2019年1月23日水曜日

『「日経新聞」深読み講座』

  • 序章 2019年の経済を読む5つのキーワード
  • 第1章 日経新聞の読み方のコツ
  • 第2章 経済の知識で日経新聞を深読みする
  • 第3章 会社の数字を理解して日経新聞を深読みする
  • 第4章 日経新聞を曜日ごとに攻略!

序章 2019年の経済を読む5つのキーワード
第1章 日経新聞の読み方のコツ
コツ01. 1面トップ記事は必ず読む
  • 「社会の関心」に「自分の関心」を合わせるため、1面トップ記事は毎日必ず読む。(リードだけでも)
  • 1面だけでなく、リード文のある大きな記事は、リード文だけでも必ず読む。


コツ02. 見出しはすべて目を通して関心の幅を広げる
  • 小さな記事も含め、見出しはすべて目に入れる。
  • 紙面全体に目を通し、何を大きなテーマにしているかを把握する。


コツ03. 大きな記事はリード文だけでも読む
  • リード文には必ず目を通す。トップ記事にリードがない場合は、最初の2〜3段落を読む。
  • 社説で何をテーマにしているかをチェックする。


コツ04. 「WORLD MARKETS」から市場の動きを予測する
  • 朝、前日の動きなどから、今日の株式市場の動きを予測してみる。検証も。
  • 指標と経済記事とを関連づける。指標の動きの原因を考える。


コツ05. 記事と記事を関連づけて読む方法
  • 記事と記事の関連性を意識して読む。
  • 「経済指標ダッシュボード」を見て、数字と記事の内容とを関連づける。


コツ06. こうすれば景気の先行きが読める
  • 業界ごとの業績など、クセのある数字の特徴を知る。
    • 経済のクセを知ることで、社会の動きを理解しやすくなる。
    • 景気のピークが過ぎてから、大規模な建設計画が持ち上がる。
    • 建築業や造船業は、世間の景気より1〜2年遅れて業績が動く。
    • 景気が悪くなると、真っ先に「広告費」「交通費」「交際費」が削られる。
  • 仮説を立て、指標などの数字から全体の大きな流れをチェックして検証する。
  • 「経済指標ダッシュボード」を参考にする。


コツ07. 「投資情報」面をざっと見て、企業業績の全体感をつかむ
  • ざっと見出しに目を通し、原因を押さえる。
    • 企業固有か、業種全体か、全業種に当てはまるか。
  • 四半期ごとに発表される「産業天気図」を参考にする。


コツ08. 気になった記事はメモする、日経電子版で保存する
  • 以下をメモする。
    • 関心を持った記事(1行でまとめる)
    • 関心を持った数字、覚えておきたい数字
  • 記事と記事の関連づけや記事を深読みするには、頭の中に数字などの情報がインプットせれていなければならない。
  • スクラップするより、メモをとるほうが頭の中に定着しやすい。
    • スクラップするときは、線や印を付ける。


コツ09. 夕刊で米国経済の動きを確認する
  • 夕刊では、NYダウの終値や米国の経済ニュースをチェックする。
  • 夕刊は投資情報が充実している。
    • コラム「なるほど投資講座」「ウォール街ラウンドアップ」


コツ10. 「載っていない記事」を読めるようになったら一流!
  • 上記コツを毎日続けると、大きな経済の流れを読めるようになる。そうしたら、自分なりの「仮説」を立ててみる。
  • 仮説から、「新聞に載っていない記事」を意識して読む。
    • 「ある事象が起こらない」ということはニュースにならない。
    • 「ある海外企業が日本に進出する」→ニュースになる
    • 「海外企業が日本に進出していない」→ニュースにならない
    • 「見なくなった広告」にも注目。


コツ11. 他紙とも比較してみる
  • 他紙も読んでみて、さまざまな見方を知っておく。
    • 見出し全部とリード文。
    • 「こちらの新聞ではこう言っているけど、私はこうだと思う」と自分の意見を持てるのが正しい姿。
  • 雑誌に目を通すとなお良い。(特に海外で出版された雑誌
    • Newsweek日本版


コツ12. 日経電子版で早く、深く知る
  • 最新ニュースと市場情報をチェック。
  • 関連記事が表示されるので、深読みに便利。



第2章 経済の知識で日経新聞を深読みする
GDPの構成要素 指数
GDP 民需 個人消費(60%) 消費支出 モノやサービスをいくら購入したかを毎月調査し、 1世帯あたりの支出金額を平均したもの。(前年同月比)
住宅投資 新設住宅着工戸数
設備投資(15%) 法人企業統計.全産業設備投資 「法人企業統計」の一部。この統計は2カ月遅れで発表される。
企業が機械や工場、土地などの形ある資産に投資した金額。
機械受注 産業用の機械メーカー280社の受注額の増減。
半年くらいの先行指標
政府支出 公共工事請負金額 国や地方自治体などの公共機関が発注する公共工事の増減。
貿易収支 輸出
輸入

GDP
企業活動 鉱工業指数
生産
製品在庫率
  • 「鉱工業」=「鉱業」+「工業」
  • 「生産」「出荷」「在庫」の動き方の基本を押さえると、この指標を分析しやすくなる。
  • 在庫の増加:
      【Good】 これから売上が増えるだろうから在庫を増やしておこう。
      【Bad】 売れなくて在庫が積み上がる。
  • 好景気:「生産」も「出荷」も上昇
    不景気:「出荷」減少 → 「在庫」増加 → 「生産」減少
日銀短観
製造業
非製造業
  • 日本銀行が年4回(3、6、9、12月)、業績や状況、設備投資の状況、雇用などについて実績と今後の見通しを聞く。
  • 実際より悲観的になりやすい。
雇用 現金給与総額
  • 「1人当りの給与総額」の平均。みんなの合計ではない。
  • 低賃金の非正規雇用が増えると、この数字は下る。
有効求人倍率
  • = 求人数 ÷ 求職者数
  • 1を上回っていれば、仕事のほうが多い。人手不足。
完全失業率
  • 今の2%台前半は完全雇用に近い状態。
  • 雇用が改善しているのに給与が上がらないのは、非正規雇用者が増えているから。
  • ↑「現金給与総額」の低下に現われている。
業種別 全国百貨店売上高
  • 贅沢品の売れ行きを示す指標。
  • 不況になると、まっ先に贅沢品の消費を控える。
  • インバウンド消費も含まれる。
小売業販売額
  • 百貨店、チェーンストア、スーパー、コンビニなど、小売業の売上高。
  • cf.「消費支出」・・・家計の支出。エネルギーや通信の消費も含む。外国人観光客の消費は含まない。
  • インバウンド消費も含まれる。高級品から日用品へ。
物価 消費者物価指数
(前年比)
  • 物価目標2%を達成できるか。
  • コストプッシュ型のインフレ:「現金給与総額」が上がらずに、物価だけが上がる。
  • デマンドプル型インフレ: 「現金給与総額」とともに、物価が上がる。
輸入物価指数
  • 円相場、原油価格が影響。
  • 消費者物価に影響。
金融 コールレート
  • 日銀がコントロールしている政策金利
マネタリーベース
  • 日本銀行が供給する通貨。
  • =「日本銀行券発行高」+「貨幣流通高」+「日銀当座預金」
  • 日銀が異次元緩和で増やしているのがマネタリーベース。
  • 絶対額は大きいが、増加率が縮小している。・・・ステルステーパリング
銀行貸出残高
  • 異次元緩和の成果を見極めるための指標の1つ。
    (日銀が供給した通貨が、銀行貸出に回っているか。)
M3増加率
  • 異次元緩和の成果を見極めるための指標の1つ。
  • 現金通貨と市中銀行の預金残高。
  • マネーストック(=マネーサプライ)
  • 景気がよくなると、どんどん増える。信用創造
  • 過去の好景気
    → M3がマネタリーベースの10倍に。
  • マネタリーベースは資金供給量。民間銀行に供給される貸出の原資となるもの。
    マネタリーベースを原資として、銀行の預金通貨が増え、貸出が増える。→ M3が増える。
  • 金融緩和が景気を刺激しているかを見るには・・・
    日銀がマネタリーベースを増やすことで、 企業の貸出を示す銀行貸出残高が伸び、 同時にM3が増えているかを確認する必要がある。
市場 1日平均売買代金
  • 3兆円近くになると売買が旺盛。2兆円を割り込むと閑散。
  • 閑散期が株の買い時。
  • あわせて、「法人企業統計」の「営業利益」、「投資情報」面、「産業天気図」を活用。
国際収支 経常収支
  • 海外とのモノやサービスの取引や金利・配当などの受け払い。
  • 貿易収支第1次所得収支(金利・配当)の割合が大きい。
  • 「輸出で稼ぐ」から「投資で稼ぐ」に変化。
  • 震災以降、日本企業の海外進出が加速。
  • 米国の利上げで米国債から得られる金利が増える。→ 所得収支が増える。
  • 所得収支はGDPに加味されない。
  • 成長力=GDP成長率、基礎力=経常収支
  • 経常収支が赤字になったらヤバイ。国債格付けが下がる。
貿易・サービス収支
  • 「輸出で稼ぐ」から「投資で稼ぐ」に変化。
直接投資
  • 海外で事業を行うための投資額。海外で事業を立ち上げたり、海外の企業に対してM&Aや提携を行うための投資額。
  • 震災以降に増えている。
  • 日本の「輸出産業主導」という構造が変わりつつある。



米国 実質成長率
  • 潜在成長率2.0%を上回るか。

失業率

非農業部門雇用者増減数
  • 月15〜20万人増。年間200万人増。
  • 業績が悪化するとすぐにレイオフするので、景気を反映しやすい。
中国 中国政府が一番恐れていることは「共産党一党独裁体制が崩壊すること」

GDP成長率
  • 目標を達成できるか。

外貨準備
  • 2014年、3.99兆ドル
    2016年、3兆ドル
  • リーマンショック → 4兆元の公共投資 → 供給過剰・人件費上昇 → 経済成長鈍化 → 人民元安 → 外貨準備で買い支え → 外貨準備が1兆ドル減る → 外貨の流出防止(輸入関税の引上げ、海外での現金引出し制限)→ 爆買い変化(高級品から高品質安価品に)
欧州
  • 緊縮財政 → ポピュリズム政党の台頭 → EU離脱
第3章 会社の数字を理解して日経新聞を深読みする
第4章 日経新聞を曜日ごとに攻略!
  • 日曜日から始まる1周間を1つのサイクルに。日曜日に、次の一週間がどうなるか考える。
  • 日曜朝刊:「アウトルック 今週の市場」、「ニュースフォーキャスト」、「今週の予定」
  • 「何が市場を動かしているか」を考える。
  • 「自分で仮説を立てる力」/専門家の仮説の立て方を勉強する。
  • 「市場体温計」 > 「売買代金」
  • 「株式市場の投資指標」 > 「PER」
  • 「短期金融市場」 > 「日銀当座預金残高」