、ガン。
- ゲノミクス関連製品:採血だけのガン検査(リキッドバイオプシー、液体生検)。血液中に腫瘍DNAがないか調べる。
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パーソナル・ゲノム・ダイアグノスティックス(PGDx)社
- ガン細胞と正常細胞をシーケンシングする。
- 結果をビッグデータ解析し、ガンがどこで増殖しているのかを正確に突き止める。
- ぴったりの薬剤をリコメンドする。
- ゲノミクスが可能にしたスピードにも正確さにも、薬剤開発はまったくつり合っていない。
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適確(プレシジョン)医療:
- 100万人以上の個人ゲノム情報を蓄積し、特定の個人の遺伝的特質と腫瘍の特質に合わせた医療を施す。
- 従来の、どのガンにも化学療法で対応するのとは異なる。
- 麻酔技術の導入に匹敵する革新。
- ゲノミクス先進国:ほとんどはアメリカだが、中国が追いつくのは時間の問題。
通貨・市場・信用のコード化
- コード化の第一の波:イーベイ、ペイパル
- 先頭にいるのはアリババ。アリペイの規模はペイパルよりも大きい。
- コード化した市場は辺鄙な場所にも届き、新興市場(とくにアフリカ)をグローバル経済に結び付ける。
- 信用のコード化 = 共有経済(シェアリングエコノミー)
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コード化した市場は、取引の分散と集中を同時に推進する。
- 取引の分散:取引主体が店舗やホテルから個人へ
- 取引の集中:取引が経由するプラットフォームはカリフォルニアか中国
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共有経済が拡大するにつて、テクノロジーのプラットフォームをもつ、世界のどこかの場所に、金は流れていく。支給規模での地域格差は、これまでに見たことがないほど大きくなる。
e.g. 金はタクシードライバーからUberの株主に流れる。 - ブロックチェーン:コードによってつくられる信用のネットワーク。台帳は定期的に更新され、検証済みの取引が広く公開され、きわめて高い信頼性を維持する。
- 貧弱な政府には貧弱な通貨制度しかない。こうした国でこそ、ビットコインは大成功しやすい。
- 力のない政府の通貨は淘汰されていく。最終的に6つの通貨だけが生き残る:米ドル、ユーロ、円、ポンド、人民元、そしてビットコイン。
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ビットコインのマイクロペイメント(少額決済)能力:
記事ごと章ごとの課金など。メールを有料にすればスパム対策に。 - 従来の決済システムの不正検出機能はレベルが低い。国際取引はとくに。毎年何十億ドルもの取引が弾かれている。ビットコインならゼロに。
- ビットコインの安全性に対する真の脅威は、ブロックチェーンではなく、周囲のインフラのセキュリティ。ビットコインのブロックチェーンは不正アクセスされてあことがない。
- ブロックチェーン=価値の移動。銀行にも法律にも会計にもなる。中間段階を抜き、余計な摩擦を減らす。企業・市民・政府のあいだの約束ごとは書き直される。仲介人を排し、伝統的な権威を破壊し、未開拓経済をグローバルな活動の場に参加させる。
コード戦争
- 世界は Cold War から Code War へ。
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サイバー攻撃の種類
- 【機密性への攻撃】クレカなど秘密にすべき情報を盗み出す。
- 【可用性への攻撃】Dos攻撃でシステムをダウンさせる。
- 【完全性への攻撃】コンピュータ・コードを書き換え、ハードウェアやインフラ、実社会にダメージを与える。
- アメリカは、従来の軍事部門と同レベルでサイバー空間を重視。サイバー軍を新設。
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IoT(車、ウェアラブル、スマートホーム、製造業)の脆弱性
- 1個所のハッキングが全体に波及する。
- シングボット(thingbot)がDDos攻撃のエンジンに。ウイルスに感染したトースターがthingbotに。
- サイバーセキュリティの人材不足:政府と民間の協力は必須。
- シリコンバレーが楽観的なのは、単に、「回避された攻撃」を目にしていないから。政府は地位が高くなるほど悲観的。
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FireEye社
- 国際的なネットワークセキュリティ会社
- ウクライナとロシアの間の攻撃的サイバー活動を解析。
- コードの兵器化は、戦争の武器としては核兵器以来の革新。
- サイバー兵器は、他の兵器よりも参入障壁が低い。どんな集団でも個人でも能力を身につけられる。核保有国は10ヵ国だけ。
ビッグデータ
- 農耕時代の原材料は土地;産業化時代の原材料は鉄;情報化時代の原材料はデータ。
- ビッグデータの進歩 ← データ増 + コンピュータ演算能力向上
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精密農業 ← 農業 + ビッグデータ
- 気候や、水と窒素の度合い、空気の質、病害などのリアルタイムのデータを大量に集め、分析する。平方センチ単位に。
- 経験と勘をアルゴリズムに変える。
- いずれは、トラクターが土の必要としているものをセンチ刻みで感知し、状況に応じてカスタマイズされた配合飼料を撒くようになる。過剰な化学肥料がなくなるので環境にもよい。
- トップシェアを握れるのは既存の大手農業関連企業ではなく、精密農業に特化して生まれるベンチャー企業か。
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フィンテック ← リテール・バンキング + ビッグデータ
- 銀行が、自分たちがデータ企業であることに気づき始めた。データをコアビジネスとして見始めた。
- 規制がなければ、グーグルなどがデジタルネイティブの銀行をつくっている。
- 銀行は、時代遅れのシステムをあまりに多く使用しているため、分析結果をひとつにまとめて全体を見ることができない。
- スクエア社のスクエア・キャピタル(事業資金前貸しプログラム):金銭の出入りデータを見れるので信用調査がいらない。
イノベーションの中心地
- 「次なるシリコンバレー」はもうつくれない。もう遅い。
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産業分布、2つのシナリオ
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ビッグデータがシリコンバレーにあらゆる産業を引き寄せる。
(すべての産業はソフトウェアとビッグデータが役立つ。つまり、シリコンバレーがすべてを運用できることになる。) -
それぞれの場所でイノベーションが加速する。
(日本のロボティクス、北京のゲノミクス、ドイツのインダストリー4.0、ニュージーランドの牧草メーター、ケニアのiCow)
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ビッグデータがシリコンバレーにあらゆる産業を引き寄せる。
- 「テクノロジーの専門知識」+「地域固有の専門知識」+「ビッグデータの活用」⇒ 未来の産業のチャンスが生まれる
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オープン vs クローズ
- 20世紀:共産主義 vs 資本主義 ⇒ 21世紀:オープン vs クローズ
- 最もオープンな国 = エストニア。
- より開放的なシステムを選び維持することができる国は、未来の産業とビジネスの基礎が築かれ、資金が提供され、市場が開かれる場所になる。
- 中国のように、政治の開放性は制限しながら、経済と社会は開放して富を築いてきた国もある。
- どの国も潜在労働力の半分は女性が占める。未来の産業を勝ち抜くのは女性を尊重する社会。
- 日本の女性は世界で最も高い教育を受けているにもかかわらず、能力を活かせていない。(障壁:高齢男性の偏見、育児との両立ができない労働環境、勤務後に飲む文化)
- 中国は男女平等が根付いている。毛沢東の取り組みのおかげ。
学ぶべきこと
- 多文化をまたいでいける素養
- 母国語以外に2つの言語:外国語とプログラミング言語
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プログラミング言語を習得する意味
- エンジニアやプログラマになるためではない。
- 物事をまったくぜんぜん違う角度から考えられるようになる。
- 抽象思考。
- 問題を小さく分解してから解決。
- あるシステムが他とどうかかわっているかを考える。
- 分析力
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