2021年2月7日日曜日

『ミル『自由論』 原書精読への序説』

薬袋 善郎(みない・よしろう) (著), 研究社 (2020/3/16)
  • 第1章 序論
  • テーマは「意思の自由」ではなく、「市民の自由」すなわり「社会における個人の自由」
    詳しく言えば、「社会が個人の上に合法的に行使できる力の性質と限界」である。
    • 社会における個人の自由 = Social Liberty
  • 自由と権力・権威との闘争
    • 【昔】被支配者 vs 政府
       自由とは、政治的支配者の圧制から身を守ることを意味していた。
       支配者たちは敵対する立場。
    • 支配者が持つ、社会に対して行使することが許されるべき権力に制限を設けること が愛国者たちの目的となった。
      この制限こそ、彼らが意味する「自由」。
    • 権力に制限を設ける方法
      • 免除特権を認めさせる。
      • 憲法上の制約を設ける。 支配者が重要な統治権を行使する際は、社会の同意を必要とさせる。
  • tyranny 人民を苦しめる暴虐な政治;「暴政」
    (政治に限定しない;「圧制」)
    despotism 被治者と階級的に文律している統治者が独断で支配権を行使する政治;「専制」
    oppression 長期に及ぶ残酷な権力行使;「圧制」
  • the tyranny of the majority 多数者の圧制


  • 【理想】統治者と被統治者の利害は対立しない。
  • 統治者は、人々の権力の借用者・代理者であって、人々の意のままに解任できる。
  • 権力自体を制限することは、利害が庶民の利害と常習的に対立する統治者に対する方策である。
  • 統治者の権力は、単に、国民自身の権力が集められ、行使に便利な形態をとったものに過ぎない。


  • 【現実】権力を行使する人民は、権力を行使される人民と同じではない。
  • 「自治」とは、各人が自分自身に統治されることではなく、 各人が他のすべての人々によって統治されることである。
  • 人々の意思は、 最も数が多い部分あるいは最も活動的な部分の意思を意味する。
    それは「自治」においては、過半数者、 あるいは自己を過半数者として認めさせることに成功する人々の意思である。
  • 人民は人民の一部を抑圧したいと願う可能性がある。
  • 「多数者の圧制」は社会が警戒しなくてはならない害悪。
  • 行政官ではなく、社会それ自体が圧制者
  • 政治的圧制よりも恐ろしい。
    刑罰はないが、はるかに深く生活の細部に浸透し、魂そのものを奴隷化する。
    逃れる方法は少ない。
  • 支配的な意見と支配的な感情による圧制
    • 社会の思想と習慣を、反対者に対して、法的刑罰以外の方法によって、 行動規範として強制する社会の傾向。
    • 社会の風潮と調和しない個性の発達を妨害し、 またはそのような個性の形成そのものを阻止し、 すべての人の性格が社会の認める性格を模範として形成されるように強制する社会の傾向。
  • 行動規範が、まずは法律によって、 次いで法律の施行に適さない多くの問題については世論によって、 ある程度課せられるのはやむをえない。
  • 習慣が及ぼす魔術的影響力
    • 習慣は、第二の天性であるのみならず、絶えず第一の天性と誤解されている。
    • 習慣の影響力は、行動規範について、いかなる疑念も抱かせない。
  • 人類が互いに課している行動規範は、理屈が必要だとは考えられていない。

    行動規範の基準は、理屈ではなく感情が勝る。
    感情がはっきりしていれば、理屈は不要だ、と信じるのに慣れている。
  • 「すべての人は、私および私と意見を同じくする人たちが好むように行動すべきであり、 社会はそれを求めるべきだ」という各人の感情が、 行動規範についての意見を形成させる原動力。
  • 自分の判断基準は好き嫌いだと他人に対して認めないだけでなく、 自分に対しても認めない。
  • 何が賞賛される行動であり、何が非難される行動であるかについての人間の意見は、 他人の行動に関する願望に影響する多種多様なすべての原因によって、 左右されている。
    • 自分の利益を求める願望。自分の利益を求めることから生じる恐怖。
  • 国の道徳の大半は、その国の優勢な階級の階級的利益と階級的優越感から生じる。


Tom is
taller than any other boy
in his class.
単独最高位
トムはクラスの他のどの少年よりも背が高い。
Tom is
as tall as any other boy
in his class.
同率最高位
トムはクラスの他のどの少年にも劣らず背が高い。
Tom is
not taller than any other boy
in his class.
単独最高位ではない
トムはクラスの他のどの少年よりも背が高い、わけではない。
同率最低位 or 単独最低位
トムはクラスの他のどの少年よりも背が高くない。
(最低位の少年と同じかより低い)
Tom is
no taller than any other boy
in his class.
みな同程度
トムの背はクラスの他の少年と同程度だ。(トムも他の少年も、みな同程度)

薬袋 善郎(みない・よしろう) (著), 研究社 (2020/3/16)