2017年6月10日土曜日

『量子コンピュータが人工知能を加速する』

  • 量子コンピュータとは
  • D-Waveの量子コンピュータ「D-Wave 2X」
  • 量子アニーリングとは
量子コンピュータとは
  • 量子コンピュータとは、量子力学の特徴を生かし、「0」と「1」の両方を重ね合わせた状態(「0」かつ「1」である状態)をとる「量子ビット」を使って計算する装置。
  • 長年、研究が続けられてきたのが量子ゲート(量子回路)方式
    ここ数年で突然商用化された量子コンピュータは量子アニーリング方式
  • 量子アニーリング方式の量子コンピュータを商用化したのは、カナダのD-Waveシステムズ社
  • 量子アニーリング方式の量子コンピュータは、従来コンピュータよりも、組み合わせ最適化問題1億倍高速で解ける。
  • 組み合わせ最適化問題
    • 巡回セールスマン問題
    • 4色問題
    • 物流の最適化
    • 大きな分子の構造解析
    • 機械学習
      • 【変数選択】どの要素が重要な役割を示すのかを判別すること
      • 【クラスタリング】データがどのグループに分類されるのかを判別すること
    • 深層学習
      • 【サンプリング】ニューラルネットワークに試しにデータを出力させ、それが実際のデータとどれくらい適合しているかを調べること
  • 量子コンピュータは、人工知能のためのソフト上の技術である機械学習を支える次世代ハードの有力候補。
  • 量子ゲート方式であれ、量子アニーリング方式であれ、現在使われているコンピュータに取って代わる次世代の超高速コンピュータではない。
  • 現在のコンピュータができることを量子コンピュータにやらせるのは、壮大なムダづかい
  • 特殊な大規模計算だけを量子コンピュータに託す。
量子ゲート方式 量子アニーリング方式
従来コンピュータのように汎用的に使うことが目的。 「組み合わせ最適化問題」を解くのが目的。
D-Waveの量子コンピュータ「D-Wave 2X」
  • 価格:約15億円(リース契約:1億円/年)
  • 消費電力:25キロワット(スーパーコンピュータ京の500分の1)
  • 超電導回路で量子ビットを実装。
  • 【超電導】特定の金属や化合物を非常に低い温度に冷却したときに電気抵抗がゼロになる現象。
  • D-Waveはニオブという金属で作ったリングを超伝導状態にして、そのリング内を走る電流の向きにより量子ビットを実現している。
  • 重ね合わせ状態 = 右回りの電流と左回りの電流が同時に存在する状態。
  • 「キメラグラフ」がボトルネック。
    • すべての量子ビットが相互に接続されているのが望ましいが、ハードウェアの制約上、一部しか接続されていない。
量子アニーリングとは
  • 「自然現象を借用したアルゴリズム」の1つ。
  • 自然現象を借用したアルゴリズム
    • 遺伝的アルゴリズム
    • シミュレーテッド・アニーリング(疑似焼きなまし法)
  • 焼きなまし現象(アニーリング;annealing) = 金属を高温にしてからゆっくり冷やしていくと構造が安定するという現象。
  • 量子焼きなまし法量子アニーリング = 量子ゆらぎを用いた過程によって、解候補(候補状態)の任意の集合から任意の目的関数の最小値(グローバルミニマム)を探す一般的方法。
  • 量子アニーリングも従来コンピュータでシミュレートするものと考えられていたが、D-Waveが、量子焼きなまし現象を実際に発生させてしまうハードウェアを作ってしまった。
  • 組み合わせ最適化問題をイジング模型の基底状態を探す問題へと変換する。
  • 【イジング模型】量子ビットのように「0」と「1」という2つの状態を持つものが格子状に並んでいる様子をモデル化したもの。ある格子点が「0」になるか「1」になるかは、近くの格子点からの影響を受ける(相互作用)。
  • 横磁場をかけて「0」と「1」が同時に存在する状態を作るのが量子アニーリングの特徴。
  • 横磁場をゼロにするまでの時間が長ければ長いほど、正しい解を得られる。実際は限界があり、数十マイクロ秒で切り上げている。これを何千回も繰り返し、最適解を求める。
  • 「量子トンネル効果」により局所解から抜け出す。
  • 量子アニーリングで組み合わせ最適化問題を解くということ = 量子ビット間の相互作用から全体のエネルギーを計算し、そのエネルギーが最も低い状態(基底状態)になるところを探す。


1998年 西森秀稔が「量子アニーリング」を論文で発表。
1999年 ジョーディー・ローズが D-Wave社を設立。
2007年 D-Wave社が、16量子ビットのチップ「オリオン」を完成。
2011年 128量子ビットの「D-Wave One」の動作結果が『ネイチャー』に掲載。
「怪しい企業」との風評が広がっていたD-Wave社の状況が変わる。
D-Waveの初めての顧客: ロッキード・マーティンが飛行制御システムプログラムのバグ取りに使用。
2013年 グーグルが 量子人工知能研究所 をグーグル内部に設立。
グーグルがNASAと共同で D-Waveマシンを導入。